一歩間違えるとハラスメント 女性部下を食事に誘うときのマナー&タブー
businessビジネス2019.06.19
ビジネス2019.06.19
部下とのコミュニケーションは、仕事をスムーズにするうえで有効だ。面談という方法もあるが、食事をしながらのコミュニケーションは、本音が聞けたり、パーソナリティを知るのによい機会である。
ひと昔前までは、仕事終わりに部下や上司と食事に行くのはごく普通のことだった。しかし最近は、仕事とプライベートを分けて考える社員も多く、誘いにくい傾向にある。とくに、女性の部下を食事に誘う場合、気を遣わなければいけない点が多い。一歩間違えてしまうと、トラブルを招くことも。 そこで、上司に食事に誘われたことのある女性の証言をもとに、女性部下とスマートに食事するためのポイントを挙げてみた。
30代Sさん談
残業などをしているときに、「このあと予定ある?」と、いきなり誘われてもね。男性ならともかく、女性には色々都合があるんですよ。しかも、前触れもなく急に言われると「私何かやらかしたかな?」とか、身構えてしまいます。
つまり、女性の部下を誘うにはダンドリが必要ということだ。 たとえば、事前に「このプロジェクトが落ち着いたら食事にでもいこうか」というように、予告をしておくと、びっくりさせることはないだろう。
20代Hさん談
「最近忙しくて、ゆっくり話も聞いてやれなかったから」とか、「スケジュールは大丈夫?今キツくない?」とか、ざっくりでいいから目的がわかるようにしてほしい。仕事以外ではあまり付き合いたくない上司の場合、きちんとした目的がなければ、サシでは絶対行きたくないですね。
ただ「食事にいこう」「飲みにいこう」だと、部下は何かあるのかと警戒してしまうようだ。できる限り目的を伝えたほうがいいだろう。
★30代Sさん談
今はパワハラとかいろいろあるから、そんなに強引に誘う上司はいないと思いますが、断れるような空気をつくって誘ってほしいですね。それと、食事のみなのか、飲みになのかも、こちらが選べるようにしてほしい。「飲み」だと気軽な気はしますが、「食事」と言われたほうが断然行きやすいですね。
★20代Hさん談
いくら仕事のコミュニケーションだからコソコソする必要はないとはいえ、やはり他の社員に見られたくはないですよ。「気に入られている」とか「付き合っている?」なんてよけいな詮索をされたら最悪。場合によってはもう会社に行きたくなくなります。
とはいえ、会社を出るときにコソコソされたり、別行動で…みたいにされると、よけい目立つからやめてほしい。それこそ、「先に行っているから」とかメモを渡された日には、何か下心があるのでは?と警戒してしまいますよ。
会社を出るときは、あくまでも爽やかに、「そろそろ出られるか?」と声を掛けたほうがよさそうだ。
そのうえで、会社の人が行かないような店を選ぶ。女性の部下を食事に誘うときは、周囲によけいな詮索をさせない気づかいが大切なのだ。
女性の部下が会社の外で上司と食事を共にするのは、その上司を信頼しているからこそ。お酒が入ったりすると、つい気持ちが緩んでしまい、普段なら言わないような話もしてしまいがちだ。部下の信頼を裏切らないよう、こんな上司だったのか、と、失望させることのないよう、慎重な会話を心掛けたい。女性部下の経験をもとに具体的に挙げてみよう。
女性が嫌うのは、以下のような話。これらの話はほどほどにする必要がありそうだ。
★30代Jさん談
上司と行くのだから、仕事の話は当然だと思いますし、この機会に仕事のことで相談したいこともあります。でも、仕事のダメ出しやアドバイスばかりになってしまうと、せっかくの食事も不味くなってしまいます。とはいえ、プライベートな質問をされるのは嫌!通勤時間とか、出身とか、趣味を軽く聞かれるぐらいならいいですけど、「休日に何しているの?」とか、あまり踏み込まれたくはないですね。「付き合っている人いるの?」なんて聞かれた日には、もう絶対次はないです。
それと、自分の自慢話やこれまでの経歴だとか延々話されるのもつらい。さくっとならいいですけど。せっかくの時間なので、深刻な話ではなく、笑える会話をしたいです。
どうやら、食事中のトークも気を遣う必要がありそうだ。仕事の話はさくっと済ませ、好きな音楽や映画の話など趣味の話をするのが無難らしい。
自分の話も、武勇伝よりは、失敗談など笑える話のほうが、部下にも好感をもたれるポイントになりそう。
女性は体臭に敏感であり、自分が思っている以上に嫌な臭いで不快な思いをさせているかもしれない。そんなときは香水でごまかすよりも、衣類用消臭スプレーの出番だ。
香りの気遣いを忘れないことが、女性部下との食事での最低限のマナーであると言えよう。
仮に、会話の途中で仕事の話やプライベートな話、自慢話を持ち出されても許される上司というのもいる。その違いはなんだろうか。
美侍が独自調査したところによると、会話に隙を作るのがうまく、自分の話3:部下の話7、程度の割合で話を進めてくれる上司。
上司だろうがなんだろうが、自分の話をしたがる男性というのはたいがい話が面白くない上に、長い。長すぎて途中から何を言っているのかわからなくなる、というのも特徴的だ。
自分はあっという間に思えても、相手に与える印象は時間軸においてはその50倍だと思ったほうがいいだろう。
自分の失敗談やココだけの話を上手に織り交ぜ、「この上司とならもっと話したい…!」と思わせるような視点を持つことが大切だ。
また、そういうことをフランクに言い合える人間関係を構築するのもひとつのテクとして取り入れてほしい。