- 住まい(279)
可愛いから……だけじゃダメ!男性一人暮らしで犬を飼う方法&注意点とは
昨今では一人暮らしの男性でも、ペットを飼っている方が多いですよね。しかし、ただ可愛いからというだけで飼うと、思わぬトラブルを招くことも!今回は「せっかくの新生活だし、犬とか飼いたいな……」と考えている男性のために、犬を飼う方法や注意点などについて詳しくまとめました。これを読めば、きっと改めて動物を飼うことの大変さや押さえるべきポイントなどを実感した上で、最適な選択ができるはず!ぜひご参考ください。
犬を飼うにはいくつかの場所がある!どれを選ぶかまず決めよう
まずは、一人暮らしで犬を飼うためにどのような場所があるのか?を見てみましょう。
犬を購入できる、あるいは譲り受ける場所としては、主に以下が挙げられます。
① 保健所や愛護センターなど、里親を探している施設
② ペットショップ
③ その犬種のブリーダーから直接引き取る
④ 知人宅で生まれた仔犬を引き取る
です。
生きものの売買自体に抵抗がある方は、お金もかかりませんし④が最もおすすめだと言えるでしょう。
殺処分されるかもしれない犬を救うという意味では①も良いですが、施設にいる犬は必要以上に人間を恐れたり、気難しかったりする場合が多い上、引き取り手の条件が厳しいこともあるため初めての方や一人暮らしの方には不向きと言えます。
余程の覚悟があるなら別ですが、安易な正義感で引き取ろうとするのはやめましょう。
経済的に余裕があって抵抗がなければ、ペットショップが最も簡単です。
人気の犬種が揃っていますし、飼う時の説明も受けられ、必要なアイテムも合わせて購入できるのも嬉しいですね。
ブリーダーから直接譲り受ける場合は、元々知り合いに信頼できる方がいるのであれば良いですが、初めてだと良し悪しを見極めにくいため、なかなか難しいかもしれません。
その① 保健所や愛護センターなどで「里親」になる
動物愛護センター、保健所、各種動物愛護団体など、捕獲された犬や飼育放棄された犬の里親探しを行っている団体から、犬を里子として引き取るという方法です。
その② 必要なものも一緒に買える!「ペットショップから迎える」
ペットショップでは生後数か月の子犬が多く売られており、犬種も様々です。 どんな犬がいいか、実際に犬を見ながら考えることができますし、希望する犬種を取り寄せることも可能で、身近で手軽に購入できます。
また、ペットフードやケージ、給水器やオモチャなどを犬と一緒に買い揃えることができるので、初めて犬を買う人でも安心です。
その③ 飼育について細かく相談できる!「ブリーダーから引き取る」
犬を繁殖し、生まれた子犬を商品として販売する人を一般的にブリーダーといいます。ペットショップ経由ではなくダイレクトにブリーダーから子犬を購入するという方法です。
その④ タイミングが良ければおすすめ!「知人から仔犬を引き取る」
知人の飼っている犬が子犬を産んだときなど、無料で譲り受けるという入手経路です。
引き取る前にしっかり確認!一人暮らしで犬を飼うのに必要な準備&心構えとは
では、一人暮らしで犬を飼うために必要な準備や、心構えなどを見てみましょう。
まず、そもそもアパートやマンションはペットOKの物件でしょうか?
ペット不可の物件ならまず購入できませんので、物件選びを見直してみなければなりません。
一人暮らしの場合、留守の時どうするか?も考えておかなければなりませんね。
一人暮らしだと毎日あなたが仕事に行っている間は必然的に留守番になりますが、長期出張や入院の時はそうもいきません。
預け先の確保や犬の一生に責任を持てるか(10年~20年ほど生きるので、犬にアレルギーがあったり犬が苦手だったりする女性とは一緒に暮らせなくなる恐れがありますし、常にペットOKの物件に住まなければならず、歳を取ると介護も必要です)、亡くなった後も責任持って対処できるかなど、様々な心構えが求められるので、覚悟しておいてください。
また、犬を飼うためには意外と膨大な費用がかかります。
犬自体は施設や知人から引き取ったとしても、寝床やエサ入れ、トイレ、首輪、暫く分のフード(エサ)など、必需品が必要です。
あとはおもちゃやブラッシングするための櫛、おやつやシャンプー、専用のタオルや洋服(犬種によっては冬場は着ていた方が安心なことも)など、飼うにつれて欲しいものは徐々に増えていくでしょう。
犬を飼うということは、ほぼ子どもを授かるようなものです。
ぬいぐるみのように「可愛いし、癒されたいから」という理由で飼えるわけではないということを、肝に銘じておかなければなりませんね。
そもそも家はペット可?費用や旅行の際の面倒、死の覚悟など心構えがたくさん!
あなたの住んでいる家、または部屋は、ペットを飼っても良い所ですか?
アパートや、マンションにお住いの場合、『ペット可物件』でなければなりません。
犬に掛かる費用を捻出できますか?
餌代、おやつ代、トイレシート代、トリミング代、ワクチン接種代などなど…。
さらに、急な病気やケガ等で病院に掛かれば、数万円~十万円以上掛かる事も珍しくはありません。
長期で家を空ける場合、犬の預け先の確保ができますか?
例えば、あなたが1か月間入院することになった時、あなたのわんちゃんを預かり、世話してくれる人の当てはありますか?
犬の一生に責任を持つことができますか?
犬は平均で13~14年、長生きする犬では20年生きる犬もいます。
年老いて介護が必要になった時、仕事を休んでわんちゃんに寄り添う事ができますか?
エサやエサ入れ、首輪、寝床、トイレなど!必需品をしっかり揃えて
食器&水飲み
食事の際にフードなどを入れるボウル状の食器。水飲みも同じ容器で揃えるといいでしょう。成長に伴って食事量は変わるので、買い替えが必要になることを前提に考えてください。
首輪&リード
ワンちゃんを行方不明にしないためにも、必ず繋がっているためのリードは必須用品です。サイズに合わせて準備します。これも成長に合わせて買い替えるものと考えてください。飼い主の連絡先を明記したタグを首輪に付けておきましょう。
フード
ワンちゃんのごはんは、「総合栄養食」と表示のあるフードを選ぶといいでしょう。「総合栄養食」はワンちゃんが必要とする栄養素をすべて含んでおり、そのフードと新鮮な水を一緒に与えるだけで健康を維持することができるように、理想的な栄養バランスに調整されています。
トイレ
室内で飼う場合、最初からトイレを決め、そこで用を足すようにしつけましょう。
安心して排泄ができる環境を作ってあげることが大切です。暗くて寒い場所や、人の出入りが多い場所は避けましょう。
ゲージ・ベッド
ワンちゃんの居場所となるケージなどのハウス、または市販の犬用ベッド(クッションや毛布・バスタオルでもいい)など、専用の寝場所があると安心します。ゲージは、動物病院などに連れていくときにも使うことができます。
おもちゃやブラシ、タオルなど必要に応じて購入すべきものも!
✓おやつ……必要に応じて。
✓ブラシ……毛質に合ったものを。
✓シャンプー、リンス……毛質に合った物を。
✓専用タオル……柔らかく吸水性の良い物を。
✓歯磨き……ブラシやジェル状、シートタイプの物等。使いやすい物を。
✓おもちゃ……わんちゃんの好みに合わせて、壊れにくく安全な物を。
✓洋服……気温の変化等により、お腹を壊す子も多いので、季節に応じた物が数着あると安心です。抜け毛飛散防止にも。
✓うんちパック……お散歩中のうんちを持ち帰るのに便利なアイテムです。
意外と見落としがち!?一人暮らしで犬を飼う際の注意点を押さえよう
一人暮らしの場合、犬を飼う時の注意点は更に増えることになります。
まず、犬種によっては「無駄吠えが少ないので、ペット不可の物件でも絶対にバレませんよ」なんて言われることもあるようですが、絶対に口車に乗ってはいけません。
ペット不可の物件で犬を飼って苦情が集まると、最終的には強硬手段に出られることもあるようなので、愛犬のためにもルールは守りましょう。
一人暮らしだと、仕事や趣味などで出かける時は大体犬に留守番をして貰うことになりますが、これ自体は特に問題ありません。
むしろ一匹だけの空間になることで主体性が育つとも言われています。
ただし、特に仔犬の場合「トイレ」に注意!
私たちにも同じことが言えますが、我慢にも限界がありますから、ケージに入れて留守番させるなら必ずトイレシートを中に敷いておきましょう。
また、出かける時に「行ってきます!」と声をかけたり、帰って来た時「ただいま」と声をかけたり、その後会えて嬉しいからと構いすぎるのは、実は逆効果だと言われています。
犬が留守番を「特別なこと」と認識すると、犬は行ってきますを言われるたびに嫌な気分になってしまうそうですから、極力控えてください。
その① 口車に乗っちゃダメ!「ペット不可の物件では絶対に飼わない」
ペット可になると家賃は必ず高くなります。
「大家が居ないマンションだから大丈夫。」
「この犬は吠えないからバレないよ。」
なんて店側に言われて安易に犬を飼ってはいけません。
私の知っているケースでは、そのことを住人に通報され、留守中に大家がカギを開けて犬を保健所に連れて行った‥
なんて実話もあるくらいです。
その② 留守の間は「トイレ」に注意!
トイレトレーが設置できないケージの中は長時間の留守番にとても不向きです。子犬がトイレを我慢できるのは月齢プラス1時間と言われています。
長時間の留守番によってトイレを我慢できなくなった子犬は、ケージの中で排尿や排便をすることを覚えてしまう恐れがあります。できれば広めのスペースを確保できるサークルで必ずトイレを設置されることをお勧めします。
その③ 出かける時の声かけ&帰宅時の構いすぎにも気を付けよう!
帰宅後すぐに愛犬に構うのではなく着替えたり自分の用を済ませ、ひと息ついた後で犬に声をかけるようにし、飼い主の外出が特別なことではないことを犬にわかってもらうようにします。
その④ 病気にならなくても「予防接種」が必要!費用を確認しておこう
先ほど費用が膨大になると言いましたが、実は病気にならなくても病院にも行かなければなりません。
なぜならば、狂犬病をはじめとした「予防接種」が必要だから。
混合ワクチンやフィラリア予防などを含め、大体年に25,000円前後の費用がかかるとされているため、心得ておきましょう。
あとは多忙な方の場合、忘れがちなのが「散歩」です。
小型犬でも5分~10分程度は散歩が必要だとされていますから、激務で朝も夜も歩きになんて出られない、家の中だけじゃダメなの?と思う方は犬を飼うには不向きかもしれません。
最後に、犬が可愛くてずっと一緒にいたい!という方は良いのですが「一人暮らしの自由は損なわれる」ということを覚えておかなければなりません。
友達とオールで出かける、なんて時にもせめて深夜には帰ってエサや水をあげたりしなければなりませんし、気まぐれに一人旅……ということもしにくくなります。
インテリアも犬に危なくないように、と注意する必要があるため制限されますし、病気や怪我が見つかれば予定があっても断って病院に連れて行ったり、面倒を看たりすることになります。
その辺りもしっかりと熟考し、覚悟ができた人だけが飼えるのですね。
犬を飼うための年間費用
・狂犬病予防接種(年1回)3,500円
初年のみ登録料が必要です(3,000円)
・混合ワクチン(年1回)9,000円
初めてのワクチンは2回受ける必要があります
・フィラリア予防(8ヶ月分)8,000円
合計 23,500円
※補足※
ワクチンやフィラリア予防等は、受ける種類や動物病院によって金額が前後します。
これに別途、診察代や検査費用がかかる場合も。
その⑤ 毎日1度は「散歩」の時間!小型犬でも5分~10分程度は必要
犬にとってのお散歩は運動になるだけでなく、ストレス発散にもなります。
また、日光に当たることも健康においてとても重要なので、少なくとも1日1回はお散歩に行くようにしましょう。
チワワなど小型犬にはお散歩は必要ないという話を聞くことがありますが、社会性を育む上でもお散歩はとても大切です。
その⑥ 一人暮らしの自由は奪われる!覚悟して飼おう
一人暮らしの良さは、家族や同居人に縛られず自由気ままに生活できること。
その「自由」が、犬を飼うことによって奪われたり、犠牲になったりします。それに耐えられるかどうかです。
日々のお世話は勿論ですが、急に犬が体調を崩したら、病院に連れて行かないといけません。もし持病や介護が必要になったら、そういったケアも飼い主である自分がしなければいけません。
それまで一人の自由を満喫していた人ほど、この辺りの制限に、抵抗を感じるかも知れませんね。
可愛い&飼いやすい!一人暮らしにおすすめの犬種とは?
では、一人暮らしにおすすめな犬種には何がいるのでしょうか?
一人暮らしで犬を飼うなら、やはり最も飼いやすいのは「小型犬」。
特にチワワやポメラニアン、トイプードルなどは無駄吠えも少なく扱いやすいとされているため、非常におすすめです。
ただし、無駄吠えには個体差があるため、絶対に鳴かないというわけではありません。
また、マルチーズやパグ、キャバリア、シーズーなどの犬種も大らかで賢く、飼いやすい犬種として知られています。
特にマルチーズは運動量が少なくて良いそうなので、比較的出不精の方にはおすすめかも。
ただし、キャバリアは毛並みも美しく魅力的な犬ですが、散歩が20分程度必要とありますし、パグは賢く穏やかですが暑さ寒さに弱く、エアコン完備の必要があるなど注意点も存在するため、飼う時はしっかりポイントを押さえておいてくださいね。
最後に、一人暮らしで大型犬を飼いたい!という方も中にはいるかもしれませんが、現実的にはほぼ不可能だと言えるでしょう。
大型犬はケージ自体も大きく場所を取る上、エサ代や散歩量も膨大、力が強いため家具やリモコンなどを破損させたり、抜け毛で部屋がいっぱいになったりすることもあります。
ボルゾイやバーニーズマウンテン、レトリバーなど美しい&カッコいい犬種が多いのが特徴ではありますが、一人暮らしの方はほぼ諦めた方が良いかもしれません。
小型犬でおすすめなのはチワワやポメラニアン、トイプードルなど!
✓チワワ・・・散歩も少なめで良い点、小さいのど扱いやすいなど、公共機関での外出や旅行へも同伴しやすい。
✓ポメラニアン・・・小さいながら自信があり勇敢さと穏やかさを兼ね備えている。しつけもしやく感情表現が豊なので良いコンパニオンドッグになる。
✓トイプードル・・・頭脳では小型犬ナンバーワン。しつけがしやすい。明るく人にも犬にも社交的。抜け毛がほとんどないが、1~2ヶ月に1回のトリミングが必要。
小柄だけどどっしり大らか!時々の散歩でOK「マルチーズ」
マルチーズは小柄ながらも肝が据わっている一面があるので、他の小型犬のように不必要にキャンキャン吠えまくるという心配も少なくマンションで飼っても迷惑をかける事がありません。
世話の仕方としては、毛が長いためブラッシングは必要不可欠で耳の病気になりやすい為、耳掃除を頻繁にしてあげる必要があります。
ただ運動量が少なくて済む為、マンションでの飼育でも運動不足になる心配はありません。時々日光浴を兼ねた短い散歩をする程度で十分です。
賢くて穏やか!エアコンで温度調節してあげよう「パグ」
パグは、飼い主に忠実で賢いためしつけがし易く、攻撃性が少ない穏やかな性格のため無闇に吠える事がありません。短毛で臭いも少なめなので、シャンプーの仕方も簡単ですしお世話のしやすい犬種と言えます。
ただ暑さや寒さには弱い犬種でもありますから、冬や夏に留守番をさせている時にはエアコンなどで温度調整をしておく必要があります。
利口で無駄吠えが少ない!散歩は20分程度必要「キャバリア」
無駄吠えが少なく、お利口な子が多いためマンション飼いにお勧めされているのがキャバリアです。
温厚で人によくなれる犬種ですから、初めて犬を迎える人でも飼いやすいと言われています。
ただし散歩が大好きなので、身体の大きさの割には運動量が必要となる犬種です。一人暮らしでも20分程度の散歩が出来る方にお勧めします。
人懐こくて体臭も少ない!優等生的な「シーズー」
大人しくて人懐っこい性格のシーズー。コミュニケーション能力が高いので、一人暮らしで寂しさを感じている方におすすめです。
たくさん運動させる必要がないので、散歩も楽です。大きさは、30cm程にしか成長しません。無駄吠えが少なく、体臭も少ないのも嬉しいですね。
大型犬はワンルーム一人暮らしだとほぼ不可能!犬種選びは慎重に行おう
【一人暮らしが大型犬を飼うデメリット】
・ケージやトイレが大型で場所をとる。家で人が住むためのスペースは極小。
・ソファーや家電、リモコンなどに、よだれ臭と噛み跡、噛んで欠損箇所があり。
・散歩は1日2回、合計90分以上、家に帰ってきても数十分遊びます。
・部屋は換毛期に抜け毛だらけ、頻繁な掃除が必要
・シャンプーも大変だけど、ドライヤーで乾燥も時間がかかります
・餌代・おやつ代、トイレシーツ、予防接種代、医療費など年間30万円近く
最期まで責任重大!一人暮らしでも犬を飼うなら、家族と思って大事にしよう
いかがでしょうか?一人暮らしで犬を飼うには思った以上に様々な準備や心構え、費用などが必要なのですね。
もちろん、これらを乗り越えて愛らしい犬を迎え入れた時の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。
可愛い!欲しい!ではなく、色々なデメリットも踏まえた上で、ぜひ犬が幸せに暮らせる環境を整えてから飼ってあげてくださいね。