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自分好みが必ず見つかる!「ドイツビール」の代表的な銘柄&特徴をチェック
ドイツといえば、ビールの名産地として世界的に有名な国。最近は居酒屋やバーなどで気軽に「ドイツビール」を楽しむことができますから、ぜひ本場の味を知りたいものですよね。今回は「ドイツビールって飲んでみたいんだけど、いつもどれを頼んでいいか分からないんだよな……」というあなたのために、ドイツビールの特徴や代表的な銘柄、楽しめるイベントなどについて詳しくまとめてみました!ぜひご参考ください。いざ、プロースト(乾杯)!
日本のビールと何が違う?ドイツビールの特徴とは!
ドイツビールの特徴は、500年以上のビール造りの歴史のなかで徹底して守り続けられてきた原料へのこだわりだと言えます。
その原料の種類や使い方は、なんと(500年前から!)法律で厳密に定められているほどです。
製法や原材料についての決まりがない日本のビールに比べると、厳選された「ホップ・麦芽・水・酵母」のみを使って作られたビールは、やはり香り高く、麦の味がしっかりと残っているように思えます。
日本のビールの方が癖がなくて好きだという方の声も当然ありますし、それはあくまで“好み”によるものですので、どちらが美味しいか、という質問はまあ愚問の類に属するとは思いますが…。
ドイツのビール職人は「ブラウマイスター(ビールのあらゆる知識や技術に精通している者)」と呼ばれ、尊敬を集めるそうです。
国を挙げて大切にされているドイツビールは、その種類の豊富さにも定評があります。
製法に関しては主に「下面発酵」と「上面発酵」の2種類。
基本的には、日本でも一般的に飲まれている「下面発酵のラガービール」が代表的なものとされているようです。
「ホップ・麦芽・水・酵母だけを使用する」と、何と法律で決められている!
「ビール製造にはホップ、麦芽、水、酵母だけを使用すること」。ドイツビールの原料は法律でこう定められています。他国では風味を良くするためにコーンスターチやスパイスなどを加えることも普通ですが、ドイツビールに副原料はタブー。原料は4種類だけでも、ドイツビールのバリエーションと風味の豊かさは世界でも群を抜いています。
原料へのこだわりには、500年以上の歴史が!バイエルン公国時代からの名残
ドイツビールの原料へのこだわりには、約500年の伝統があります。起源は1516年にバイエルン公国で発布された「ビール純粋令」。これは粗悪品の横行を防ぎ、ビールの品質を守るための法律でした。ビール純粋令に則った醸造は、高品質のドイツビールの証として守り継がれ、21世紀の今日に至ります。
ビール純粋令が制定されたバイエルン公国があったのは、現在の地図ではミュンヘンを州都とする南ドイツのバイエルン州のあたり。9世紀頃にはすでにビール醸造が行われていた地方で、ドイツビールのふるさとです。バイエルン地方にある数々の歴史あるビール醸造所の中でも、1040年創業のヴァイエンシュテファン(Weihenstephan)は、現存する世界最古のビール醸造所として有名です。
日本には、ビールの製造法に関した法律はない!
日本には、ドイツのビール純粋令のような製造法に関した法律は無く、「酒税法」[67]と「公正競争規約」[68]にて定義されている。
・酒税法3条12号[67]『ビール』次に掲げる酒類でアルコール分が20度未満のものをいう。
・イ - 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
・ロ - 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の50を超えないものに限る)。
・ビールの表示に関する公正競争規約2条[68](内容は上記「酒税法」と同様)
ビール造りの職人を、ドイツでは「ブラウマイスター」と呼ぶ!
ビールの国、ドイツ。ビールづくりのマイスター(職人)を、ドイツでは「ブラウマイスター」と呼びます。ビールの醸造に関するあらゆる知識や技術に精通している人物として尊敬される「ブラウマイスター」。ビールの真髄を知る彼らの存在がドイツのビール文化を守り、質を高めてきたのです。
ドイツビールは、基本的には「下面発酵」と「上面発酵」の2種類に分けられる!
◾︎下面発酵ビール
5度程度の低温で発酵させるビール。最終段階で、酵母が沈むことからこの名称が付いています。
◾︎上面発酵ビール
20度前後の高温の中で発酵させるビール。発酵中に酵母が上に浮いてくることからこのような名称が付いています。
◾︎自然発酵ビール
空気中に存在する自然酵母菌の力を利用して自然に発酵させるビール。ベルギーで主に製造されており、ドイツビールにはない製造方法です。
これだけは知っておきたい!ドイツビールの代表的な銘柄と特徴は?
やはり本場と言われるだけはあり、ドイツビールは非常に多くの種類と銘柄があることで知られています。
中でもお店で飲んだり購入したりする際に知っておきたい!代表的な銘柄を4つ挙げてみましたので、ぜひご参考ください。
ビール初心者にもおすすめ!フルーティーで飲みやすい「ヴァイスビール」
最初にご紹介するのは、「ヴァイスビール(白ビール)」として知られるタイプのドイツビール。
作られる地方によって「ヴァイツェン」と呼ばれることもあるようです。
その名の通り白く濁っているものが多く(中にはチョコレート色をしたものも)フルーティーで飲みやすいのが特徴です。
代表的なのは、画像でご紹介している「シュナイダー・ヴァイセ」のビールで、創業者のゲオルク・シュナイダーは「ヴァイスビールの父」とも言われているのだとか。
ビールが苦手な方にも受け入れられる味わいなので、ぜひ一度挑戦してみてください。
SCHNEIDER WEISSE TAP2 Meine Kristall
シュナイダー・ヴァイス クリスタル
ぞくぞくする喜びが込み上げ、肉体と魂をリフレッシュ
する様なビールです。
酵母を取り除いた明るい黄金のクリスタルクリアな小麦
ビール(白ビール)で、 スパイスによって強いフルー
ティーなバナナの香りが加えられています。
豊かな炭酸で、よりさわやかに、スパークリングに仕上
げました。
おすすめ料理は、スモークサーモンとレモン、
生乳チーズ又はオリーブオイルのローストフェンネル。
アルコール度数 5.3%
初期比重 12.3%
白ビールは、醸造場所と製法の細かな相違により名付けられる。
・ヴァイスビア(Weißbier)またはヴァイス(Weiße )
。ドイツのバイエルン州でのみ使用する。ヴァイスはドイツ語で「白」。
・ヴァイツェン(Weizen)
。バイエルン地方以外でのドイツでの上記の呼び名。
日本でもお馴染みのラガー製法!「ピルスナータイプ」の代表格「ベックス」
続いてご紹介するのは、日本のラガー製法に最も近い製法で生み出される喉ごし爽快な「ピルスナータイプ」のビール。
代表的な銘柄は、「ベックス」です。
きつめの炭酸と淡い麦の香りが口いっぱいに広がる、日本人にとっても慣れ親しんだビールの姿。
しかし、やはり飲んでみればドイツビール。
シャープな喉ごしと共に鼻に抜ける麦の芳醇な香りは、えも言われぬ風情を醸し出します。
<飲む前の香り>
かなり苦味を感じさせるハーブ香がします。肉料理に使うセイジやタイムのような香りです。
<飲んだ時の香り>
口に含んだときの香りは淡いのですが、飲み下した後に舌に残る小麦の香りが素晴らしい! シャープなのに、いつまでも口に広がる香りが後を引きます。
<ベックスの味>
ベックスの特徴はなんといっても爽快感でしょう。舌を刺す炭酸と強めのハーブ香、苦味が喉を滑り落ちていくと日頃の憂さも晴れます。ドイツビールは喉越しよりも芳香や味わいを重視しているものが多いのですが、ベックスはなによりも喉越しがいい。ベックスはドイツビールの中で輸出量がナンバーワン。温暖化が進む世界中で人々の喉を潤しているのではないでしょうか。
今、日本国内で居酒屋さんなどに行って「とりあえずビールで!」と言って出てくるのがこのピルスナーと呼ばれるスタイルであります。なぜか日本国内ではこのタイプのビールに対して"ラガー"と呼ばれているのですが、ラガービールというのは下面発酵で作られたビールという意味の事なのです。
苦みと深いコクを求める黒ビール党におすすめ!「ドゥンケル」と「シュバルツ」
最後に2種まとめてご紹介するのは、いわゆる「黒ビール」と呼ばれるドイツビールたち。
香ばしさと深いコクがたまらない美味しさで、黒ビール党も多いですよね。
ドゥンケルは「暗い」、シュバルツは「黒」という意味合いがあるように、両者の特徴は色味の深さに出ています。
画像の「ヘーフェ=ヴァイスビア・ドゥンケル」が代表的なドゥンケルはライ麦パンやビスケットに似た香りで、スッキリとした味わい。
反対にシュバルツは、麦芽の味わいの中にも甘みが感じられるのだとか。
名前の語尾に「ドゥンケル」や「シュバルツ」と書いてある銘柄を見つけたら、ぜひその違いを飲み比べてみてくださいね。
色の深みによって区別される!「ドゥンケル」と「シュバルツ」
ドゥンケルとは日本語で「暗い」を、
シュバルツは「黒」を意味します。
つまり、ドゥンケル、シュヴァルツとは
ビールの色合いをことを示す単語なんですね。
ですので、暗めの色合いの
○○○ドゥンケルと呼ばれるビールは特徴的には
私たちが知る黒ビールにより近いものを指します。
中には、ドイツビールならではの
プルーンのような甘いフルーツ香があるものもありますが、
ビスケットや香ばしいパンに似た香りが主です。
味わいは、見た目のわりにくどさがなく、スッキリとしています。
その黒ビールですが、ドイツではドゥンケルとは別に
シュバルツ(黒)と呼ばれる区分に分けられます。
こちらのビールの色合いはまさに黒。
ドゥンケルよりさらに深くローストしたモルトを使用します。
ドゥンケルとの味わいの違いに、
麦芽味わいの中にも微々たる甘みがあります。
日本でも毎年開催中!「オクトーバーフェスト」に行ってみよう
最後に、ドイツビールの有名な祭典「オクトーバーフェスト」のご紹介です。
ドイツでは100年以上の歴史を持つお祭りですが、いやそんなドイツまで行けないし……という方にも朗報!何と毎年、日本全国でも行われているのです。
場所は5大都市を中心に、非常に多くの選択肢が用意されていますから、住んでいる場所から一番近いところを選べます。
ビールの購入方法もちょっと面白く、最初に保証として1000円を預け、グラスを返したら返金してもらえるという仕組みになっているのですね。
値段は多少割高ですが、ドイツビールは見たこともないようなビッグサイズ!のグラスで渡されますし、雰囲気自体が楽しいので絶対に損した気分にはなりません。
開催時期は地域によりますので、ぜひ今から近場のオクトーバーフェストをチェックしてみてくださいね。
ドイツで100年以上の歴史を持つ、超大規模なビールの祭典!
オクトーバーフェストは、
ドイツで開かれている大規模なビール祭りです。
毎年、ドイツのバイエルン州ミュンヘンで開かれている、
オクトーバーフェスト。
そのキッカケとなったのが、1810年10月に行われた、
当時の王太子ルードヴィヒとザクセン皇女の結婚式です。
多くのミュンヘン市民がこの結婚を祝福して、
お祭を開いたのがオクトーバーフェストの始まりです。
また、この時のお祭りでは、
王太子ルードヴィヒの意向で、
スポーツ大会のような形式のお祭りでした。
これが近代オリンピックの原型とされています。
オクトーバーフェストの会場となる、
ミュンヘン市西方のテレージエンヴィーゼは、
東京ドームの約9倍の広さだとか!?
そこに毎年600万人以上の来場者が訪れ、
約700万リットルものビールを消費します。
何と日本でも全国各地で毎年開催されている!
日本での歴史はというと、2003年、日比谷シティにて、2年に1度開催されてきたドイツ旅行展終了を機に、同場所にて5月、「ジャーマンフェスト」、横浜の赤レンガ倉庫で10月、 「オクトーバーフェスト」が開催されました。
そして2006年に東京会場が日比谷シティから日比谷公園内に移動し、名称を「ジャーマンフェスト」から「オクトーバーフェスト」に統一。
2007年から東京、仙台会場では期間を延長し、10日間開催となりました。2012年はお台場にて春と秋の2回開催。2013年、秋には日比谷会場の規模を拡大し、地ビールのブースとともに「JAPANオクトーバーフェスト in 日比谷」を開催。
2015年度は全11会場延べ約67万人を動員する大型イベントとして、多くの方々に楽しんでいただきました。
今後もさらに多くの方々にドイツビールの美味しさ、オクトーバーフェストの楽しさを体験していただきたいと思います。そしてオクトーバーフェストをきっかけにドイツ文化に触れ、異文化交流を深めることができれば幸いです。
グラスの保証として「1000円預ける」というシステムが個性的!
会場でのビールの買い方というのが少し変わっています。
まず、グラス代として1000円預けることになります。
これはグラスを返却すれば1000円戻ってくるデポジット制をとっていて、
これにビール代がプラスされます。
2杯目以降は、空いたグラスを持っていけば、
ビール代だけでビールを飲むことが出来ます。
ちょっと高級だけど、雰囲気だけでも楽しい!
購入できるビールですが、本場のドイツ製ビールは、
そのほとんどが500mlから販売していて、
値段は1000円~1500円ほどかかります。
フードメニューも、
600円~2000円までと、結構割高となっています。
最初の1杯+フードだけでも、
3000円ほどかかります。
これが、数名の団体でいったり、
ちょっと多めにビールを飲んだりすると、
1万円なんてあっという間です。
それでも、本場のドイツビールを味わえるのと、
ビール好きが集まっている雰囲気が楽しめるだけで、
十分に元がとれている気がしますが。
最寄りの都市、最寄りの日程の会場を探してGO!
OKTOBERFEST 2016 日本公式サイト
「OKTOBERFEST 2016」の、日本公式サイトです。
美侍の、こちらの記事↓もご参照ください。
10月じゃなくてもう始まってるぞ!全国各地オクトーバーフェスト2016
今すぐ飲みたくなってきた!?自分好みのドイツビールを楽しもう
いかがでしょうか?ドイツビールは本場というだけあって製法にこだわられていて、非常に多くの種類が存在するのですね。
今回ご紹介した以外にも多くの銘柄がありますので、お店で「ドイツビール」の文字を見かけたら、ぜひチャレンジしてみてください。
それぞれの製法の特徴を知り、代表的な銘柄を覚えてから楽しめば、きっと更にビールが美味しくなるはずです。