- ビジネス(320)
できる、できない?ビジネスにおける経費の境界線とは
社会人になると耳にする「経費」という言葉。会社の移動費やイベントに使う費用、備品などは経費として処理できます。しかし、何でも「経費」にできると思ったら大間違いです。経費のことを知っておかないと、あとあと面倒ですよ。この記事で経費のことを知っておきましょう。
知っておきたい「経費」の基本!
経費とは、会社のお金で事業に必要なものを購入すること
個人で払うような移動費も会社関係の出張ならば「経費」として払うことになるのです。
そのため、「あっ、会社関係のお金は払わなくていいんだ。やったね」などと思う人もいるでしょう。
何でもかんでも経費にすると税務署の調査を受ける可能性が高くなります。
経費は税金の控除対象にできるので、経費を払うことによって、会社として払う税金を少なくできるからです。
また、会社としても従業員が使った移動費などを、経費で落とす(=経費として会社から支払う)と、その分だけ会社が納める税金を安くしてもらえることになります。
「経費」は会社にもメリットをもたらすわけですね。
しかし、何でも経費にするのは、実はあまり賢いことではありません。
当然のように、何でも経費で支払っていると、その分会社のキャッシュが少なくなります。
普通の会社はそのことを知っていますし、やたら経費を使う社員には注意をしてくることになります。
経費として認められる代表例を知ろう!
原則として仕事で使ったお金はすべて会社の経費になる
経費になるのは「仕事で、仕事のために使ったお金」です。
「会社の事業として支払ったお金」ということになります。
営業活動を行う上で発生した人件費(従業員の給料や社会保険)・交通費・オフィスの家賃・水道・ガス・電話代など会社にて消費したものは、基本的に経費で落とせます。
経費を賢く使うと、会社の財務状況をどんどん改善していくことが可能です。
会社には法人税というものを払います。
会社の儲け(=利益)となったものに対して払う税金です。
この法人税は基本的に40%で考えられており、100万円の利益があれば40万円を支払う必要があります。
このとき最終的に税引き後の利益は60万円となりますね。
しかし、10万円するパソコンを買って、その支払いを経費で落としたとします。
会社の利益は90万円になりますが、法人税として支払う費用は36万円に下がります。
税引き後の利益は額面上54万円になりますが、それに加えてパソコンという資産が会社に残ります。
この10万円のパソコンの価値を合算すれば会社に残る資産額は「64万円」になります。
経費を賢く使うことで会社の資産が増えるというのはこういう仕組みになっているのです。
何でも経費というと勘違いされた経営者は税金を納めたくなく、経費を湯水のように使って倒産してしまったという笑えない話があります。
しかし、経費を勘違いして使い過ぎ、倒産する会社の例もあります。
経費とは、あくまで会社の売上に対して生じるものです。
個人で消費する食事などはまず経費で落ちないことを理解しておきましょう。
経費にならない代表格とは!
多くの経営者の方が勘違いされる「経費に見えるけど、経費にならないもの」
何でも経費で落ちる、と思っても実際には落ちないものがあります。
それは、靴や腕時計、メガネ、スーツなどです。
これらはビジネス上必要なものじゃないか!と腑に落ちない方もいらっしゃるかもしれませんね。
これら備品は、実は従業員ひとりひとりの給与額に応じて自動的に控除されているのです。
そのため、経費で処理すると給与との二重処理になるので、経費にしてはいけないこととなっています。
一人当たりの金額が5000円以下であれば、会議費として全額を経費にすることができます。また、一人当たりの金額が5,000円を超える場合は交際費として扱うことができます。
「接待」も、会社で得てして経費として支出されるものですね。
しかし、飲食費用を何でも経費で処理するというわけにはいきません。
税制上いろいろ細かい決まりごとがあるのですが、まず、少なくとも「接待での支払い額」を経費として処理したい場合は、お店側から必ず領収書を出してもらいましょう。
その領収書にはまず宛先名に会社の名前がないと経費の証明となりません。
またその接待の場に参加した得意先の人も含む全員の名前を文書に記して保存しておく必要もあります。
「接待費」の処理は、それなりに手間がかかるのです。
賢く経費を使って、会社のキャッシュを増やす!
経費と言えば、何を買っても会社のお金で払ってもらえると勘違いしてる人もいるでしょう。
しかし、経費を使い過ぎると、会社全体の利益が減りますし、普通の会社でしたらまず経理の人が認めません。
そして、会社全体の利益が減るようなことになれば、あなたの手元にやってくる給料そのものが減るというになります。
しっかりと経費のことを知って、会社のお金を有効的に使いましょう!