美侍

「円安」と「円高」の違いを徹底解説!一体どちらが得なの?

世界的な経済を見るため、欠かせないのが「円安」「円高」の知識。ビジネスのみならず、海外旅行や留学などでも大事な目安になりますよね。しかし、円安と円高では、どちらが日本で暮らす庶民にとって得になるのでしょうか?また、それは国の経済にも同じことが言えるのでしょうか?今回は、意外と知らない円安と円高の仕組みについて、詳しくまとめてみました!そういえばよく分からない……という方は、ぜひご参考ください。

円安と円高って、それぞれどういう意味?

円安と円高は、為替相場(外国為替市場において異なる通貨が交換される際の比率)によって海外の通貨と日本の円を比べた時、どちらの価値が高いかを表しています。
例えば円安は「海外通貨の方が価値が高い」状態で、円高は逆に「円の方が価値が高い」状態です。

円安になった場合をドルで例えれば「1ドル100円」から「1ドル200円」に上がりますし、円高は逆に「1ドル200円」から「1ドル100円」に下がります。
1ドルに対する金額が【増える方】がなぜか【円安】。
1ドルに対する金額が【減る方】がなぜか【円高】、と覚えておくと良いでしょう。

円安、円高は、海外貨幣と比べた時の「円」の価値の上下を表している!

円高・ドル安とは、アメリカのドルに対して、円の価値が上がる(高くなる=「円高」)ことで、円に対してドルの価値が下がる(安くなる=「ドル安」)ことでもあります。円の価値が上がると、1ドルで交換できる円が少なくなります。

出典:http://manabow.com/hayawakari/hayawakari5_1.html

円高は、1ドル200円→1ドル100円へ!

円高とは、為替相場<1ドル=200円>から<1ドル=100円>になるような状態です。
1ドルを購入するのに必要な円が少なくなったわけですから、
円の価値が高くなったということになります。

出典:http://www.lfx.jp/yen.html

円安は、1ドル100円→1ドル200円へ!

円安はこの逆で、為替相場<1ドル=100円>から、<1ドル=200円>になるような状態で、
1ドルを購入するのに必要な円が多くなったわけですから、
円の価値が低くなったことになります。

出典:http://www.lfx.jp/yen.html

数字は減っているけど「円高」、増えているけど「円安」!

1ドル=200円から1ドル=100円というように、数字が減っているのに円高、
その逆に1ドル=100円から1ドル=200円というように、数字が増えているのに円安というのは、
何か妙な感じがしますが、これを理解することが、為替取引をする上で大切なのです。

出典:http://www.lfx.jp/yen.html

日本の庶民にとって得なのは「円高」!

では、日本で暮らす庶民にとって得になるのはどちらか?というと、これは庶民=消費者の立場から考えて「円高」です。
なぜかというと、例えば海外旅行に出かける場合、円高なら日本円の価値が上がっていますから、10万円をドルやポンドなど海外通貨に換金した場合は、10万円以上の金額が返ってきます。

つまり、海外旅行に行けばより多くのお金が使えるということになりますし、留学をする場合でも日本円の出費は少なくて済むのです。
外車や海外ブランドの製品も安くなりますから、日本でも海外製品を購入する場合は得になります。
ただし、輸出業の会社にお勤めの方は、海外で商品が値上がりしてしまいますので売れにくくなり、業績がマイナスになることもあるようです。

「円高」になると、海外旅行でオトク!

アメリカに10万もっていけば、

1ドル=100円のときには

1000ドル分の買い物ができます。



円高で1ドル80円の時には、

1250ドル分の買い物ができます。



ところが円安で1ドル120円の時には、

約833ドル分しか買い物できません。

出典:http://mattarilife.com/201411econo/#i-8

・輸入品が安く買える
・海外旅行が安くなる
・原油の仕入れコストが下がる

出典:http://mattarilife.com/201411econo/#i-8

「円高」なら海外製品やブランド物も安く買える!

円高になると円の価値が上がるわけだから、海外旅行のときの現地での費用が安くなるし、ブランド品など海外製品も安く買うことができる。

出典:http://xn--lckycm3jvdw701a.com/blog/951/

ただし、「輸出産業」は円高で大ダメージ!

円高でまずダメージを受けるのは輸出企業。自動車や電化製品、機械類など海外に輸出している企業は、海外で円安の時と同じ値段で製品を売って同じだけの外貨を受け取った場合、日本円に換金すると受け取る利益分は少なくなる。

出典:http://xn--lckycm3jvdw701a.com/blog/951/

円高が進むと輸出企業は利益を出すことが難しくなり、経営状態が悪化する可能性がある。その結果、従業員の減給やボーナスカット、さらにはリストラ、挙句の果てには倒産なんて可能性も。

出典:http://xn--lckycm3jvdw701a.com/blog/951/

国にとって得なのは「円安」?

では、国にとって得なのは円安と円高どちらか?といえば、これは基本的には「円安」の方が良いと言われています。
前述した通り、円高は消費者や輸入産業には利益をもたらすこともありますが、輸出産業には大打撃を与えます。

しかし、日本は自動車をはじめ「輸出」に強い国だと言われていますから、円高になると経済面で非常にマイナスです。
ですから、円安の方が国には利益が大きいとされているのです。
外貨預金やFXなどで外貨を所有している投資家も、円安になると得をします。
ただし、円安も過剰になると輸入製品の物価が上がり、消費者の購買意欲が下がって次第に経済が潤わなくなるので、長期的には円高の方が得、という読みもあるようです。

日本は輸出に強い国なので「円安」の方が有利!

日本は貿易黒字の国 ( =輸出に強い国 )だから、日本にとっては輸出に有利な円安の方が望ましい。
また輸入品に比べ日本製品の価格が高くなってしまうので、日本製品が売れなくなるという心配もある。

出典:http://www.kyoritsu-wu.ac.jp/nichukou/sub/sub_gensya/Economy/Yen_rate_Euro/endaka%20enyasu%204.htm

「円安」なら海外からの観光客も増え、国が潤う!

・海外にものを売りやすくなる
・輸出産業にとっては利益が大きくなる
・海外からの観光客が増える
・中小企業の工場の利益も上がりやすくなる

出典:http://mattarilife.com/201411econo/#i-8

外貨を保持している投資家も「円安」で得をする!

海外預金やFXなどで外貨を保持していた場合円安になった分だけ投資家の
利益が増える事になります。

出典:http://coin.supweb.info/endaka/

ただし、輸入に頼っているところで「円安」は、物価高騰が痛い……

損をするのは、私たち消費者や海外の製品を使っている企業です。

円安だと日本円の価値が低いので、海外の製品を買うのに多くのお金が必要です。

すると、スーパーなどに並ぶ海外産の食材も高くなってしまい、消費者の家計に響いてくるんですね。

出典:http://yu-goodsky-happychange.xyz/?p=235

長期的に見れば「円高」の方がいいという読みも……

日本は「モノづくり」の国ではありません。GDP(国内総生産)に占める製造業の割合は18%で、75%は第3次産業です。商業やサービス業はその場で生産=その場で消費ですから、一部(保険、通信、運輸、商標など)を除くと輸出産業になりえず、輸入の影響を受けることのほうが多いのです(すでに、輸出の4割が円建て決済なのに対し、輸入は2割にすぎません)。

出典:http://toyokeizai.net/articles/-/52633?page=2

円高にも円安にも、それぞれにメリットとデメリットが存在するため、国にとってはどちらの方が必ず良いとは言えないよう。
円高にも円安にもなりすぎず、安定した経済を維持できるのが最も望ましいのですね。

円高、円安は、意外にも給与には関係ない?

前述したように、円高の場合は「輸入産業が得」をし、円安の場合は「輸出産業が得」をしますから、業績のみならず社員への待遇にも多少の変化が起こると言われています。
しかし、意外にも「円安なのに給料が変わらなかった」「円高も円安も関係ない」という声が多いよう。

不景気は相変わらずですから、余程大きな企業でない限り、一時的な利益では油断できないということなのかもしれませんね……。

円安も円高も一長一短!経済の情勢を自分なりに把握しておこう

いかがでしょうか?ニュースで聞いているだけではよく分からない円安、円高ですが、意味を知れば何となく情勢が見えてきて面白くなってきますね。
自分の勤めている企業が輸出入や旅行業界でなくても、利益に全く関係ないということはありませんから、注意深く動向を把握しておくと良いでしょう。

円安も円高も一長一短ですが、それぞれの特性を理解して上手く立ち回れば、安く物を購入できたり高く売れたりして得をすることができるかもしれませんよ。