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車では?エレベーターでは?「上座」と「下座」のビジネスマナー、大丈夫?
目上の方と行動する際、覚えておきたいのが「上座」と「下座」。現代でも重んじられるマナーのうちの一つです。上役をさり気なく上座に案内することができれば「若いのにきちんとしているな」「礼儀正しい青年だな」と評価がグンと上がる可能性もありますから、見逃せないポイントですよね。今回は、実は車やエレベーターなどにも存在する上座と下座のマナーについて、シチュエーション別に3つご紹介します!ぜひご参考ください。
その① 基本中の基本!飲食店での上座・下座マナー
最初にご紹介するのは、飲み会や上司、あるいは取引先との食事などの際に覚えておきたい「飲食店での上座・下座」。
これは和食や洋食、中華など、料理の形式やお店のデザインによって席の雰囲気が違いますから、注意しておきましょう。
まず、和室での宴会の場合は「床の間」の前(入口から見て奥側)が上座であり、入口に最も近い席が下座となります。
中華や洋食レストランによくある円卓の場合も、入口から最も遠い席が一番の上役、そこから時計回りに次に上役の方、その次の方……と続いていきます。
なぜ入口から近い方が下座なのか?というと、店員さんと距離が近く、料理の配膳を手伝ったり注文をしたりといった気遣いがしやすいからです。
新入社員の皆さんは座ることが多いと思いますので、席だけでなくそういった部分にも気を付けましょう。
和室の宴会は「床の間」を基準に!入口の位置にも注意しよう
◉和室では床の間の前が上座となります。
◉和室では入り口に最も近い席が下座となります。
◉左の画像のように、社内など、同じグループでの宴席で長いテーブルを囲む場合は、床の間の前が1。1の正面の席 が2となります。
◉接待などの場合は、お客様は同じ会社(グループ)ごとに並んで座ります。中央が1、入り口から遠い席が2、入り口に近い席が3です。
◉7、8は、狭く、料理からも遠いため、入り口に近い方が8となります。
◉上座の位置は部屋の形状、入り口の位置、テーブルの形状などによって変わってきます。
また、旅館などで立派な日本庭園を見るためにしつらえられた和室では、景色を見ることができる側が上座となります。
レストランの円卓も、入口から一番遠い席が上座!
カウンターは真ん中が一番偉い人!
バーやクラブも中央が上座!次に偉い人を左隣に案内しよう
その② ビジネスでは欠かせない!会議室・応接室での上座・下座
続いては、車内での会議や、お客様を応接室に招く時に必要になる「会議室・応接室での上座と下座」。
これも基本的には「入口に一番近い席が下座」と覚えておきましょう。
社内会議の場合、机の形が長方形なら議長を挟んで上座が入口の奥側、その次が議長の手前側となります。
「コの字」型の机なら、議長を挟んで右隣が一番の上座、その次が左隣ですね。
お客様を招いての会議の場合は、入口から遠い上座列の中央にお客様の中で一番の上役を通し、入口側の下座列の中央に自社の一番の上役が座ります。
応接室にお客様を招く場合は、お客様を入口から遠い側のソファー(あるいは椅子)に通し、奥側が一番の上役という風になります。
少々ややこしいので、あらかじめどこに誰が座るのか把握し、イメージトレーニングをしておくと良いでしょう。
会議室① お客様を招く場合
自社の会議室にお客さまを招いた場合はこのような席次になります。
入り口から遠い側の列の中央の席が上座になります。自社側も同様の順で、入り口に近い側の列に座ります。
会議室② 社内で会議を行う場合(※机は長方形)
議長席は上記の図の位置で固定となり、対面側には誰も座らないようにしてください。
出入口から一番遠い席を上座とし、以降は議長から近い席順で上席となっていきます。
会議室③ 社内で会議を行う場合(※机は「コの字」形)
対面席が無い側の中央の席が議長席となり、議長からみて右隣が上座になります。以降、左側・右側と順に上席になります。
ロの字型と違い、コの字型は議長と同じ列の席が上席になるので注意してください。
応接室① 長椅子があり、配置がタテ型の場合
背もたれと肘かけのついた長椅子(ソファ)がある場合は、ゆったりとくつろいで頂くという意味で上座になります。この場合は、出入り口から一番遠い席が最も上座になります。
応接室② 奥に装飾品があり、配置がヨコ型の場合
また、素晴らしい景色が部屋から望めたり、掛け軸やオブジェなどの装飾品類がある場合は、入口に近い席であってもそれらが良く見渡せる席の方が上座とする場合もあります。
応接室②のシチュエーションでは、美しい装飾品や眺望が特に楽しめない場合、③の位置が最も上座になりますので、注意が必要です。
その③ 実は存在する!乗り物やエレベーターでの上座・下座
最後にご紹介するのは、「タクシーや飛行機、新幹線などの乗り物や、エレベーターでの上座と下座」。
前者はちょっとした移動や出張の際に大事ですし、エレベーターもどこで乗り合わせることがあるか分かりませんから、ぜひ押さえておきたいですよね。
まず、タクシーや自分が運転する車に乗って頂く場合は「運転席の真後ろ」が上座になりますので、後部座席の右側のドアを開けるか、左側から乗車する場合は「奥へどうぞ」と案内しましょう。
新幹線や電車では窓側が上座となりますが、ボックス席で対面する場合は進行方向に背を向ける側が下座です。
飛行機も基本的には一緒ですが、列車の3人席では中央が下座となるのに対し、飛行機の場合は通路から遠いほど下座、となりますので、注意が必要です。
エレベーターでは入口から最も遠い方が上座です。
位置のみならず、降りる階を尋ねて代わりにボタンを押したり、開閉ボタンを押したりといった気遣いも忘れずに。
タクシーでは「運転席の後ろ」が上座!
1. タクシーや、運転手付きの乗用車では運転席の後ろが上座
2. 後部座席に3名で座る時は、真中が最も下座
電車では窓側が上座!3人席やボックス席にも注意
1. 窓側と通路側では、窓側が上座
2. 3人席では、真中の席が下座
3. ボックス席では、進行方向に背を向ける側が下座
4. 車内では、出入り口から遠い方が上座
飛行機でも窓側が上座!3人掛けは通路から遠いほど下座となるので注意
1. 2人掛けの席では、窓側と通路側では、窓側が上座
2. 3人掛け以上の席では、通路から遠い席ほど下座
乗り降りの際のマナーも重要!エレベーターの上座と下座
・【1】
自分は乗らずにエレベーターのドアを押さえて上司・先輩に乗ってもらいます。
・【2】
最後に乗り込み、操作盤の前に立ちます。なるべく上司に背を向けないようにしましょう。
・【3】
操作盤の前に立ったら、誰かが乗り降りする際に開閉ボタンを押すなどの操作をします。
エレベーター内の席次マナーは右上位。エレベーターのドアに向かって右側が上座とされます。
下座は、操作盤に近いほう。操作盤をコントロールするという雑用は、1番下っ端のお仕事というわけです。
操作盤が両側にある場合は、右上位の考えが適用されます。
マスターすれば立派なビジネスマンに!上座・下座を覚えよう
社会人になったばかりだと多少面倒に思う上座・下座ですが、基本を覚えてしまえばあとは簡単ですから、ぜひマスターしてくださいね。
まずは「入口から遠い方が上座」「近い方が下座」というところをしっかり覚え、実践してみてはいかがでしょうか?
最初は頭で考えてしまいがちなので、自然に案内するのはなかなか難しいですが、慣れれば徐々にスムーズにできるようになるはず。
完璧になった頃には、ビジネスマンとして一回りも二回りも成長しているかも?