美侍

意外に知らない豆知識!「単車」という言葉からバイクの歴史を紐解く

バイクがどのようなきっかけで生まれたかご存知でしょうか? 「単車」とは、実は、バイクが現在までどのように進化してきたかを知るうえで欠かせない言葉なのです。

そもそも「単車」って何?

出典:http://www.wikiwand.com/ja/IMZ%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%AB

自動車やバイクは、軍事産業がきっかけで生まれました。
20世紀初頭から、戦争中大きな荷物を運ぶために機械の力を用いることが考えられたのです。
その際、バイクが自動車以上に注目されたのが、生産コストの低さでした。
自動車に比べて使用する備品も少ないことから、製造にかかる費用や時間を大幅に節約出来ます。

そして、当時のバイクは荷物をたくさん運べることが求められていました。
その条件を満たすために考案されたのがサイドカーでした。
バイクの横に荷物を運ぶための車を備え付けることで、少しでも荷物を多く運べるようにする。
こうしたサイドカー付きのスタイルが当時のバイクでは当たり前だったのです。

もともとオートバイはサイドカーを付けたり荷台のある三輪車だったりと、実用車として開発され、使われてきました。第1次世界大戦前後から、欧米では軍用にサイドカー付きオートバイ(motorcycle with sidecar、略してサイドカーとも)を採用。兵員3人が乗れ、機動力があり自動車よりも安価で簡便な点が買われたからです。第2次世界大戦にかけても兵員や物資の輸送に多くが使用されました。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB18001_Y2A910C1000000/

第二次大戦が終わってから、自動車やバイクが民間で使用されるようになりました。
自動車は居住性や積載スペースを進化させます。
その利便性から自動車はあっという間に広まり、1人1台持つことが当たり前の時代が訪れたのです。

一方バイクはというと、多くの荷物を運ぶという役割は自動車へと譲ることになります。
小回りが利くことやデザイン性が重視されはじめ、サイドカーを付けないスタイルに乗る人が増えました。
その結果、もともとサイドカーが付いていて当たり前だったバイクが、バイク本体だけの形になったものを「単車」と呼ぶようになったのです。

現在はバイクというとサイドカーが付いていないものを指すことがほとんどですよね。
バイクのことを単車と表現するのは、こうした時代背景の名残なのです。

日本でサイドカーが普及したのは第2次大戦後。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB18001_Y2A910C1000000/

「日本においても、GHQによる乗用車の生産規制が敷かれていた戦争直後には、側車部分に荷物を積んだり、人を乗せたりとなじみのある存在だった」とあり、GHQの規制が緩いサイドカーは当時、民間のヒト・モノを運ぶ最大の手段だったのです。
 「単車」という呼び方はこの頃広まったようです。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB18001_Y2A910C1000000/

側車を外した“少数派”のオートバイが「ソロ」または「単車」といわれ浸透していったからです。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB18001_Y2A910C1000000/

単車と間違えやすい言葉を確認

出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/442929/

単車という言葉について、もう少し詳しく見ていきましょう。
注意していただきたいのは、全てのバイクを単車と呼ぶわけではないという点です。
バイクの中でも単車に含まれない代表例が原付です。
いわゆる排気量が50cc以下の二輪自動車ですね。

原付とは原動機付自転車の略称で、主に原動機を備えた二輪車のことをさす。日本の車両区分の一つで、道路交通法では50cc以下の 道路運送車両法では125cc以下が該当し、この条件に当てはまれば三輪や四輪のものでも原動付き自転車に区分される。

出典:http://lance3.net/chigai/z0257.html

原付は普通自動車免許で運転可能な車種です。
二輪免許を取得しなければ乗ることが出来ない「50ccを超えるバイク」と区別するために、単車には原付が含まれていないのです。

これに対して単車とは、一般に原動機を備えた自動二輪のうち原付以外をさし、オートバイと同義である。

出典:http://lance3.net/chigai/z0257.html

スクーターと単車を別物のように考えている方もいることでしょう。
実際は、単車の中でもいくつかの特徴を備えているものをスクーターと呼んでいます。
その最も大きな特徴は、ハンドルと座席の間に足を置くスペースがある点です。

スクーターとは、自動二輪車(オートバイ)のうち、エンジンが座面の下にあり、座面が広く、座面の下が荷物入れになっている、座面とハンドルの間に足置きがある、タイヤ直径が22インチ以内のものといった特徴のあるもののこと。

出典:http://imasara-chigai.lance5.net/z457.html

バイクに跨るのではなく、椅子に座るような感覚で運転出来るため、ドライバーの負担が軽くなります。
通勤やロングドライブでバイクを利用される方は、スクータータイプの単車を購入するのも良いでしょう。

出典:http://blog.livedoor.jp/jazzim/archives/2192287.html

趣味として楽しめる車両に

出典:http://bike-riding.net/sports-naked/

かつてのサイドカースタイルから「単車」へと変貌を遂げたバイクは、現在どのような乗り物になっているでしょうか?

まず、今現在でバイクに乗るには、二輪免許を取得しなくてはいけません。
小型や普通二輪、大型二輪のほかにも、オートマチック限定などいくつもの種類の免許があります。
これは、排気量が大きくなるほどバイクを運転するのに難易度が高くなることが理由です。
一定の排気量以上のバイクでないと、高速道路を走れないといった制限もなされているので注意しましょう。

二輪免許には「原付」「普通二輪小型限定」「普通二輪」「大型二輪」「AT小型限定」「AT限定普通」「AT限定大型」
という7つの種類があって、それぞれ運転できるバイクの排気量制限や取得対象年齢等の規制があります。

出典:http://www.yamaha-motor.co.jp/mc/license/about/

排気量だけではなく、デザインでもバイクは革新的な進化を遂げています。
最近では、「ちょっと手間のかかる」趣味としてバイクを楽しむ人が増えています。
そういう人は、デザインを重視してバイクを選ぶことが多いため各メーカーはカッコいいバイクの製造を目指しています。

下記のリンクを参考に、自分の好みのデザインを探してみてください。

ネイキッド

出典:http://bike-lineage.jpn.org/etc/type-history/naked.html

エンジンがむき出しになっている状態のバイクのことを、ネイキッドといいます。
シンプルでオーソドックスなデザインであることから、幅広い年齢層に好まれている車種といえます。
バイクの魅力である風を感じながらの走行を楽しみたい人にはおすすめです。

アメリカン

出典:http://blog.livedoor.jp/bcfujioka/archives/7601994.html

座席の重心が低く、前後に長いボディを持つバイクをアメリカンといいます。
有名なハーレーダビッドソンも、アメリカンタイプのバイクです。
重心が低いので、身長が高くない人でも比較的簡単に扱えます。
クセになるような底響きのするエンジン音も魅力の1つです。

ツアラー

出典:http://www.kawasaki1ban.com/news_topics/8657

長距離運転に適したバイクをツアラーと呼んでいます。
カウルという装甲に覆われているため、風の影響をあまり受けることなくツーリングを楽しめます。
ただし、カウルの分だけ重量も大きくなっているおり慣れるまでは運転しにくいと感じるかもしれません。

カスタマイズも楽しい

バイクの趣味性を強調しているのが、カスタマイズの愉しみです。
自動車よりも安価でパーツが手に入りますし、パーツ専門店も多数存在するため誰でも気軽にカスタマイズを楽しめます。
自分だけの1台に仕上げる楽しさは、自動車では簡単に味わえない感覚です。

趣味でバイクに乗るのならば欠かせないのがカスタマイズの楽しさのようです。
バイクを移動手段だと考えている人はそれほど気にならないものですが、排気音や乗り心地など、バイクの性能を自らの手でアップさせられることがどうにも心をくすぐるようです。

シートカバーを付け替えたり、ハンドルカバーを変えてみたりするような簡単なカスタマイズをすることもあれば、走り心地が劇的に変わるようなカスタマイズをすることもあるようです。

出典:http://www.mitsubishijet.com/entry19.html

進化を続けるバイクの歩む道

荷物を運ぶ車両から、楽しさを求められるスタイルへ。
バイクはこれからも、私たちの生活に密着しながら進化を続けていくことでしょう。