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えっ!これもダメ?意外と知らない道路交通法違反あれこれ
車の運転に慣れてくると、自動車学校で習った細かい法律や、マナーを意識しづらくなってきますよね。その結果すっかり忘れていた道路交通法に触れてしまい、知らずに捕まってしまう人も多いのです。今回は、何気なくやっている「法律違反」となりうる行為について、代表的なものを詳しくご紹介します!いつも安全で楽しいドライブができるよう、ぜひご参考ください。
道路交通法違反1.気安く鳴らすのはNG!クラクションの多用
最初にご紹介するのは「むやみにクラクションを鳴らしてはいけない」というマナー。
自動車学校の教科書には書いてありますが、クラクションは「原則禁止」となっています。
鳴らしても良いのは、道路標識によって「警笛区間」と認められた区域や、どうしても前方の車に気付かせなければ危険な事柄がある時のみ。
つい制限速度以下で走っている車や、信号の変化に気付くのが遅い車、突然飛び出してきた車などに警告としてクラクションを鳴らしてしまう方がいますが、実はこれは法律違反なのです。
また、歩行者に鳴らすのも違反となりますので、横断歩道を渡っている歩行者を急かすのもやめましょう。
警笛区間以外は基本的に禁止!
日本では道路交通法によって警笛の使用についての制限が罰則付きで設けられており、警笛は道路標識などで指定された警笛区間や危険な場合に限り使用するものであって、その他の場合には使用が禁じられている
歩行者に対して鳴らすのも違反!
前の車の速度が思ったよりも遅い、前の車の発進が遅いといったことに感情的になってクラクションを鳴らしてしまうと違反になってしまうのです。また、歩行者に対して鳴らすのも違反になるので注意。
「お礼の合図」としてもNG!
信号待ちで青に変わったのに発信しない前の車への合図、道を譲ってくれた車に対するお礼の合図(サンキューホーン)、歩行者で混雑している道路で前を歩いている歩行者に道を開けるように知らせる合図などです。しかし、これらは、いずれもクラクションの使用制限違反にあたります。
道を譲ってくれた車に対して「プッ」とクラクションを鳴らす人もいますが、これも厳密には違反行為です。
お礼はハザードランプを点灯させるか、運転手に向かって会釈するなどして示しましょう。
道路交通法違反2.彼女にも注意!サンダルやハイヒールでの運転
続いては、車を運転する時の足元のファッションについてです。
教習車に乗る時は「歩きやすい靴で来て下さい」と言われませんでしたか?
実は、車を運転する際には、スニーカーやペタンコのパンプス、革靴など、歩きやすく安全な靴を履かなければならないという規定があるのです。
男性の場合もインヒールの靴や、パカパカと安定しないサンダル、裸足などで運転するのはやめましょう。
彼女とのデートで運転してもらう時にも足元に注意し、可能なら男女兼用できるドライビングシューズを一足乗せておくと安心です。
ハイヒールで運転するのはとても危険!
女性をきれいに見せるハイヒールですが、車を運転する際に履くのは大変危険な行為です。それでも若い女性を中心にハイヒールを履いて運転している姿を街中で見かけることは少なくありません。
各都道府県によって細かい部分にちがいはありますが、車の運転に支障をきたす可能性のある履き物を履いての運転は、道路交通法施行細則で禁止されているケースがほとんどです。
サンダルや、浴衣を着た時の下駄もNG!
近所にちょっと車で出かけるときにサンダルや下駄などで運転することがあるかもしれませが、これらの運転は、道路交通法71条6号が定める各都道府県の公安委員会の交通規則に違反することがあります。
違反者には罰金も……
違反者に対しては、反則金(普通車6,000円、中大型車7,000円)の納付を命じられ、反則金を納付しない場合は、5万円以下の罰金に処せられます)。
道路交通法違反3.防犯上も危ない!「やりっぱなし」で車を離れる
続いては、自分の車から離れた時に気をつけなければならない違反行為。
コンビニやATMなどへ、ちょっとそこまでだからいいや、と鍵をつけたまま行ってしまったり、窓を開けっぱなしで行ってしまったり、エンジンをかけっぱなしで行ってしまったり……実は、これらは全て「法律違反」です。
車上荒らしや車を乗っ取られたりする原因にもなりますから、防犯上から見ても非常に危険な行為と言えます。
車から離れる時は、必ず鍵と窓を閉め、エンジンをしっかりと切ってから行きましょう。
鍵の付けっぱなし、窓の開けっぱなしはNG!
コンビニなんかでついやってしまいがちな違反がこれだ。車の鍵をつけっぱなし、窓の開けっ放しは実は違反になるだぜ!ちょっとの時間だからといって、鍵をつけっぱなしにするのは防犯面でも良くないから絶対にやめておけよ!
エンジンもしっかり切っておこう!
× 窓の閉め忘れ・キーの差しっぱなしで車を離れる *道路交通法第71条
× エンジンの欠けっぱなしで車を離れる *道路交通法第71条
【罰則】5万円以下の罰金
車上荒らしや窃盗の原因にもなる!
自動車や原付を離れるときは、その車両が他人に無断で運転されることがないようにしなければいけません。
道路交通法違反4.一般道より厳しい!高速道路での規則に注意
続いては、高速道路に乗った時の違反行為についてです。
高速道路でエンストを起こしてしまったり、50キロ以下の速度で走ってしまったり、延々と追い越し車線にいたり、自分より速度の遅い車を煽ったり……実は、これは全て法律違反。
一般道ではそこまで言われませんが、高速道路では一般道よりも大事故の危険性が高いですし、どの車も一定の速度以上で走っていますから、異常があった時にはもう遅い、ということがほとんどでしょう。
ですから、高速道路での規則は比較的厳しく設定されているのですね。
エンストは管理不足と見なされ、違反になってしまう!
【道路交通法第75条の10】
自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。
追い越し車線にずっといるのはNG!
①自動車は車両通行帯が2つの道路では左側の通行帯を、車両通行帯が3つ以上ある場合には一番右側の通行帯以外を走行しなさい
あおり行為にも罰金がある!
高速道路でのあおり運転(高速道路での車間距離不保持)は閣議決定により道交法施行令が改正され、2009年10月1日から3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(反則金の引き上げおよび行政処分の基礎点数が1点から2点に改正)となる。
安全運転だけど……50キロ以下での走行も罰金!
道路標識に最低速度が指定されている道路で、危険を回避する目的以外にその最低速度に達しないスピードで進行した場合最低速度違反となります。
最低速度違反反則金
大型車・・・7,000円
普通車・・・6,000円
二輪車・・・6,000円
小型特殊・・・5,000円
この他にも路側帯の走行や、左側からの追い越し(既に追い越し車線にいる車を追い越す)、駐停車違反など細かい規定が定められていますから、高速道路に乗る前には一度確認しておいた方が良いでしょう。
道路交通法違反5.意外と面倒……夜間のライト規定
最後にご紹介するのは、夜間のライトの点灯のさせ方による違反行為。
夜間に運転している時、他の車のハイビームに眩しい思いをした人は少なくないでしょう。
しかし、実は夜間は「ハイビームを使うのが原則」なのです。
ただし、先行車や対向車、歩行者がいる場合には、ロービームに切り替えなければなりません。
例えば山道を運転している時は、基本的にハイビームを付けておいて、対向車が来たことが分かったらロービームに切り替えなければならないのですね。
意外と面倒ではありますが、暗い夜道ではハイビーム、街中ではロービーム、と決めておくと、無理なく対応できるのではないでしょうか。
原則的には「ハイビーム」が基本!
道路交通法、第五十二条では、原則的にハイビームを使用し、対向車がいる場合や、前を走る車がいる場合には、運転の妨げにならないように減光するよう定められています。ヘッドライトは、ハイビームこそが通常モードで、ロービームは減光モードということになります。また、逆に減光を怠った場合も違反となります。
都会ではロービームになりがちだけど……
都会では常に対向車や先行車がいるため、基本ロービームとなることが多いですが、ロービームが周囲に対応して自ら切替えたモードだということを頭に入れておく必要があります。
周りに車や歩行者がいる時のハイビームは違反!
× 先行車・対向車・歩行者がいる場合でハイビーム *道路交通法第52条
【罰則】5万円以下の罰金
いちいちカチカチとライトを切り替えるのは面倒でしょうが、周りの状況を見て、どのように光らせれば良いか判断してくださいね。
法律をしっかり意識しながら、安全に運転しよう
いかがでしょうか?意外と意識していない法律も多かったかもしれませんが、警察に見つかると違反となってしまいますから、しっかり覚えておきましょう。
とはいえ、基本的には周囲に迷惑がかからないか、どのように運転すれば安全かを考えていれば大丈夫。
車は非常に便利なものですが、ふとした判断を誤るだけで、人の命にも関わる乗り物です。
常に同乗者、周りの車に気を配りながら、安全運転を心がけてくださいね。