- 住まい(279)
大雪も怖くない!効果的な雪かきの極意とは
大雪が降ると必要になるのが雪かき。雪国地方では冬のいつもの悩みのタネですし、ふだん雪があまり降らない地方でたまに雪が降ると、雪に慣れていない分だけ、その処理作業に右往左往することになります。いずれの場合も、長時間の雪中作業で体力をつかって、翌日に筋肉痛になりかねないのが、気の重いところ。そんな事態を予防するために、雪かきの道具や服装、やり方手順について改めて見直してみましょう。
雪かきは道具を揃えるところから
雪かきを効率的に行うには、何よりも道具選びが重要です。
スコップ1つあれば充分だろうという方は、便利なグッズを知らないばかりに無用な労働時間をかけてしまっている可能性もあります。
ここはぜひとも次の4品を揃えておくことをおすすめします。
スコップ
最初に準備していただきたいのは、スコップです。
こちらは、「軽めのプラスチック素材のもの」と「金属製のもの」の2種類を購入しておくことをおすすめします。
都会などでちょっとした雪を除けるならプラスチック製のスコップで十分です。雪国では子供が雪かきのお手伝いに使うイメージですかね。
雪の程度が比較的軽度なときには、プラスチック製スコップの出番です。
スコップ自体が軽いため、簡単に雪を掻くことが出来ます。
雪が溶けだしたときや降り始めの雪かきでは、このプラスチック製スコップが大活躍します。
金属製スコップはコンクリートに当たると手がしびれますが、プラスチック製のものならそうした心配はありません。
さらに言うと、理想的にはプラスチックの先部分が金属で覆われているものがおすすめです。
プラスチックのみのものは新雪には使えますが、ちょっと固くなった雪には歯が立たなくなります。
一方、金属製のスコップは、硬くなった雪や氷を砕くのに活躍します。
雪をこの金属スコップで砕いた後、軽めのプラスチックスコップや後述の「ラッセル」で「ダンプ」に乗せるという雪かきの方法もあります。
鉄製よりもアルミ製の方が軽くて扱いやすいため、雪かき初心者には、アルミ製のものをおすすめします。
金属ということで、重いのではないかと敬遠する人が多いようなのですが
アルミ製は非常に軽く、大き目のサイズでも雪投げしやすいのです。
半分凍った硬い雪もアルミスコップなら大丈夫です。
ざっくざく雪かきができます!
ラッセル
近年雪国で特に人気を集めているのが、「ラッセル」という雪かき道具です。
スコップとはまた違う、使い勝手の良さが人気のひみつです。
そのまま押して遠くに雪を運ぶのにも使えますし、スコップのように雪をかきあげるのにも有効です。
スコップよりも大量の雪を扱えるため、雪かきの時間が短縮されます。
スコップやダンプを購入する余裕が無いという人は、とりあえずラッセルだけでも準備しておきましょう!と強くおすすめしたい使いやすさです。
除雪道具の中では比較的新顔ですが、あっという間に広まりました。雪を持ち上げることなしに、ブルドーザーのように、雪を押して移動させるのに使います。降ったばかりの新雪や、ばらばらになったざらめ状の雪を移動させるのに便利です。
スノーダンプ
広範囲の雪を1度に運ぶには、この「スノーダンプ」が大きな威力を発揮します。
ただし、雪の量が少ないときはダンプの上にうまく雪が乗らないため、そのような場合はスコップやラッセルと併用しましょう。
扱うには多少のテクニックが必要なので、雪が降りつもった日に何度か練習してみてください。
ママさんダンプを雪に突き刺しそのまま押してとりのぞいていきます。体の重みを使って雪を押しどけられるので、たくさんの雪を一度に動かすことができるのです。
スノーブラシ(雪下ろし用具)
最後に準備していただきたいのが、車や屋根から雪を下ろす際に使う「スノーブラシ」です。
通勤前には、必ず車から雪を下ろしますよね。
その際には、画像のような片側にブラシ、もう一方にプラスチックの凹凸が付いたスノーブラシを使用することになります。
家だけではなく、車にもこの道具を積んでおくと急な大雪にあったとしても場所を選ばず車から雪を下ろすことが出来ます。
車から雪を下ろすときは、力を入れ過ぎて車体を傷つけないように注意しましょう。
まずは、マフラーが雪に埋もれていないかチェックします。埋もれていたら、エンジンをかける前にマフラーの周りを雪かきしましょう。
マフラーが埋まった状態でエンジンをかけると、車の中に一酸化炭素が充満する危険性があります。
つぎに、フロントガラスと車の屋根の雪をどかします。
車の雪下ろしをする際、雪は車体の左右に落としましょう。前後に落とすと発進できなくなります。
当たり前のことですが、雪下ろしに必死になっていると忘れがちになります。
→フロントガラスの雪下ろし
フロントガラスが凍っている場合は、お湯で溶かしましょう。
屋根や庇に雪が溜まっているのであれば、そこから雪を下ろすのも雪かきの一環です。
自宅の屋根や庇の高さに合わせて、下にある画像のような道具を用意しておきましょう。
雪が降り積もる前にこうした道具を準備しておくことが、雪かきで困らないための第1歩なのです。
雪かきの服装・装備は、動きやすさを重視
雪かきを快適に行なうためには、服装も重要なポイントといえます。
よくありがちなミスは、分厚いスキーウェアを着込んで完全防寒したのは良いけれど、雪かき中にダラダラと汗をかいてしまうというシチュエーションです。
雪かきはスポーツ並みに身体を動かすので、汗をかきやすいという点に注意しましょう。
雪かきの時は、以下のポイントを踏まえた服装をしましょう。
・防寒できる
・防水対策がされている
・両手が自由に使える
また、寒い屋外での雪かきでも、作業中は体が温まり汗をかきます。体温調節がしやすいように重ね着スタイルがオススメです。
汗の代謝は身体を冷やします。
つまり、汗をかくような服装で雪かきをしていると、逆に身体が冷えてしまうのです。
こうした事態を予防するためにも、なるべく動きやすく汗をかかないような服装選びが重要です。
防水加工がしっかりしているものを選ぶと身体が冷えにくいのでおすすめです。
滑りにくい靴と手袋も必要です。
雪かき中に怪我をする危険を減らすことができます。
長靴と帽子付きの防水タイプの上着なら合羽でもポンチョでもウィンドブレーカーでも
なんでもOK。
長靴は足裏がしっかり溝がないと雪で滑るので溝ありを購入してください。
「これじゃ、家の中より薄着じゃないか!」と思われますが、これが最良の策なのです。
と言う訳で、キーワードは「できるだけ汗をかかない装備」という事です。
効率的な雪かきの手順とは
道具と服装の準備が整ったら、いよいよ雪かきの方法をマスターしましょう。
雪かきの運動量に備えて、事前にストレッチや準備運動をしておくと筋肉痛を予防出来ます。
手順1 雪の捨て場所を確認
雪かき道具を手にする前に、雪の捨て場所をどこにするかを決めます。
自分の家から近い位置であること、そして、排水路を塞がないことが重要です。
雪が溶けたときに排水路が塞がれていると、そこにまた氷が張ってしまいます。
張った氷の上に雪が積もると溶けるのがさらに遅くなります。
排水路が雪で埋もれないような位置を選んで雪を捨てるようにすることをお忘れなく。
雪が溶けて流れていく排水溝や排水路の確保をしておきましょう。
そうしないと、溶けた雪が凍ってしまい、さらにめんどくさいことになります。
雪が溶けた水の行き場を作ってあげることで、自然に雪が溶けていく効率を上げることができるのです。
また、捨てた雪が溶けやすいように、なるべく日照時間が長い場所を捨て場所にすることも大切です。
日陰に捨ててしまうといつまでも雪が残ることになり、気温が上昇しても雪が溶けないという事態に陥ってしまいます。
また、道路に雪を捨てるのはマナー違反です。
捨てられた雪で通行車がスリップを引き起こし、大きな事故につながります。
雪は日陰に積んじゃダメ!
雪は必ず日向に積むようにしましょう。雪は日陰に積むと固まって氷状になってしまいます。
固まった雪はなかなか溶けにくく、また重さが増すので、取り除くときに苦労します。
道路に出すと圧雪で危険大!
かいた雪を道路に投げ捨てるのもいけません。道路に出してしまうと、車の走行圧でがちがちに固まってしまい、溶けにくい上に車がスリップする原因になります。
手順2 車や屋根の雪下ろしから
雪捨て場を決定したら、まずは屋根や車上などの「高いところ」から先に雪を落としましょう。
高いところを後に残しておくと、そこから落ちた雪を処理するのに2度手間になるからです。
手順3 スノーダンプで捨て場所までのルートを作る
上から雪を落としたら、まずはスノーダンプで雪捨て場までのルートを作ります。
思い切りお腹で押し込むようにして雪をダンプの上に乗せてください。
その地点から雪捨て場までダンプを押すことで、雪を捨てる場所までの道が完成します。
ルートを作り終えたら、ダンプを使って全体の雪を捨て場所まで運びましょう。
ダンプのみで雪が運べるほど積雪しているのであれば、この作業を終えるまでスコップやラッセルの出番はありません。
ググッとさして雪を乗せて使います。この時、取っ手のパイプを握る手とおなかに力を入れるのがコツ。
手順4 ラッセルとスコップで小さな雪を集める
ダンプだけで雪を運ぶのが困難になったら、ラッセルを握りましょう。
少量の雪であっても、ラッセルであればかきだすことが出来ます。
このようなラッセル型で雪かきをする時のコツ
普通のスコップのように斜めに構えてすくって投げる、ということはしにくい形状です。
体の正面にスコップの柄がくるようにし、まっすぐ体で押しながら前に進む、というイメージで使います。
掻きだした雪を山のように積み上げたら、再びダンプを使ってその雪を捨て場所まで運んでください。
このときの雪は細かく砕けているため、ダンプへ移すときにはスコップを使うと簡単です。
腰を痛めないように、身体全体を使うのがコツです。
腕だけの力に頼らず、足や腰を使って、
雪を運ぶことで、全身の疲労度を、少なくします。
また、雪を持ち上げる時には、
背筋を伸ばしてひざを曲げ、体全部を使います。
背筋を意識することで、腰痛の予防になります。
上記のような手順が、雪かきをするうえで最も無駄のない動きです。
最初は大変かもしれませんが、慣れてくるにつれて作業スピードもアップするので頑張りましょう。
しっかりとした準備でストレスや疲れを予防
雪かきをする前に、服装や道具を整えておくことで作業効率が大きくアップします。
快適に雪かきを行いたい方は、今回ご紹介したような雪かきの方法をぜひ実践してみてください。