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特技は時空移動?アメリカ大統領選挙の「面白候補者」たち
アメリカ大統領選挙を来年2016年に控え、国民たちの候補者に対する期待や波乱が、いよいよ渦巻いてきましたね。しかし、その一方で話題となっているのが、ユニークなキャラクターをアピールする「面白候補者」たち。いかにも奥深そうな人物ばかりですが、一体どのような立場の人で、どういった公約を掲げているのでしょうか?彼らの実態も含め、1人ずつ見ていってみましょう!
アメリカ大統領選挙の「泡沫候補者」たちがユニークすぎる!
いよいよ来年に迫ったアメリカ大統領選挙ですが、中には「えっ、こんな人が!?」と思うようなユニークな候補者たちもいます。
彼らは「泡沫候補者」と呼ばれ、きわめて当選する見込みが薄い候補者のことを言うようです。
当選の見込みが薄い、というだけなら、有力者以外は皆そうなってしまうのではないか、と思いますが、基本的には「立候補するまでに政治的な活動が目立たなかった」人を指すのだとか。
日本でも、都知事選をはじめ個性的な候補者がたまに(いや、しばしば?)出て来ていましたよね。
泡沫候補は「当選する見込みが薄い」候補者のこと!
泡沫候補(ほうまつこうほ)とは、当選する見込みが極めて薄い選挙候補者。特殊候補、インディーズ候補とも呼ばれる。英語では一般に minor candidateと呼ばれ、Perennial candidate(en)という言い方もある
「立候補しても泡のように消えてしまい落選する候補」という意味からつけられており、候補として立候補する以外に政治的活動があまり注目されない場合にそう呼ばれることが多い。やや侮蔑的な形容であると一般に考えられている
なぜ立候補するのか?は人それぞれ……
ただの目立ちたがりとか、「選挙バカ」などと嘲笑する人もいますが、実業家として成功し、富と名声を得た彼が最後に欲したものは「権力」だったという人もいます。いずれにせよ、今となっては知る由もありません。
ただ、一つ言えるのは、彼ら泡沫候補が出馬したことで無投票当選が回避された選挙もあったという事実です。
「選挙は費用が馬鹿にならないのに、なぜ当選しないと分かっていて出るのだろうか?」という疑問も沸いてきますが、考えは勿論人それぞれです。
ただ目立ちたいのかもしれませんし、有り余るお金で地位を手に入れたいのかもしれませんし、もはや「アメリカ大統領選挙に出ること」自体が一種の生きがいになっている人もいるかもしれません。
タイムスリップが公約!?バーミン・サプリーム氏(無所属)
最初にご紹介するのは、ボストン生まれのバーミン・サプリーム氏。
動画を観てみると分かるように、まるで某魔法学校の校長先生のような三角帽子……に見える長靴に、見事な白いヒゲをたくわえたエキセントリックな容姿です。
ニューハンプシャー州でパフォーマンスアーティストをやっていたそうですが、何と2008年には共和党の議員だったこともあるよう。
外見の期待を裏切らず「手から砂を出す」という魔法も使えるとのことで、ぜひ演説で披露して頂きたいものですね。
ちなみに公約の中には「過去にタイムスリップしてISISを倒してみせる」というものもあり、今後の世界平和のために期待が持てるアメリカ大統領選挙候補者の1人と言えるのではないでしょうか?
名前を訳すと「害虫大好き」!?
マサチューセッツ州ボストン生まれのバーミン・ラブ・サプリーム氏(Vermin Love Supreme)で、その名前を、日本語に訳すと「マジ害虫大好きぃ!」さん。サプリーム氏はニューハンプシャー州でさまざまな活動をしている人物で、なぜかアメリカ大統領選への出馬を表明。
行動もエキセントリック!
その見た目はあまりにも奇抜。頭に巨大な長靴をかぶり、ヒゲがサンタクロースのようにボーボーに生えています。ドハデな服を着つつ、ドハデな行動をします。たとえば討論会に出席しても、なぜか砂をまいて奇行。
政策も公約も超次元的!
「すべてのアメリカ人がポニー(小型の馬)を持てばアメリカ経済は好転する」というポニー経済論や、
「エネルギー資源としてゾンビを活用する」というゾンビエネルギー論など、謎すぎる政策を次々と打ち出して市民を困惑させています。
さらに「過去にタイムスリップしてISISを撃退する」という新たな公約を追加している。
1万ドルが余裕で集まるほど注目度が高い!?
プロモーションビデオでは、銃をぶっ放し、かなりマッチョなイメージをアピール。「地球の危機を救う」と立ち上がった"ヤバイ"人たちを詰め合わせたドキュメンタリー映画を製作するために寄付を募ると1万ドルが余裕で集まるなど、本気なのか冗談なのかわからないほど注目を集めているのは確かだ。
とにかく家賃の高さを伝えたい!ジミー・マクミラン氏(家賃クソ高いんだよ党)
続いては、ニューヨーク州ブルックリン区を拠点にするジミー・マクミラン氏。
2010年から3度に渡りニューヨーク州知事選に出馬したほか、2012年にもアメリカ大統領選挙に立候補しています。
「家賃クソ高いんだよ党」の党首を名乗っていることからも分かるように、とにかく都市部の家賃が高騰していることを訴えたい感じの方です。
マンハッタンに構えていた事務所を家賃高騰により追い出されるなど、確かに現実問題苦労させられているよう。
2013年の州知事選では、YouTubeで自作の「家賃がクソ高すぎる」というラップを発表し、話題にもなりました。
ニューヨーク州知事として5年前に立候補した時も注目されたが、彼の公約は「都市部の家賃高くねえか?」、さらに党の名前も「The Rent Is Too Damn High Party」=「家賃がクソ高すぎる党」
政策は、意外と的を射ている?
実際、ニューヨークにしてもサンフランシスコにしても、大都市部の異常な家賃高騰はアメリカで社会問題化しており、彼の主張は結構正しかったりするのだ。
実際、家賃の値上げにより追い出されたことも……。
とはいえ、長年事務所として借りていたマンハッタンの物件を、値上げを理由に追い出されるなど、体を張って家賃の高騰を証明したジミー・マクミラン候補だが、「家賃がクソ高い」とボヤくだけで何もやってくれそうもないのが実情である。
何と、1993年から家賃の高さを訴えていた!
マクミランは、1993年のニューヨーク市長選に「家賃がクソ高すぎる党」の公認候補者として出馬した。彼にとっては初めての経験となったこの選挙戦で、彼はあるとき、木に括り付けられてガソリンをぶっかけられた[5]。その後、彼はブルックリン橋に自らのぼり、テレビ局が俺の主張を放送するまではここから降りないと言った
30年後にもう一度!?リンブルバット・マッカビンス氏(?)
最後にご紹介するのは、凛々しく鋭い目つきが特徴のリンブルバット・マッカビンス氏。
何と、アメリカ大統領の椅子を狙うネコさんです。
その真っ直ぐな瞳といったら、思わず吸い込まれてしまいそうですね。
実は、ネコがアメリカ大統領選挙に立候補したのはこれが初めてのことではなく、直近では2012年にも確認されています。
とはいえ、マッカビンス氏はまだ5歳。
出馬するための資格は35歳以上となっていますから、ぜひあと30年長生きして頂いて、もう一度愛らしい顔を見せてほしいものですね。
まさかの動物界からアメリカ大統領の座を狙う!
こちらは予想外の人外候補、リンブルバット・マッカビンス候補。オスネコ、5歳。
スローガンもカッコいい!
スローガンも既に決まっており、
「ニャーの時は来たれり(Meow Is the Time.)」
しかし、残念ながら30歳足りない……。
アメリカでも猫ブームかよ!と言いたいところだが、アメリカは人間じゃなくても出馬可能とのこと。ただし35歳以上ということで、ネコ5歳はあと30年しないと出馬不可。
さすが泡沫候補者のスケールもビッグ!アメリカ大統領選挙結果にぜひ注目を
いかがでしょうか?
日本でも時折個性的な候補者は現れますが、アメリカはさすが「自由の国」というべきか、そのスケールが非常に幅広いですね。
泡沫候補者と呼ばれてはいるもの、そのキャラクターや公約が話題になって、中には当選を果たしてしまう方もいるそうなので、これからの選挙に期待が高まります。
アメリカ大統領選挙は日本人からすれば直接的には関係ありませんが、今後の情勢や動向に注目が集まる国ですから、こまめに確認しておいて損はありません。
個性あふれる候補者たちの行く末を見守りつつ、選挙の結果をぜひ楽しみに待ちましょう。