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仕事の締切日や予算にも関わる「パーキンソンの法則」って一体なに?
ビジネスにおける考え方のひとつに「パーキンソンの法則」というものがあります。これは「人は与えられた資源を使い切ってしまうものだ」という法則ですが、今ひとつ理解できない方も多いでしょう。今回は、パーキンソンの法則の意味を詳しく解説すると共に、その具体例やバリエーションについてもご紹介します!気になる疑問を解消し、今後の知識としてぜひお役立てください。
パーキンソンの法則って、どんな意味?
パーキンソンの法則は、イギリスの歴史学者「シリル・ノースコート・パーキンソン」が1957年に著書の中で提唱したものです。
これは第1法則と第2法則からなり、「役人の数は仕事の量に関わらず年々増加していく」という現象を説いています。
役人ではなく一般人に置き換えると「人は時間と予算を与えられると、ギリギリまで使い切ってしまう」という風になります。
こう聞くとちょっと共感できますよね。
つまり、締め切りは○日までで、予算は○円まで使っていいですよ、と言われると、はじめは早めに、節約してやろうと思っていても、結局はその言葉に甘えてしまうのだ、ということです。
パーキンソンの法則には、第1法則と第2法則がある!
第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
結論は「役人の数は、仕事量にかかわらず増え続ける」。
公務員が増え続けるのは
1)役員は部下を増やすことを望む。ただしライバルが増えることは望まない。
2)役人は互いのために仕事をつくりあう。
という二つの素因によって生み出される現象なんだそうな。
出典:http://d.hatena.ne.jp/ackey1973/20110710/1311432806
仕事の量と役人の数は何ら関係もなく、仕事が増えようが、なくなろうが、そんな事はお構いなしに役人の数は増大する。さらに増大するとお互いに仕事を作りあい、さらに雪だるまのように増えていくという法則です。
出典:http://www.it-innovation.co.jp/2009/12/06-140607/
予算を設ければ次の年から減らすまいとギリギリまで使い切ろうとするし、仕事がなくなったら新たに仕事を作り、人員を極限まで使おうとする……それがパーキンソンの法則なのですね。
パーキンソンの法則の具体例は?
何となくわかったけど、イマイチ身近な感じがしない……という方もいるかもしれませんね。
パーキンソンの法則は、よく夏休みの宿題に例えられます。
夏休みの宿題はしっかりと締め切りが決まっていますが、最初は7月中に終わらせよう!なんて思うもの。
しかし、いざ夏休みに突入すると海や花火が楽しくて、ついつい宿題のことを忘れ、8月末へ……となってしまった経験はないでしょうか?
パーキンソンの法則はそれと同じで、結局計画通りにはいかない人間の弱さや甘えを表しているとも言われています。
パーキンソンの法則は「夏休みの宿題」で考えよう!
例1)夏休みの宿題が結局ギリギリまで着手せず、最終日に気合で終わらせる。
例2)余裕をもったスケジュールを立てた仕事が結局納期まで時間をかけて終わらせる。
こんな感じですかね。
出典:http://sigma-crest.com/blog/2013/06/13/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87/
夏休みは通常、7月の後半から8月31日までです。その間に学校やら塾やらから宿題がたくさん出されますよね?まあほとんどの人は「8月31日まであるから大丈夫だ」と思ってすぐには取り掛かりません。
出典:http://renga3.com/parkinsons.html
で、8月も25日ぐらいが来てから「いい加減やらないとマズイぞ」って感じでやっと宿題をはじめるわけです。それで意外にたった1周間で仕上がったりもします。
出典:http://renga3.com/parkinsons.html
7月中に終わらせようと思えば終わらせるのですが、結局8月いっぱいまで使って完成させてしまう。これがパーキンソンの法則です。
出典:http://renga3.com/parkinsons.html
「締め切り」が仕事終了の合図!
あなたの職場を見ても、いつも定時に帰る人ほど、定時までに終えることを前提として仕事をしており、慢性的に残業をしている人ほど、残業を前提として仕事をしているということはないでしょうか。
出典:http://time-management.jimdo.com/%E6%B3%95%E5%89%87%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87/
このようにパーキンソンの法則から人間の弱さを考えると、仕事の場合、終了時刻を決めるのは仕事量ではなくあらかじめ決められたデッドラインと言えます。
出典:http://time-management.jimdo.com/%E6%B3%95%E5%89%87%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87/
上でも言われていますが、パーキンソンの法則は「仕事が多くて、締め切りギリギリになってしまった」というのとは違います。
あくまでも「やろうと思えば早めに終わらせられるのに、取り掛かりが遅かったため締め切りギリギリになってしまった」現象を言うのです。
パーキンソンの法則に共感する人も多い!
上記の夏休みの例もそうですが、パーキンソンの法則の意味には共感する人も多いでしょう。
中には「いや、自分はやるべきことを終わらせてから遊ぶタイプだった」という素晴らしい方もいるかもしれませんが、大抵の人は宿題や仕事などで、つい甘えが出てしまった経験があるのではないでしょうか。
実際、「パーキンソンの法則って自分に当てはまるわ」「これってパーキンソンの法則って言うんだ……」など、自分の仕事ぶりや課題への姿勢を振り返り、頭を抱える人も多いようです。
パーキンソンの法則に苦しめられているんですっ・・・
— unuboler (@unuboler) 2015, 12月 2
パーキンソンの法則を地で言ってて草生えない
— REM_arkwright (@REM_arkwright) 2015, 12月 2
まあ~ほとんどの人は
スピードを意識できないです。
ボクもまさにそうでした。
なぜなら人って与えられた時間を
最大限使おうとする習慣があるからです。
1週間という時間を与えられたら
ギリギリまでやろうとしないんですね。
これは『パーキンソンの法則』といいます。
— 副業でサラリーマン以上に稼ぐ@桜井達也 (@sakuraitatuya5) 2015, 12月 9
パーキンソンの法則を利用すれば、素晴らしい仕事ができることも!
パーキンソンの法則を知り、「そうか、じゃあ自分の考え方は甘えじゃなくて、人間として当然のことなんだ……」と納得してしまうのも仕方のないことですが、逆にこれを利用して、いつもよりも迅速に仕事をする方法もあります。
それは「自分で締め切りを作ること」です。
仕事や勉強に「絶対にこの日までに終わらせる!」という目標を作り、ストップウォッチやカレンダーなどを使って時間を計測しながら作業を行うと、いつもよりも効率が上がると言われています。
どうしても自分への甘えが出てしまう、という方は、締め切り前に遊ぶ予定を立て、否が応にも終わらせなければならない状況を作るのも効果的だとか。
短時間で集中してやると、ダラダラとやった時よりもかかった時間は短いのに、なぜか普段より良い結果を生むと言われていますから、ぜひお試しください。
仕事や勉強に「自分用の締め切り」を作る!
・仕事や作業や勉強に締め切りを作ること
が重要です。
自分で締め切りを作ります。
ストップウォッチやタイマーやスマホを使い、時間を計測します。
出典:http://www.inakablog.com/pakinson/
目標時間を決めたら、集中して一心不乱に、その仕事や作業を行います。
・時間を決める
・締め切りを作る
ことで、集中力が高まり、3日かかっていたものが、1日で、3時間で終えることができます。
出典:http://www.inakablog.com/pakinson/
この、タイマーを使うのを試してみるとわかると思います。
・今まで、意味のないことに時間を使っていたこと
・今まで、目の前のことに集中できていなかったこと
・仕事の質は、短い時間でもあげられること
・仕事に無駄な質のこだわりを持っていたこと
出典:http://www.inakablog.com/pakinson/
「先に遊びの予定を入れる」のも効果的!
遊びに行きたいのなら、まず、先に遊びの予定を入れてなんとしても仕事を早く終わらせないといけない状況を自らつくることです。
そうすることでやっと仕事に工夫とスピードが生まれ、時間をつくりだすことができます。
出典:http://time-management.jimdo.com/%E6%B3%95%E5%89%87%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87/
所用時間が短い方が、効率よく集中してやれる!
例えばネットを使って不労所得を得るまでの準備を1日1時間しか使えないサラリーマンAさんがいたとします。一方で、同じことに個人事業主として1日に10時間ぐらい使えるBさんがいたとします。
出典:http://renga3.com/parkinsons.html
となった時に意外にサラリーマンのAさんの方が結果を出すのが早かったりするわけです。これはAさんの方が少ない時間でいかに効率よく集中してやるかということに思考が働いているのです。
出典:http://renga3.com/parkinsons.html
パーキンソンの法則は、コンピューターバージョンもある!
最後に、パーキンソンの法則は、コンピューターの“機械本体”についても言えることをご紹介しましょう。
「データ量は、与えられた記憶装置いっぱいまで膨張する」というものであり、メモリーの容量が増加すればするほど、より多くのメモリーが必要になる技術を発展させることができる、という意味になります。
コンピューターはメモリ容量が増えれば増えるほど内蔵できるソフトが多くなりますし、たくさんの事柄をリアルタイムで処理することが可能になります。
ここ10年間でパソコンが飛躍的な進化を遂げたことからも、この法則は頷けますね。
コンピューターに関しては、パーキンソンの法則はよりポジティブなイメージで使われるようです。
「コンピュータのメモリーやハードディスクは、その容量いっぱいまで使われてしまうものだ」という法則もあります。確かに、これは頷けるものがあります。
出典:http://www.jiyu.co.jp/GN/cdv/backnumber/200605/topics02/topic02_02.html
これは記憶装置の容量に限らず、CPU資源やメモリー容量、ネットワーク帯域など、コンピューター資源一般に拡張できる。 すなわち「処理量やデータ量は、与えられたコンピュータ・リソースを使い切るまで膨張する」と一般化できる。
出典:http://bit-consul.com/wordpress/?p=4993
この法則が正しいことはパソコンの歴史を振り返れば明らかだ。 昔はCUI(コマンドライン)とテキスト処理だけだったものが、GUIでイメージデータや画像、さらに動画まで扱えるようになった。
出典:http://bit-consul.com/wordpress/?p=4993
パーキンソンの法則を活かし、効率よく作業を行おう!
いかがでしょうか?パーキンソンの法則は人間の甘えや心理を的確に表したものですが、上手く使えばいつもより力を発揮できるかもしれませんね。
ストップウォッチで測るまでしなくとも、スケジュール帳に「今日は絶対にここまで終わらせる」というような計画を立てながらやれば、無理なく活用できるでしょう。
人は追い詰められれば意外な能力を発揮するものですが、やりすぎると身体を壊したり、仕事の信用を失ってしまったりしかねません。
ギリギリまで伸ばすのはほどほどに、適度なペースで仕事や作業に精を出してくださいね。
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