美侍

意外と取っ付きやすい!「直木賞」の解説や傾向&おすすめ受賞作をご紹介

毎年芥川賞と共に選出されている「直木賞」。作家の間では非常に権威のある賞として知られており、映像化された作品も多い印象ですよね。今回は「直木賞ってよく聞くけど、芥川賞とどう違うの?」「どれか読んでみようかなあ……おすすめとかある?」と気になったあなたのために、直木賞とはどんな賞なのかという解説や受賞傾向、おすすめの歴代受賞作などをまとめました!ぜひご参考ください。

直木賞も作家の名前が由来!一体いつ生まれた賞なの?

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E6%9C%A8%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%94

そもそも直木賞とは、1935年に創設された文学賞のこと。
ただ、芥川賞が「芥川龍之介」が由来になっているのだろうとパッと思い浮かぶのに対し、直木賞は一体誰の賞なの?と首を傾げる人が多いですよね。

直木賞の由来となっている作家は、明治から昭和期にかけて活躍した「直木三十五(なおきさんじゅうご)」。
時代小説や現代小説など幅広いジャンルで作品を残し、当時人気を博しました。
直木賞は彼の没後、友人である菊池寛(真珠夫人、父帰るなどが有名)によって設けられたそうです。

ただ、現在絶版になっている作品も多く、芥川と違い教科書でお馴染みというわけでもないので、作家としての知名度がそう高くないのも確か……。
ちなみに本人はトイレや浴室まで黒一色で統一した家を設計したというエピソードをはじめ、なかなかの変わり者として知られています。

1935年創設!「直木三十五」の没後、友人である菊池寛によって設けられた

文学界最高峰と言われる「芥川賞」と「直木賞」ですが、実はどちらも老舗出版社・文藝春秋社の社長だった菊池寛が、1935年に創設した文学賞なんです。賞の名前は、彼の友人であり、文藝春秋社の看板雑誌『文藝春秋』の発展に大きく貢献した作家、芥川龍之介と直木三十五の名前に由来しています。これらは毎年2回、同時期に選考委員会によって受賞作品が選ばれます。

出典:https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/440/

直木三十五は明治から昭和にかけて、幅広いジャンルで活躍した作家!

生没年月日 明24年2月12日~昭9年2月24日
本名=植村宗一。
大阪府大阪市南区内安堂寺町2丁目生まれ。
桃園小学校、育英高等小学校、市岡中学校と進み、一時、薬局勤務、奈良県の小学校の代用教員を務める。

出典:http://naoki.roku-hara.com/naokitoha.html

作風は、時代小説から、時局小説、現代小説など幅広く、
大衆文芸を中心とした文芸評論や随筆も数多い。
昭和9年/1934年、結核性脳膜炎で東大病院にて没。享年43歳。
翌年、友人の菊池寛が「直木三十五賞」を設定、現在まで続く。

出典:http://prizesworld.com/naoki/kenkyu/naoki35.htm

トイレまで黒一色で統一された家を設計するなど、一風変わった人柄で知られる!

現在も残っていて、彼の人間性をよく表しているものがあるという。それは、横浜市金沢区にある、晩年に自身で設計した家だ。玄関がなく、内壁は黒一色で統一され、トイレや浴室には黒いタイルが敷き詰められた、一風変わった家だったそうだ。記念館はこの家をモチーフにしている。どうりで壁や天井が黒いわけだ!

出典:http://www.excite.co.jp/News/bit/00091138184908.html

直木三十五の著作リストや略歴などについて、詳しく記されています。

新人でも受賞できる?「直木賞」に選ばれる作品の傾向を知ろう!

では、直木賞を受賞するためにはどのような作品を書けば良いのでしょうか?

まず、直木賞は基本的に「既に刊行化された小説」が選ばれ、既に他の文学賞を受賞した作家が受賞することが多いとされています。
つまり無名の作家ではなく、世間にある程度知られているベテランということですね。

傾向としては「大衆文学」というものが挙げられます。
純文学は展開の面白さやエンターテインメント性よりも、文体の華麗さや奥深さなどが重視されますが、大衆文学は逆に読者が引き込まれるような物語性があるかが重要となるのです。
よって直木賞受賞作は映画やドラマなど映像化される確率が高く、普段本を読まない人でも楽しめる作品が多いと言えるでしょう。

直木賞は既に刊行された作品で、名のある作家が受賞することが多い!

 「芥川賞は作品主義、直木賞が作家主義。芥川賞が点ならば、直木賞は線です。直木賞は刊行化された小説、芥川賞は雑誌に掲載されたものが主です」

出典:http://www.zakzak.co.jp/people/news/20130320/peo1303200712000-n1.htm

 直木賞の候補に選ばれる作家は、他の文学賞を受賞している人がほとんどだ。未知の作家との遭遇は、なかなかない。

出典:http://www.zakzak.co.jp/people/news/20130320/peo1303200712000-n1.htm

傾向としては「大衆文学」!エンターテインメント性が高いので、初心者にもおすすめ

直木賞

・大衆文学が対象

・経験のある作家が中心

・作品は読書慣れしていない人も楽しめる物が多い

出典:http://guru3me.com/?p=137

純文学とは対照的に、娯楽やエンターテイメントを重視した作品で、
推理小説や歴史小説、恋愛小説等が例にあげられます。


純文学が、「自分の世界を表現する」
という事を前提としているのに対し、

こちらは「他人が読んで面白い内容を表現する」
という前提の作品という事ですね。

出典:http://guru3me.com/?p=137

過去の受賞作が知りたい!歴代作品の中で特におすすめを3つピックアップ

最後に、直木賞の歴代受賞作の中でも特におすすめの作品を3つピックアップしました!
もちろんこの他にも魅力的な作品は多数ありますので、興味のある方は次々チャレンジしてみてください。

映画化もされているものばかりですので、原作を読んだらぜひそちらも鑑賞を。
原作との差異や新たな魅力を発見できるかもしれませんよ。

その① 構成力の高さが評判!穏やかでモダンな風景が脳裏に浮かぶ 『小さいおうち』

出典:https://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%84%E3%81%8A%E3%81%86%E3%81%A1-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E4%BA%AC%E5%AD%90/dp/4167849011

最初にご紹介するのは、第143回直木賞を受賞した、中島京子さんの『小さいおうち』。
ひとつの名家を舞台に繰り広げられる複雑な人間関係や恋愛模様が、巧みな構成力で描かれています。
昭和初期という時代が綿密に考証されており、当時のモダンな風景が鮮やかに浮かんでくるのも魅力的。

元女中のタキが、自身の回想録を元に、かつて奉公していた「赤い三角屋根の小さいおうち」に住んでいた平井家のことを顧みながら、ある「密やかな恋愛」について回顧する物語。1930年代から1940年代前半、つまり、昭和初期から次第に戦況が悪化していく中、東京の中流家庭の生活が描かれる。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%84%E3%81%8A%E3%81%86%E3%81%A1

2014年に発売された、小さいおうちの映画版DVDです。

その② ミステリー好きにおすすめ!最後はホロリと涙が……。 『容疑者Xの献身』

出典:https://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85X%E3%81%AE%E7%8C%AE%E8%BA%AB-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%B1%E9%87%8E-%E5%9C%AD%E5%90%BE/dp/4167110121

続いてご紹介するのは、134回直木賞を受賞した東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』。
ドラマ化もされたガリレオシリーズのうち1作ですが、これだけ読んでも充分楽しめます。

犯人探しをするというよりは、事件に隠された秘密を暴いていく……という感じの内容で、ラストは非常に感動的。
映画化もされているので、ぜひそちらも鑑賞してみてください。
終盤のシーンではきっと思わず涙を流してしまうはず。

花岡靖子は娘・美里とアパートで二人で暮らしていた。そのアパートへ靖子の元夫、富樫慎二が彼女の居所を突き止め訪ねてきた。どこに引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るう富樫を靖子と美里は大喧嘩の末、殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考によって二人に指示を出す。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85X%E3%81%AE%E7%8C%AE%E8%BA%AB#.E3.81.82.E3.82.89.E3.81.99.E3.81.98

2009年に発売された、容疑者Xの献身の映画版DVDです。

その③ 現代社会ならではの、若者たちの姿がリアルに描かれる! 『何者』

出典:https://honto.jp/netstore/pd-book_27151504.html

最後にご紹介するのは、148回直木賞を受賞した『何者(なにもの)』。
ネットやSNSなどで本音を曝け出せる現代社会だからこその若者たちの姿が、非常にリアルに描かれています。
特に現在大学生~就活中の方は「共感はできるけど、だからこそ痛い……」という気持ちになってしまうかも。
こちらも最近DVDが発売されましたので、そちらから入るのもおすすめです。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。

出典:https://honto.jp/netstore/pd-book_27151504.html

2017年に発売された、何者の映画版DVDです。

まずは映画やドラマから入るのもアリ!直木賞作品を通し、文学に触れよう

いかがでしょうか?直木賞は芥川賞と同じく作家の名前が由来となった文学賞で、初心者でも楽しめる大衆文学作品が多数受賞しているのですね。
あくまでも文学作品なので、漫画ほどスイスイ読めるわけではありませんが「本は読み慣れてないけど、流行りのものくらいは知っておきたい!」という方にもピッタリ。

今回ご紹介したように映画化されたものも多いですし、話題作ばかりなのでぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?