美侍

年末調整は普通にすべき?副業はバレる?サラリーマンの「確定申告」Q&A

会社勤めの場合、あまり縁がないのが「確定申告」。しかし、副業や副収入がある方にとっては身近な問題ですよね。今回は「会社には年末調整もあるし、両方やっていいもんなのかな……?」「会社に副業のことって説明すべき?あんまり言いたくないんだけど……」というあなたのために、サラリーマンでも気になる!確定申告の疑問に一挙お答えします。これを読めば、きっと不安なく確定申告を迎えられるはず!ぜひご参考ください。

Q.「必要だけど確定申告しなかったらどうなるの?」 A.罰金になることもある!

サラリーマンであっても、年収が2,000万円以上だったり、副業の収入が20万円以上あったり……などの条件に当てはまる方は確定申告の必要があります。
会社勤めなのに、わざわざ確定申告をしに行くのは少々面倒ですよね。
しかし、分かっていながら確定申告をせずにいると、何と最悪「法律違反」として、懲役刑や罰金刑を言い渡されることもあるのです!

懲役は基本的に5年以下、罰金は500万円以下とのことですから、かなり重い罪ですよね。
ただし、一度は「確定申告の必要があるのに来てませんよー!今からでも(期限後申告という取り扱いになります)しに来てくださいね」という通知が届きますので、忘れていたら突然警察が……という展開にはなりません。

とはいえ初年度に通知が来なくても、バレていないと思って故意に確定申告を無視し続けていると、数年後に一気に税務調査→過去分まとめて課税される!というパターンもあるようですから、不安な方は自分に確定申告が必要なのかしっかり調べておきましょう。

また、副業先で既に源泉徴収が行われている方は確定申告不要(通知が届かない)場合もあります。
「税金を払いすぎているので確定申告しましょう」というお知らせは残念ながら届きませんので、もしかしてやった方が得かも?という人は検討してみてくださいね。

年収2,000万以上、副収入20万円以上……条件を満たす人は「確定申告」が必要!

・副業の所得が20万円を超える人 ※退職所得は除く

・2箇所以上から給与を得て、主ではない給与が20万円を超える人

・1年間の給与収入が2000万円以上

・給与のほかに同族会社から賃貸料や貸付金の利子等を貰っている人

出典:http://kakuteishinkoku.click/category5/shinai.html

忘れると最悪の場合、犯罪(脱税)として懲役や罰金が課されることも!?

2011年度の税制改正で「故意の申告書不提出によるほ脱犯」に対する罰則が創設されました。これは「積極的な所得隠蔽行為は伴わないものの、故意に『納税申告書を法定申告期限までに提出しないことにより税を免れた者』を処罰する規定」と定義されていて、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科せられます。

出典:https://thepage.jp/detail/20140305-00000008-wordleaf

一度は「確定申告してね」と通知が!しかし、無視すると数年後に痛い目に遭うことも……

 税務署では、「確定申告しなかった」からって、いきなり罰則適応なんてことはしない。

 まずは税務署から『ちゃんと確定申告されてない』という連絡が来る。

出典:http://money.0hs.org/1097.html#i

⒈いちど確定申告をしなかった

⒉しばらく様子をみたが税務調査が来ない

⒊やった、バレてない

⒋その後もずっと確定申告を無視

⒌数年後に税務調査→過去分まとめて課税!無申告加算税・延滞税・重加算税のトリプルコンボ!!

出典:http://kakuteishinkoku.click/category5/shinai.html

副業先で源泉徴収されている場合、通知が来ないこともある!

 ちなみに、20万円以上の副業所得があって確定申告していなくても、税務署から連絡がこないことがあります。代表的なのが、副業先で源泉徴収されていて、経費などを確定申告すると還付金が戻ってくるケース。つまり、無申告でも税務署から連絡がこないのは「あなたが支払う税金が減る場合」ということです。

出典:https://thepage.jp/detail/20140305-00000008-wordleaf

Q.「確定申告するなら、年末調整は出さなくていい?」 A.いつも通り提出して!

続いては「確定申告する場合、会社での年末調整をどうするか」という問題です。
そもそもサラリーマンの年末調整とは何かというと、毎月給与からは所得税や厚生年金などが天引きされますよね。
年度途中の昇給や年度途中からの入社、結婚などの理由によって、この金額に差異が生じる場合があるため、それを調整するためのいわば「サラリーマン専用・プチ確定申告」が年末調整なのです。

じゃあ自分で確定申告する場合、年末調整の書類は出さなくて良いんじゃないの?と思ってしまいますが、実はこれは間違い。
会社に直接所属している社員は、基本的に年末調整を提出しなければならないと法律で決まっているのです。
特に結婚している方は、配偶者の収入によって控除が受けられる「扶養控除申告書」が重要となりますので、必ず出してください。

つまり副収入のあるサラリーマンには、年末調整と確定申告、両方が必要になるということですね。
確定申告はそういう方のために余裕のある日程が組まれていますから(3月半ばまで)源泉徴収を持って税務署に相談に行きましょう。

年末調整は「年間の源泉徴収額の差異を調整する」プチ確定申告のようなもの!

年末調整は雇用主が従業員の一年間の給与から税金を計算し、すでに給与から天引きしている所得税額の合計額から精算することで納税が完結する仕組みをいいます。

出典:http://www.mykomon.jp/nentyo/page02.html

しかし……確定申告する人でも年末調整は基本必要!

確定申告するつもりの方は年末調整を受けなくてもよいのでしょうか?答えは「ノー」です。年末調整は、個人が受ける・受けないといった選択ができるものではなく、必ず受けなければならないと法律で決まっているものなのです。年収2000万円の方など一定の方は年末調整の対象外ですが、大体の会社員は対象者となります。

出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/295902/

給与以外に所得がある場合。

年末調整に追加して、それ以外の所得で
確定申告をする必要があります。

詳しくは源泉徴収票を持って
税務署に行くと教えてくれます。

出典:http://xn--n8j9do164a.net/archives/310.html

特に結婚している場合、「扶養控除申告書」は重要!必ず提出しよう

扶養控除申告書は、年収103万円以下の配偶者や子など、扶養の対象者が誰かを申告する書類です。おそらく年末調整のときは、その年分と翌年分の2枚が渡されると思います。その年分は年末調整の資料として使い、翌年分は翌年の給料から天引きする所得税の計算のために使用します。いずれも記入の上提出しましょう。

出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/295902/

Q.「副業を会社に知られたくない!確定申告したらバレる?」 A.住民税の納付を工夫しよう!

最後に「最近マイナンバー制度もできたし、確定申告したら副業が会社にバレるんじゃない?」と不安なサラリーマンの疑問を解消致しましょう!
まず、副業がバレる原因は実はマイナンバーではありません。
確定申告が必要なのにしなかった、というパターンを除けば、主に「住民税」か「他者の告げ口」のどちらかだと言われています。

なぜ住民税によって露見するのかといえば、住民税の額は年間の収入(副業分も含め)から計算されるため、本業分の所得と副業分の所得を合算した金額から一緒に徴収されると、市区町村から特別徴収義務者(本来個人が納付すべき税金を代わりに預かって支払う立場のこと)である会社に通知が行ってしまうのです。

これを回避する方法として、「確定申告第二表」の右下にある「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」で「自分で納付(普通徴収)」にチェックする、というものがあります。
つまり、副業分の住民税を別に支払う、ということですね。
ただし、この方法でも通知が行く場合もある(100%ではない)とのことなので、絶対バレたくない!という方は管轄の役所に「通知をしないでください」とお願いに行くしかないようです。

副業は主に「住民税」と「告げ口」からバレる!マイナンバーは原因じゃなかった……

副業が会社バレするパターンは、①無申告、②住民税、③告げ口の3つ以外にありません。

注意点

マイナンバー制度で副業が会社にバレるというデマがあります。

しかし、結論から言うとマイナンバー制度で副業は会社バレしません。

なぜなら、マイナンバー制度の目的は国が税金をしっかりと取ることにあり、副業を会社にバラすことが目的ではないからです。

出典:http://okane-hosoku.com/side-job-final-return/

確定申告の申告用紙を見て!住民税を「自分で納付」に設定しよう

どこからバレるかといいますと、住民税が悪さをしています。住民税を会社分と副収入分を一緒に徴収するようにすると、もれなく会社に通知が行くと言うカラクリ。だったら、一緒に徴収しないようにすればいいだけのこと。コレ、申告用紙の時に「確定申告第二表」の右下のほうを見て!

出典:http://www.sinkoku.net/kanpukinget/#i

「住民税・事業所税に関する事項」の「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」に注目。そこを「自分で納付」(普通徴収)というのにチェックすればOK!「事業所得」「雑所得」はこれで大丈夫なのです。

出典:http://www.sinkoku.net/kanpukinget/#i

ただし、この方法でも役所から連絡がいくことも……?事前に役所へ相談に行こう!

ただし、この方法で確定申告をしたとしても、市区町村役所によっては会社に連絡が行くこともあると言われています。どうしても会社に通知をされたくないという場合は、市区町村役所に事前に相談に行くことをお勧めします。

出典:https://merrybiz.jp/blog/future_working/fukugyo_kakuteishinkoku/

サラリーマンも一度は経験すべき!?やっておくと様々な知識も増える「確定申告」

前述した通り、1つの会社でのみ働いているサラリーマンであれば、基本的に確定申告の必要はありません。
そのため一般的なサラリーマンは確定申告に関する知識がなく、以前の方法(ワンストップ特例というものがなく、自分で必ず確定申告が必要)だった頃はふるさと納税にも参加しにくかったよう。

また、自分が払っている税金に無頓着になりがちだとも言われていますね。
アフィリエイトやライターなどの副業をしていなくても、株で儲けたり財産を相続したりすれば確定申告が必要になることがありますから、念のため勉強だけでもしておくと良いかもしれません。

とりあえず年末調整から!サラリーマンも最適な「確定申告」で、安心して年度末を迎えよう

いかがでしょうか?一般的なサラリーマンには馴染みの薄い確定申告ですが、忘れていると恐ろしい罰則があったり、年末調整プラスでやらなければならなかったりとなかなか大変な作業なのですね。
必要になってから調べるのも難しいですから、今はやっていないけど、これから副業を考えている……という方もぜひ一度確定申告の勉強をしてみてください。

まずは会社の年末調整からしっかりと提出し、入念な準備で年度末の確定申告を迎えてくださいね。