美侍

なぜ筋肉痛は起きる?仕組みを知って効果的な筋トレを目指せ

筋トレを始めてみると、必ずといって良いほど筋肉痛に襲われます。筋肉痛は筋トレをしている人にとっては正常な身体の反応です。この仕組みを理解することで、身体に大きな負担をかけることなく効率的なトレーニングを実現することも夢ではありません。逞しい身体を作るためにも筋肉痛について正しい知識を身に着けておきましょう。

筋肉痛のメカニズム

筋繊維の炎症、超回復

筋トレで行う動作は非常に単純なものが多いですよね。
これは、シンプルな運動によって筋肉をピンポイントで刺激し、筋繊維を効果的に損傷させることを目的にしています。
筋繊維は大きな刺激を受けると損傷し、炎症を帯びるという性質を持っています。
この炎症こそが筋肉痛の痛みとして私たちの身体に伝わってくるのです。

(1)普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋肉を構成している線維(=筋線維)や周りの結合組織に微細な傷がつく。

(2)損傷した筋線維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まる。このとき「炎症」が起き、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)が生産され、筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激する。それが感覚中枢を介し、痛みとして感じる。

つまり筋肉痛とは、傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。

出典:http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/39_kinnikutsu/index1.html

筋繊維は損傷した後にさらに強くて太いものへと修復されます。
いわゆる超回復と呼ばれる働きです。
この損傷から回復しようとする際にも筋肉痛が発生することがあります。
つまり筋肉痛とは、筋トレ後に筋肉が生まれ変わろうとしているプロセスで起きる痛みなのです。

そして、人間の体には壊れたり疲労したりした組織を修復しようとする機能があります。このとき、以前の体より強くなるように修復しようとするもの。同じ強さに回復したのでは、同じ運動や作業でまた損傷してしまいます。

こうして体が自力でより強くなろうとするのが、筋肉の超回復です。損傷が大きければ大きいほど、つまり筋肉痛が強いほどリバウンドする超回復も大きくなります。

出典:http://deepmuscle.info/topics/465/

筋肉の疲労

筋肉痛は筋肉の成長のサインでもありますが、実はもう1つの側面を持っています。
それは、筋肉の疲労によって起きる筋肉痛です。
運動後に溜まる乳酸という物質によって血行が悪化し、筋肉全体が疲労して痛みを覚えるのです。
疲労が蓄積すると充分なパフォーマンスを発揮出来ず、ケガにつながる恐れもあります。
そのため、身体を痛めつけて激しい筋肉痛さえ起こせばよいという考えでトレーニングを行うのは非常に危険なのです。

「乳酸(にゅうさん)」原因説…運動中に起こる筋収縮により、筋肉への酸素供給は間に合わなくなります。そのために、エネルギー源であるブドウ糖が不完全燃焼を起こすのです。そのときに、「燃えカス」として乳酸が残ります。そして、乳酸は筋肉中にたまり筋肉を収縮するのです。筋肉が縮むと血行が悪くなり疲労を感じます。

出典:http://www.boxing-championne.com/blog/?p=152

筋トレと筋肉痛の関係

初心者は筋肉痛が頻度の目安に

では、筋トレをしていくうえで筋肉痛とどのように付き合っていけばよいのでしょうか?
筋トレ初心者の方は、トレーニングというハードな運動に身体が慣れていません。
そのため、一度トレーニングをしたら筋肉痛が治まり、身体の疲労がある程度取れるまで休息することをおすすめします。
通常は超回復に必要な2~3日程度あけてからトレーニングを再開しますが、筋トレ初心者の方だとこの日数では疲労が抜けきらずケガをしてしまう恐れがあるからです。

どのくらい休ませればいいのかというと、48〜72時間と言われています。2,3日ですね。
ただしこれは部位によって違っていて、脚や胸や背中など大きな筋肉は回復が遅いので2,3日ですが、腕や腹筋は回復が早いので1日でもいいでしょう。
あと、筋肉痛も目安になります。
筋肉痛があるうちはやめておくべきで、無くなったらまた筋トレをするというサイクルでもいいです。
早く回復させるとまたすぐに筋トレができるので、回復スピードをあげることも大事になってきます。

出典:http://kin-100.com/%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E5%88%9D%E5%BF%83%E8%80%85%E3%81%8C%E6%8A%BC%E3%81%95%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8F%E3%81%B9%E3%81%8D7%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%81%A8-2616.html

同じトレーニングを続けていると筋肉を感じなくなる

筋トレを数か月間継続していると、次第に筋肉痛を感じなくなります。
これはトレーニングによる負荷に対して身体が慣れてしまったからです。
トレーニングを始めたばかりの頃は筋トレの翌日に起き上がることもままならなかったという人も、習慣として取り組むことでこうした経験をすることはなくなります。

『動きに慣れてしまうから。』とは、
1週間に3日4日も同じような動きをすれば、
筋肉もその動きに慣れてしまい
「この動きで毎回壊されてたまるか!」と防衛本能が働きます。

すると、いつも通りの単調なトレーニングでは
『筋肉痛』が無くなってしまうのです。

出典:http://www.training-craftsman.com/kinnikutuuganakunaru.html

筋肉痛が無くても筋肉は成長している

筋肉痛は筋肉の成長過程で起きる現象の一種です。
あくまで現象の一種ですから、筋肉痛を感じられなくても筋肉が成長することはあります。
筋肉痛が無いからといって焦って次のトレーニングに進むのではなく、鏡などを使って自分の身体の状態をチェックしてください。
数週間同じトレーニングをしてみて筋肉の成長が感じられないようであれば、次の段階に進みましょう。

目的が筋力アップなら、
「筋力が上がっているかどうか?」
目的がバックアップなら、
「筋肉が太くなってきているかどうか?」
で判断するのです。

少し時間はかかりますが、筋トレが効果的かどうかを判断するには、それを判断基準にするしかありません。

仮にあなたちょっとマニアックな人でも、まさか筋肉痛のために筋トレはしないでしょう(笑)
だったら、筋トレの翌日に筋肉痛にならなくても、すぐに残念がるのは気が早いと思います。

出典:http://www.know-dt.com/mailmag/log005/log05.html

いつものトレーニングに工夫を加える

やっている種目は同じでも、取り組み方によって刺激を加えられる筋肉は変わってきます。
例えば、腕立て伏せの場合なら、床に着く手の位置を肩幅より広くすることで大胸筋に大きな負荷をかけられます。
次の段階の筋トレを模索する際には、違う種目に取り組むだけではなく今までやってきたメニューをアレンジすることにも挑戦してみてください。

例えば「腕立て伏せ」なら、いつもは「1分間」する
けど、たまには「回数」を決めて時間無制限にしたり、
「2分間」したり、「4秒に1回スローで上げ下げ」
したりしてみましょう。

全く筋肉痛が出ないのであれば、そのトレーニングは
マンネリか追い込み不足で間違っている可能性が大です!!

出典:http://army-fitness-gym.com/blog/archives/2359

筋肉痛改善が筋トレの効果をアップ

アイシングで炎症を抑える

筋トレとは切り離せない関係にある筋トレですが、ちょっとした工夫をすることで痛みを和らげ、筋トレの効果もアップさせることが出来ます。
その方法の1つがアイシングです。
アイシングとは氷嚢やシップを使って筋肉を冷やすことで、筋肉痛による炎症を抑えることです。
筋繊維損傷による痛みを和らげることはもちろんですが、疲労による筋肉痛から早期に回復させてくれるため、激しい筋肉痛のせいでトレーニングが出来ないという事態を回避することが可能になるのです。

アイシングには、代謝を下げることで、疲労物質の分泌や余計なエネルギーの発散を抑え、トレーニングで傷ついたごく微細な炎症を冷ますといった作用があり、疲労回復や筋肉痛の軽減に効果を発揮します。

このアイシングのタイミングですが、運動終了後、早ければ早いほど効果アリです。
プロ野球のピッチャーが、降板後に利き肩にゴツイのを付けてますよね?
あれが正にそうです。

ただ、やりすぎると凍傷の危険がありますので、アイシングをする時間はせいぜい15分~20分くらいと覚えておいてください。

出典:http://zatutisiki.com/4106.html

有酸素運動やストレッチで血行促進

筋肉痛からの回復には血行を促進させるのも有効です。
血行を促進させる方法としてはストレッチや軽い有酸素運動が挙げられます。
特に筋トレ直後のストレッチは筋繊維をクールダウンさせるのに最適です。
有酸素運動は筋肉への負担が比較的小さいため、筋肉痛で筋肉に大きな負荷をかけられないときにも取り組むことが出来ます。
もっと手軽に血行を促進させたいという人は、ぬるめのお風呂に浸かると良いでしょう。
血行の促進は筋肉痛からの回復だけではなく、筋肉を成長させるための栄養を身体全体に行き渡らせる効果もあるため、ぜひ取り組んでください。

また、血行が促進されると、発痛物質を患部から散らすことができるので、痛みも軽減することができます。
血行を促進するには、以下が効果的です!

1.ぬるま湯にゆっくりと浸かる
2.サイクリングなどの有酸素運動やストレッチをする

有酸素運動は筋線維のダメージ回復を早めますし、筋肉痛のときでも身体に負担をかけずにできる運動としてもオススメです!
こうした血行をよくする行動を取りつつ、しっかりと睡眠をとることも忘れないでくださいね。

出典:http://nurse-riko.net/%E7%AD%8B%E8%82%89%E7%97%9B%E3%82%92%E6%B2%BB%E3%81%99%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%A8%E5%8E%9F%E5%9B%A0/

筋肉を回復させる栄養を摂る

最後にご紹介したいのが筋肉痛から回復するための栄養素です。
筋肉はタンパク質で構成されており、これを筋トレが終わってから早急に摂取することで筋繊維の回復を早めることが可能です。
ジムを利用している人たちが粉末状のプロテインを水に溶かして飲んでいるのは、トレーニングを終えた瞬間から身体を回復させたいと考えているからです。
プロテインを用意出来ないという人も、筋トレ後の食事では積極的にタンパク質を摂取しましょう。

ビタミンB1という栄養素は筋トレを代表とする激しい運動に際して消費されます。
これが不足するとトレーニング中の動きが悪くなるだけでなく、筋肉疲労の回復も遅れるのです。
疲労による筋肉痛の改善や効果的な筋トレをするためにも、タンパク質やビタミンB1は必ず摂取することを心掛けましょう。

筋肉痛と向き合い逞しい身体へ

筋肉痛というシグナルを気にかけているかどうかで、トレーニングの効果は全く違うものになります。
筋肉痛を目安に自分のケアをしっかり行い、理想の身体に近づきましょう。