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九州ラーメンの中では異端!?「鹿児島ラーメン」の特徴やおすすめ店に迫る
九州といえば久留米ラーメンをベースにした「白濁豚骨」が一般的ですが、唯一その本流から外れ、独自の路線でファンを集めていると言われる「鹿児島ラーメン」。しかし、一体どのような魅力を持ったラーメンなのでしょうか?今回は「鹿児島にも名物ラーメンがあるのか!食べてみたいなあ……」と気になっているあなたのために、鹿児島ラーメンの特徴や歴史、おすすめのお店などについて詳しくまとめました!これを読めば、今すぐ近くの鹿児島ラーメン店を調べてしまうかも?
豚骨だけど他とは違う!「鹿児島ラーメン」には一体どんな特徴があるの?
鹿児島ラーメンは多くの九州ラーメンと同じく豚骨ベースですが、他と違い唯一久留米ラーメンの影響を受けていないと言われ、スープは白濁しておらず意外にあっさりしています。
こってり濃厚!というよりは、鶏ガラや野菜などの旨みも加わった優しい印象の味わいですね。
麺は沖縄そばのような太麺と、ビーフンのような細麺とがありますが、いずれも柔らかめに仕上げてあるため、胃に優しいラーメンと言えるかもしれません。
また、九州では珍しく味噌ラーメンを置くお店が多いこと、ラーメンを注文すると漬物(大抵のお店は食べ放題)と緑茶が付いてくることなども、古くからの鹿児島ラーメンの特徴です。
ただし、鹿児島ラーメン=鹿児島で出されているラーメン全体を指すものであり、明確な特徴はないという声もあります。
中には久留米ラーメンや熊本ラーメン系の影響を受けた濃厚豚骨を出すお店もあるようなので、食べ歩くだけでも違いが分かって楽しいかもしれませんね。
豚骨だけど半濁のあっさりベース!九州で唯一久留米ラーメンの影響を受けていない
豚骨をベースにした半濁スープにストレート麺が基本となっており、これに各店のアレンジが加わり、各店で個性を競い合っている。
鹿児島はとんこつラーメンの本場・博多から遠く離れているため、とんこつラーメンの影響が薄いことが何よりの特徴だ。
「味噌ラーメン」をメニューに加える店も多い!漬物が付くのも特徴
九州では珍しく古くから「味噌ラーメン」をメニューに加える店も多く、メニューの目玉にする店や専門店が多く存在するのも特色と言える。その姿は定番の札幌味噌ラーメンとは大きく異なり、独自のスタイルで土着化した言わば「鹿児島流味噌ラーメン」といえるものも登場した。ラーメンには関係ないが、注文すると漬物(多くは、甘酢大根の千枚漬け)が出されるという特徴がある。
鹿児島ラーメンの名店「くろいわ本店」の日高百合子さんは、「鹿児島のラーメンを大まかに概観すると、やはりあっさり味と言えるでしょう。とんこつだけどあっさりしてる。鶏ガラも使っていますからね」。
やっぱり漬け物は付くのですか?という筆者の質問に、「ええ、普通は付きますよ。うちの場合は大根の漬け物ですが」とのコメントを頂けた。
店によって味やスタイルは千差万別!食べ歩くだけでも楽しい鹿児島ラーメン
・鹿児島ラーメンはガイドブック等で紹介されてるのはごく一部、一概にスタイルも千差万別で店巡りだけでも充分楽しい。老舗から新店までいつどこがブレークするか目が離せない。
管理者なりの鹿児島ラーメンの解釈わけです。
1. オールド系
昔ながらの鹿児島を代表するラーメンの形態
(解釈としては豚骨+鶏がらスープのブレンド:柔らかい風味が特徴)
この中でも、こむらさきやのぼる屋など、他と比較できないオリジナルのものもある。
2.オールドインスパイア系
もともとの鹿児島ラーメンの良いところを生かしたラーメン作り
3. ニューウエーブ系
4.鹿児島魚介系
5.他県修行系
6.加治木系
加治木地方独特の濃いめの醤油豚骨ラーメン。
7..北薩オリジナル系
隣県である熊本ラーメン・久留米ラーメンの影響を色濃く受けている。
8.大隅オールド系
「チャーシュー」がスライスされた肉をタレで煮込んだものであるケースがある。
代表店:マツワキ食堂・太平ラーメンなど
9.鹿児島みそラーメン
みそを看板メニューとして掲げるのが多いのも鹿児島の特徴。
10.ご当地町興しオリジナルラーメン系
串木野まぐろラーメン、枕崎かつおラーメン、加世田かぼちゃラーメン、志布志ハモラーメンなど
どうやって生まれたの?鹿児島ラーメンの「歴史」に迫る!
では、鹿児島ラーメンのルーツはどこにあるのでしょうか?
前述した通り、鹿児島ラーメンは久留米ラーメンの影響を受けない唯一の九州ラーメンだと言われています。
鹿児島ラーメンの元祖は、昭和22年創業の「のぼる屋」。
現在でも鹿児島ラーメンの人気店として有名なお店で、当時横浜で看護師をしていた創業者、道岡ツナさんが患者だった中国人からスープの作り方を習い、それを自分好みにアレンジして出来上がったものなのだとか。
同じくらい老舗のお店としては、のぼる屋と並ぶ鹿児島屈指の有名店「こむらさき」があります。
こちらは昭和24年創業で、ビーフンを基に作られた細麺と、野菜たっぷりのマイルドな味わいが特徴です。
ルーツとしてはこの2店舗が挙げられますが、前述した通り鹿児島ラーメンは定義づけられるものではないという声もあり、九州他県の流れを汲んだタイプ(久留米系や熊本系など)の老舗もあります。
鹿児島県内で、店主が自信を持って提供するラーメン、その1杯1杯が「鹿児島の味」なのですね。
鹿児島最初のラーメン店は、昭和22年開業の「のぼる屋」!今も健在の人気店
ご存知の方も多いと思うけど「のぼる屋」は創業1947(昭和22)年の鹿児島で最も古いラーメン店。九州のなかで唯一、久留米ラーメンの影響を受けず、独自の道を辿ったといわれる鹿児島ラーメンの元祖店である(久留米から始まった九州ラーメンの歴史はまた別の機会に書くとして・・)。
もう一軒の老舗は「こむらさき」!ビーフンの製法を参考にした麺が特徴
ラーメン専門こむらさきの創業は、
昭和25年といいますから、
老舗中の老舗のラーメン屋です。
各店主が自信を持って送る味、それこそが「鹿児島ラーメン」の特徴という声も!
「鹿児島ラーメン」は、豚骨ラーメン発祥の地、久留米からの影響を唯一受けなかったと言われている。だが実際には、県境の出水市には久留米系や、熊本系等の味を供する老舗も多い。そして出水市に限らず、鹿児島県内に点々と九州県内の流れを汲む味が存在しているのである。
言うなれば「鹿児島ラーメン」の主流は、その土地の好みの傾向だけにあらず。各店主が自信を持って送る味、その一つ一つが「鹿児島の味」なのである。
鹿児島ラーメンならココに行け!間違いない有名&絶品店3選
最後に、初めて鹿児島ラーメンを食べるならココに行け!な、有名かつ絶品のお店を3つまとめてみました。
元祖と呼ばれるものから長年鹿児島県民に愛され続けてきたお店までいずれも老舗ばかりですので、ぜひご参考ください。
メニューは「ラーメンのみ」という潔さ!元祖・鹿児島ラーメンの「のぼる屋」
最初にご紹介するのは、やっぱり元祖・鹿児島ラーメンを食べなきゃ!というわけで市内にある「のぼる屋」。
有名ラーメン評論家にも絶賛されたお店で、何とメニューはラーメンのみという潔さです。
ラーメン1杯1000円とややお高めですが、モチモチとした麺と豚骨や野菜の旨みがたっぷり染み出したスープは、これだけで充分満足できるほど。
のぼる屋
鹿児島県鹿児島市堀江町2-15
tel 099-226-6695
営業時間:11:00〜19:00
定休日:日曜日
ラーメン 1000円
スープは豚骨をベースにしているものの、博多や久留米の豚骨ほど濁っておらず、やや透明感がある。一口すすると、調味料の旨みが強く感じられるが、酸味や豚臭さはあまりなく、あっさりしていて飲みやすい。麺はやや平たい中麺の自家製麺。独特のモチモチした食感が楽しめる。また、客が着席後に無条件で漬け物を出すという、鹿児島のラーメン店独特のスタイルも、ここ『のぼる屋』が始めたと言われる。
もうひとつの老舗名店!アミュプラザでも味わえるのが嬉しい 「こむらさき」
続いてご紹介するのは、のぼる屋と同じく鹿児島の名店として知られる「こむらさき」。
こちらは支店がいくつかあり、アミュプラザ鹿児島の中にも存在するため、出張やちょっとした用事など、鹿児島に長時間滞在できない時でも味わうことが可能です。
柔らかい細麺と濃厚ながらまろやかなスープが特徴のこむらさきですが、オープンキッチンでお客さんの様子を観察し、「関西方面から来た人かな。じゃあ少し甘めにしよう」「随分汗をかいているから、ちょっと塩からめに」など味つけの異なる2種類のスープをその人に相応しくブレンドするという心遣いも光ります。
店名
こむらさき アミュプラザ鹿児島店
TEL
099-812-7058
住所
鹿児島県鹿児島市中央町1-1 アミュプラザ鹿児島 B1F
交通手段
JR鹿児島中央駅から徒歩1分
鹿児島中央駅から124m
営業時間
11:00~21:00(L.O.20:30)
日曜営業
定休日
アミュプラザに準ずる
オープンキッチンにこむらさきラーメンの味の秘密がある。カウンターに囲まれた厨房には味付けが異なる2種類のスープが用意されている。この二つを丼に注いで味を調えるのだが、カウンターの内側から客を観察し、好みに合うよう割合を加減しているのだいう。
「関西から来た人は少し甘めに、スポーツで汗をかいた人には少し塩辛く、というふうにね」
独自の味にこだわる武骨さと客の好みに気配りする細やかさが、士魂商才の伝統が息づく薩摩の地で長く愛された理由なのだろう。 (山本敦文)
観光客にも高評価の、万人受けする鹿児島ラーメン! 「くろいわラーメン」
最後にご紹介するのは、こちらも長年鹿児島で愛され続けるラーメン店「くろいわ」。
鹿児島ラーメン伝統の特徴を守りながらも、独自の味わいに昇華されたスープはコクがあり、「万人受けする味」と観光客にも高評価です。
野菜がどっさり乗っているため、彼女と一緒に行っても喜ばれそうですね。
くろいわは店舗数が多いのも魅力的なので、旅行に出かけた際にも足を運びやすい鹿児島ラーメンのお店です。
住所:鹿児島市東千石町9-9
電話番号:099-222-4808
営業時間:10:30~21:00
[備考]
定休日なし、駐車場なし
ラーメンに盛る野菜の高さが良いですねぇ。野菜が乗ってるラーメン好きなんです。
自家製チャーシューもひそんでます。
豚骨と鶏がらから採ったコクがあり、鹿児島ラーメンならではのあっさりとしたスープ、これぞくろいわラーメンといった感じです。
化調(化学調味料)の匂いが若干しますが、万人受けするラーメンだと思います。
あっさり豚骨好きなら絶対食べるべし!旅行のお昼は鹿児島ラーメンで決まり
いかがでしょうか?鹿児島ラーメンは豚骨は豚骨でもあっさり優しい味わいで、他の九州のラーメンとはちょっと違う特徴を持つものなのですね。
鹿児島ラーメンは比較的値段が高いとも言われますが、それは小腹を満たしたり飲み帰りのシメに食べたりするのではなく、しっかりとした「食事」として扱われているというのが理由なのかもしれません。
豚骨だけではない旨みが染み出したスープは一度食べると病みつきになりますから、鹿児島に足を運んだ際にはぜひ味わってみてくださいね。