美侍

ちゃんとわかってる?「夏至」の意味や習慣。常識として知っておこう

毎年ニュースや天気予報などで話題に上るものの、意外と「へえー、そうなんだ」と思うだけで聞き流しがちなワードが「夏至」。しかし、ビジネスマンとしては知っておかないと、上司や取引先から突然話を振られるかもしれません。今回は「そういえば、どんな意味なのか知らない!」というあなたのために、立夏や大暑とは違う!夏至の意味や習慣について詳しくご紹介します。これを読めば、明日から使えるボキャブラリーがまた一つ増えるかも?

毎年日付が違う!?「夏至」ってどんな日?

夏至とは「太陽が夏至点(天球上において太陽の赤道面からの距離が最大となった時、赤緯が最も大きくなる点)を通過する時刻を含む日」のこと。
こう書くと何を言われているのかほとんどわからないほど難解ですが、一般的には「1年のうち、昼間の時間が最も長くなる日」として覚えられています。
また、夏至を季節の節目の「一区切り」として考える場合(二十四節気で考える場合)には、小暑までの「15日間」のことを指して言うこともあります。

この夏至を、“夜の時間が最も長い”冬至と比べると、何と5時間弱も昼間の時間が違うのだとか。
大抵は6月の21日に訪れますが、1年の日数の関係で4年に1度は22日になります。

ちなみに、6月22日が夏至になった翌年はうるう年、と覚えておくと、今年の夏至は○日だな、と分かりやすいのではないでしょうか。

夏至は「太陽が夏至点を通過する時刻を含む」日のこと!

二十四節季の1つで、太陽が夏至点を通過する時刻をいい、
これを含む日が夏至の日です。

また、夏至の日から小暑までの期間をさして、夏至という場合もあります。

出典:http://ii-nippon.net/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97%E3%83%BB%E9%9B%91%E7%AF%80/27.html

※夏至点と冬至点
1年に2回、天球上で太陽の赤道面からの距離が最大になる瞬間を、
至点といいます。
至点では、太陽の赤緯の増減が止まって、最大または最小の値に達します。
太陽の赤緯が最大となる点を夏至点、最小となる点を冬至点と呼びます。

出典:http://ii-nippon.net/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97%E3%83%BB%E9%9B%91%E7%AF%80/27.html

夏至は「1年のうち、昼間の時間が最も長く」なる!

夏至の日は、毎年6月21日前後にあたり、
一年のうちで昼間の時間が一番長くなります。

冬至の日と比べると、お昼の長さが5時間弱も違います。

また、旧暦で見た場合、夏至の日は5月に訪れていました。
旧暦では4月~6月が夏になります。

出典:http://ii-nippon.net/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97%E3%83%BB%E9%9B%91%E7%AF%80/27.html

2016年の夏至は、6月21日!

2016年の夏至は、6月21日となっています。

夏至の算出方法は簡単に言うと、西暦を4で割った余りの数が日にちになるため、4の倍数の年であるうるう年を基準(0)として計算します。365日の超過分が毎年蓄積され、うるう年でリセットされる形となっています。

出典:http://sk-imedia.com/geshi-7832.html

これにより、ここ数年は6月22日が夏至となった翌年がうるう年になっていることがわかります。ちなみに2017年以降の夏至の日を見てみると顕著にわかります。

・2017年の夏至6月21日
・2018年の夏至6月21日
・2019年の夏至6月22日
・2020年の夏至6月21日
・2021年の夏至6月21日
・2022年の夏至6月21日

出典:http://sk-imedia.com/geshi-7832.html

夏至は、大暑や立夏と並ぶ「二十四節気」のひとつ

夏至をはじめ、日本には冬至や立夏(夏の気配が感じられる頃)、大暑(1年で最も暑い日)といった言葉がありますが、これは全て「二十四節気」という概念から来ています。

二十四節季とも書くようですが、この二十四節気は「太陰暦」において季節の区切りを表すもので、1年を二十四等分して考えます。
現在でも時節を表す風流な言葉として、手紙や挨拶文などによく使われますね。

ちなみに「太陰暦」とは、月の満ち欠けを基準として月日の流れを見る、という方法のこと。
現代で一般的に使われている、陽が昇ってから沈むまでを一区切りとする方法は「太陽暦」と呼びます。

「夏至」も「立夏」も「大暑」も、全て「二十四節気」!

きょうは、二十四節気の一つ「立夏」です。 暦の上では夏の気配が感じられるようになる頃とされますが、きょうは、やや肌寒い一日となりました。

出典:http://www.benricho.org/koyomi/24sekki.html

きょうは、二十四節気の一つ「大暑」です。暦の上では、一年で最も暑い日とされていますが、まだ梅雨明けが発表されず、きょうは肌寒い一日となりました。

出典:http://www.benricho.org/koyomi/24sekki.html

二十四節気とは、太陰暦において「季節の区切り」を表す目安のこと!

旧暦で、季節を表わすめやすとして考案されたのが二十四節気(にじゅうしせっき)だと言われています。
冬至を中心として、1太陽年を24等分しています。

出典:https://hot115.jp/denpo/contents1/jiko_aisatsu_nijushisekki.aspx

 二十四節気は、太陰暦を使用していた時代に、季節を現すための工夫として考え出されたものです。一年を二十四に等分し、その区切りと区切られた期間とにつけられた名前です。現在でも季節の節目を示す言葉として使われています。

出典:http://koyomi8.com/directjp.cgi?http://koyomi8.com/24doc.htm

太陰暦は「月」の周期を基準に時間の流れを決めるもの!

両者の違いをひとことで言うと
「何を基準に時間(暦)を決めているか」
ということ。

太陽暦は太陽
太陰暦は月

を基準にしています。

出典:http://xn--28jxalw5162g.com/archives/2221.html

太陽暦と違い、
太陰暦は月から暦を決めます。
旧暦はこれになります。


つまり、実際の月が満月から満月になる周期、
29.53日を、そのまま1ヶ月にします。

「.53」という部分は、
29日と30日の月をおりまぜることによって
なんとかします。

出典:http://xn--28jxalw5162g.com/archives/2221.html

さて、あなたの故郷では?地域によって異なる「夏至の風習」

冬至の日にはカボチャを食べたり、柚子湯に入る、という風習を体験した人が少なくないと思いますが、実は、「夏至」にはそういう決まりがありません。

ただし、地域によっては焼き餅を神様に供えたり、タコを食べたり、郷土料理(無花果田楽)を食べたりするということがあるようです。

長野の高原や三重県伊勢市の二見興玉神社では、夏至祭としてイベントが行われたり、伝統行事が行われたりもするので、機会があれば行ってみてはいかがでしょうか。

また、フィンランドやスウェーデン、デンマークなどの北欧諸国を中心として、ヨーロッパ各国では長期休暇が設けられ、盛大な夏至祭が行われるようです。
夏の訪れを皆で喜び祝うことができるなんて、とても素敵ですよね。

夏至の風習は、地域によって異なる!

冬至にはかぼちゃを食べる風習がありますが、夏至は地方によって様々で、関西ではこの日にタコを食べる習慣があり、関東地方では焼き餅をお供えたりします。

沖縄では、この頃に吹く季節風を「夏至南風」といいます。この風が吹くと、梅雨が明けて本格的な夏の訪れるそうです。

出典:http://koyomigyouji.com/24-geshi.htm

・関東地方 ⇒ 新小麦で焼き餅を作って神に供える
・島根県、熊本県の各郡 ⇒ 小麦で団子やまんじゅうを作って神に供える
・大阪近郊 ⇒ タコを食べる(夏至から半夏生まで)
・愛知県 ⇒ 無花果田楽を食べる

タコを食べるのは、夏至が田植えの時期に来ることもあり、
タコの八本の足のように、稲の根が八方に深く根を張るように。
という祈りをこめたものだそうです。

出典:http://ii-nippon.net/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97%E3%83%BB%E9%9B%91%E7%AF%80/27.html

「無花果田楽(いちじくでんがく)」は、愛知県の郷土料理!

作り方
1.いちじくを半分に切り、底の部分が平らになるように少し切ります
2.鍋に田楽味噌の材料を入れ、弱火で練り上げます
3.いちじくに田楽味噌をぬり、けしの実、木の芽をのせます
4.オーブンの中に3.をいれ250℃で5-7分ほど焼きます

出典:http://www.ja-aichi.or.jp/engei/recipe/03_/000229.html

長野の高原や二見興玉神社では、イベントや伝統的な夏至祭も行われる!

長野県須坂市峰の原高原でも、
「峰の原高原 夏至祭」としてオープンペンションや
ジャズコンサートなどのイベントが開催されます。

そして、忘れてはいけないのが、
日本の伝統行事である「二見興玉神社」の夏至祭です。

出典:http://ii-nippon.net/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97%E3%83%BB%E9%9B%91%E7%AF%80/27.html

北欧を中心に、夏至祭を盛大に行う国もある!

夏至祭はフィンランドの重要な国民の祝日です。1年で一番日の長い夏至をお祝いする週末は、都市部を離れ、サマーコテージで、パーティーをしたり、のんびりしながら、友達や家族と過ごすのが一般的です。

出典:http://www.visitfinland.com/ja/kiji/midsummer-sizukanisugosu-soretomo-oosawagi/

夏の到来を祝う夏至祭。スウェーデンでは6月19日から26日の間の土曜日が夏至祭(祝日)となります。 一年で日が一番長い夏至。日照時間が短いスウェーデンでは、夏至祭を盛大に行います。夏の訪れを待ちわびていた人々にとって、大切な伝統行事です。

出典:http://www.electrolux.co.jp/inspiration/features/quick-trends1/sweden/13/

「夏至」を風物詩として楽しむ人も……

夏至は現代ではニュース番組や天気予報、季節のお手紙などでしか目にしないものとなっていますが、季節の流れを感じるには非常に趣のある言葉です。

実際、夏至が近付くと「そろそろ夏が来るんだなあ」「感慨深い」という風に、しんみりする人も多いよう。
たまにはふと立ち止まって、風の涼やかさやしっとりと濡れる空気に触れてみてはいかがでしょうか?

夏至の訪れで、季節の変化を感じよう!

いかがでしょうか?夏至はただ名付けられただけの日ではなく、季節の訪れを教えてくれる風流なものなのですね。
この機会に他の二十四節気についても学び、時節の変化やそれぞれの特徴を知ってみると面白いのではないでしょうか。

星の巡りや月の満ち欠けなどに疎くても、「そろそろ夏至ですね」「ずいぶん陽が長くなりましたね」といった風に話題を振れば、上司や目上の方から「若いのにちゃんと知っているんだな」と感心されるかも?