【第十三話】～世の中はすっかり禁煙の時代でござる！の巻～

ほんの20～30年前まで、間違いなくタバコは「かっこいい男のダンディズム」につながるモノでござった。オトナに憧れる少年が見よう見まねで吸い始めて、はじめは見るからに慣れない手つきで吸ってゲホゲホしていたのが、だんだんとかっこいい吸い方をマスターしていく。そのプロセス自体がまさに「大人の階段を上る道」だった時代があり申した。しかし、やはり時代は変わるものでござるねえ。健康意識とやらの高まりがまずあって、政府も国民の命を守るためにタバコの税金をどんどんかけていって、そんなものにお金をかけたくないという人々の経済事情も加わって、タバコの肩身はどんどん狭くなってきているでござる。そして、当然のように「禁煙の日」も制定される事に相成った。毎月22日。数字の2が白鳥のスワンに形が似ていることから「スワンスワン（吸わん吸わん）」で禁煙だ、という由来らしい。20を超える健康・医学系の学会が集まった「禁煙推進学術ネットワーク」という団体が2010年から記念日として定めたとのこと。拙者もタバコは吸わんので、禁煙運動はまったく苦にならぬ。禁煙の日バンザイ、などとも申さぬがその主旨には賛同する。ただ、文化として「喫煙する男」というものがあったことは覚えておきたいと思っておる。ルパン三世や次元大介やONE PIECEのサンジの喫煙シーンが、某米国版のアニメで（未成年者も観るものだという理由で）抹消されたりしているという話を聞くのは、ちと哀しいのでござる。