美侍

デューデリってどんな時に行うの?意味と使い方を教えて!

上司や先輩、取引先の口からたまに聞こえる「デューデリ」という言葉。自分の仕事には直接関係なさそうだけど、分からないままにしておくのは気持ち悪い!またはいずれ関係してくるかもしれないものの、自分の勉強不足がバレると恥ずかしいから聞けない……そんなあなたのお悩みを解消します!言葉の意味や使い方などを詳しく知って、上司から話を振られた時や、それに関わる仕事が回ってきた時に備えましょう。

「デューデリ」ってどんな意味の言葉?

デューデリとは「デューデリジェンス」の略で、企業が他の会社を買収したり、投資を目的として不動産を購入したりする時に、どの程度利益が上がるのかを、弁護士さんや会計士さんに査定してもらうことを言います。
更に省略して「DD」と呼ばれることもあるようです。

不動産投資やM&Aの際に、企業の資産価値を適正に評価する手続き。企業の収益性やリスクなどを総合的かつ詳細に調査してその価値を査定する。

出典:https://kotobank.jp/word/%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9-6430

法務、財務、ビジネス、人事、環境といったさまざまな観点から調査する。不動産に対しては、土地建物の状況を把握する不動産状況調査、権利関係を把握する法的調査に加えてマーケティングを把握する経済調査を行い、対象敷地の鑑定評価の前提条件とする。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9

元々は、法律用語として、企業が証券を発行する際に、開示している情報が金融商品取引法の基準に適合しているかについて、投資家保護の観点から開示情報を精査することを指して使われたのが語源だそうです。

出典:http://www.ifinance.ne.jp/glossary/business/bus034.html

今日では、企業や事業、物件(主に投資用不動産)などを買収する際に、買収対象の価値やリスクを査定する作業の時に使われることが多いです。

出典:http://www.ifinance.ne.jp/glossary/business/bus034.html

大きく分けて、「ビジネス・デューデリ」、「ファイナンシャル・デューデリ」、「リーガル・デューデリ」の3つがあり、公認会計士や弁護士、弁理士、不動産鑑定士などの専門家が参加することにより、網羅的かつ正確に実施されます。

出典:http://www.ifinance.ne.jp/glossary/business/bus034.html

つまり、ざっくりいくと…

デューデリとは、会社の資産を算定すること。

ビジネス以外でも、言葉自体は結構幅広く使われている!

ネットの海をさまよってみると「デューデリ」あるいは「デューデリジェンス」という言葉が、意外と広い意味で使われていることが分かりました。
基本的には「リスクを考慮する」「自分にとって価値のあるものかどうか判断する」というような感じで解釈されているようです。

特に恋愛コラムやTwitterなどで、異性を吟味することを「デューデリ」と例えられているのが多く見受けられました。
上記のようにビジネス上で考えると非常に難しい言葉のように思えますが、皆さん思い思いの受け取り方で柔軟に使用しているのですね。

コンサルティングファームの人々(これまた社内で結婚することが頻繁にある)だが、彼ら・彼女らは社内恋愛に熱心である。プロジェクトで密な時間を長時間過ごすため、お互いのことがよくわかり、仕事能力、人間的魅力を含め深い"デューデリジェンス"ができる。

出典:http://toyokeizai.net/articles/-/12870?page=3

企業の資産を算定する事をデューデリジェンスと言うんだけど、それは結婚相手にも言えるよね。


女性からすると男デューデリ。
男性からすると女デューデリ。

出典:http://makotoway.hateblo.jp/entry/20080827/p1

ビジネス・デューデリジェンスとは?

さて、デューデリとは簡単に言えば「買収や不動産購入の際、相手がどのくらい価値があるのか見定めること」でしたね。
大きく分けて「ビジネス・デューデリ」と「ファイナンシャル・デューデリ」そして「リーガル・デューデリ」があるということでしたが、それぞれ一体何をするのでしょうか?

まずはビジネス・デューデリから、具体的に見てみましょう!

ビジネスDDとは、M&A対象会社の製造や営業などのビジネスモデルの把握、事業性の評価及びシナジー効果分析・事業統合に関するリスク評価等を行うもの。

出典:http://www.nihon-ma.co.jp/glossary/037BusinessDD.html

買い手企業自身が行うことが多いが、大型の投資にもなると外部の経営コンサルティングに依頼することもある。

出典:http://www.nihon-ma.co.jp/glossary/037BusinessDD.html

 買収対象会社の規模に応じて、プロジェクトリーダーとメンバーを決めます。業種特性や会社規模などに応じて、調査すべき事業領域を絞り込み、調査のレベルを決定します。

出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/653.html

事業構造や内部統制の状況を把握します。また、対象会社の「現状の利益の源泉」、「問題点」などを抽出します。

出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/653.html

Ⅰ.マクロ環境面では、政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因などのうち買収対象会社に重要な影響がある要因
Ⅱ.市場・業界動向面では、市場成長率、トレンド、市場規模、業界動向など
Ⅲ.顧客面では、現状の取引先の経営戦略・業績、販売先・最終ユーザーのニーズなど
Ⅳ.競合面では、競合会社の経営戦略、マーケティング戦略、市場シェア、ベンチマーク会社との相違点など

出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/653.html

 調査結果は、買収後に「経営資源の統合で強みをさらに強化できるのか、弱みを克服できるのか、ビジネスチャンスがあるのか、ビジネスリスクはどの程度あるのか」、「販売・開発・生産・管理シナジーなどはあるのか」、「買収後に企業価値は向上するのか」などの視点で分析します。

出典:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/653.html

このように、一般的には①プロジェクトリーダーとメンバーを決め、②事業の構造や問題点等を把握、③市場成長率や現在の業績や取引先、競合との差異などを算出して、最終的に④調査結果を分析する、という流れで行われるようです。

つまり、これまでその企業がきちんと組織を形成し、どのような戦略の下で運営されていたか、買収した後にどのような改善が必要かなどを割り出すのですね。

ファイナンシャル・デューデリジェンスとは?

次に、ファイナンシャル・デューデリジェンスです。
「ファイナンシャル」という言葉は「ファイナンシャル・プランナー」や「ファイナンシャル・グループ」などに使われていますが、意味としては「金融に関係する」となります。

つまり、財務状況や会計上の利益やリスクの算出を行うということですね。
このファイナンシャルデューデリジェンスは投資するかどうかの決定に重要な役目を果たすため、会計士やファイナンシャルアドバイザーなど専門家の手を借りて徹底的に行われます。

ファイナンシャルデューデリジェンス
企業の財務諸表および過去の財務諸表(バランスシート・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の精査ならびに、オフバランス資産(簿外資産)の調査。

出典:http://www.finance-dictionay.com/2008/05/post_337.html

投資対象の価値とリスクを財務の観点から詳細に調査する作業を指す。具体的には、公認会計士を含むチームにより、直近の財務諸表や過去の財務諸表の分析・調査、資金繰りの実態や含み損などの簿外負債の調査といった作業を行い、収益性や資産の実在性、夫妻の実態や資金力について網羅的に把握していく。

出典:http://www.it-movin.co.jp/view/yougo/yougo.php?id=133

調査結果は、投資から得られる想定メリット、リターン算出上の根拠となり、投資の可否や投資金額・規模・時期などの判断材料にもなる。

出典:http://www.it-movin.co.jp/view/yougo/yougo.php?id=133

リーガル・デューデリジェンスとは?

最後に「リーガル・デューデリジェンス」についてです。
「リーガル」というのは「法律」という意味ですが、最近ではドラマのタイトルとしても使用されたことがあるので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

法律に関する利益を調べる……?と首を捻ってしまいそうになりますが、これは何をするのかというと、主に「今その企業がどのような契約を行っているのか」の確認を行います。

リーガルデューデリジェンス
登記事項の確認、現在当該企業が締結している重要な契約および履行状態の確認、係争事件などの有無の調査。

出典:http://www.finance-dictionay.com/2008/05/post_337.html

買収対象企業に法的リスクがあるかどうか、また、買収企業のM&A戦略の実行上、阻害要因がないかどうか、補完しなければならない法的問題点がないかどうか等を調査するため、取引の前提となる契約関係などの法律上の有効性を評価すること。

出典:https://kotobank.jp/word/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9-1465553

例えば、買収した会社の評判までも下げてしまうような違法行為が行われた場合、被害は甚大となるので、中小型のM&Aでも法務デューデリジェンスを行ったほうが良いといわれている。

出典:https://kotobank.jp/word/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9-1465553

例えば、取引条件の中で、「事業主体が変更になった場合は、契約をいったん白紙に戻すことができる」などの条項が入っていたとしましょう。その取引先が重要な先であれば、大きなリスク要因としてあげておかなければなりません。その利益も見込んで買った後で、その取引先から契約破棄の通知がきてからでは遅すぎます。

出典:http://funai-duedili.com/about/

このリーガル・デューデリジェンスは、主に弁護士さんに依頼して行われます。

費用を削減するため、中小企業の場合は省かれがちだそうですが、上記のように取引先との書類に「経営者が変わったら契約は無効ですよ」といった記載が見つかった場合、あるいは「実はまだ払っていない買掛金が大量にあった」なんてことが分かった場合には大きな損失になりますから、きちんとやっておいた方が安心です。

自分の仕事に関係なくても、知っておくと安心!

いかがでしょうか?基本的には不動産投資やM&A(買収)の時以外ではあまり使われない言葉ですし、あったとしてもほぼ専門家の手を借りることになるので、「じゃあ別に覚えなくていいや」と思われた方もいるかもしれません。

しかし、自分には関係ないと考えていても、いつその機会が巡ってくるかは分かりませんし、いざという時に「一体何をやっているんだろう……?」とあたふたしたくはないですよね。
また、ゆくゆくは起業や独立を考えている方なら、尚更いつかは突き当たる身近な問題です。

リスク管理を徹底しなければならないという姿勢をもつことは他の業務を行う際にも役に立つかもしれませんので、言葉の意味と大まかな流れをしっかりと覚えておきましょう。