美侍

「ROE」を理解して差をつけろ!デキる男のビジネス用語

趣味で株をやってみようかな、と思っている方や、将来は投資家を目指したい!と思っている方にとって必要不可欠な知識が「ROE」というもの。しかし、アルファベットを並べられても今一つ意味が分かりませんよね。実はこれは、その企業が1年間にどれだけの利益を上げたのかということを知るためのものなのです。計算式や、合わせて覚えておきたい関連用語なども含め、詳しく見ていきましょう!

ROE(アールオーイー)とは?

まず、ROE(アールオーイー)とは一体何なのかについて見ていきましょう。
ROEは、日本語にすると「自己資本利益率」という言葉になります。

Return On Equityの略語で、自己資本利益率と訳します。企業が株主から託された自己資本(株主資本)を使い、どれだけ効率よく利益を稼いだかを示します。

出典:http://www.nikkei.com/money/features/32.aspx?g=DGXMZO8453801018032015000000

自己資本というのは返す必要のない、つまり借金にはならない企業の純粋な資産のことですね。
自己資本が収益にどれほど繋がったのか、というのが、ROEという言葉で表されます。

ROE(自己資本利益率)とは、企業が1年間にどれだけの利益を上げたのかということを知るためのもの

ROE(自己資本利益率)とは、自己資本を「元手」として、1年間でどれだけの利益をあげたか、収益性を測る指標の一つです。収益性を測る指標は他にもありますが、ROEの特徴は「株主」にとっての収益性を測る点にあります。

出典:http://www.03trade.com/mailmaga/iroha/iroha_130426_01.html

「自己資本」という文字を見てしまうと、つい、自己資本=製品やサービスの売上と考えてしまいがちですが、そうではありません。
自己資本は「株主から出資してもらったお金」のことを言います。
企業は株主に出資してもらったお金を返済しない代わりに、配当や株主優待などの利益を与え、立場を対等にしているのです。

ROEの計算式

ROE(株主資本利益率)=1株あたりの利益(EPS)÷1株あたりの株主資本(BPS)
1株あたりの利益(EPS)=当期純利益÷発行済み株式数
1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本※÷発行済み株式数

出典:http://kabukiso.com/apply/useinfo/roe.html

何だか難しいですが、例えば「純利益が5億円、自己資本が100億円」なら5÷100でROEは5%になります。
「純利益が10億円、自己資本が250億円」の企業と比べると、自己資本は後者の方が多いですが、ROEは4%と低くなりますので、前者の企業の方が自己資本をうまく使いこなせているということになるのですね。

ROEが分かると何の役に立つの?

何となく分かったけど、ROEが分かると一体何の役に立つの?と思う方もいるかもしれません。
ROEの数字からは、企業が「株主から集めた資金をどのように運用し、利益に繋げたか」ということが分かります。

つまり、株主となる人にとっては、その数値が高ければ高いほど「自分たちが投資したお金をしっかり活用してくれる」と判断できるのですね。
そういった企業は配当や株主優待などのメリットも期待できますから、ここの株を買おう!という指標にもなるのです。

ROEの数値から経営力が判断できる

ROEが高いほど株主資本を効率よく使い、利益を上げて能力の高い経営がなされていることがわかります。逆に、ROEがあまりにも低い企業は、資金をうまく使えていないわけですから、経営が下手ということで、会社の存在価値が疑われてしまいます。

出典:http://kabukiso.com/apply/useinfo/roe.html

ROEが一定で、配当性向が一定なら、利益が出る確率が高いに決まっているのだから(笑)。もちろん、株価は下がることもあるでしょうけど、下がり方は弱いだろうし、またきっと上がります。

出典:http://jp.wsj.com/sp/ad/valuecreate/ey/p04.html

ROEが重視される理由は、稼ぐ力と利益還元力が分かる指標だから

あらゆる指標の中で、ROEがもっとも大事だというのは、稼ぐ力=経営力と、利益還元=株主配分の両方の要素が盛り込まれた指標だからです。

出典:http://www.nikkei.com/money/features/32.aspx?g=DGXMZO8453801018032015000000

REOを維持するには、株主還元や利益を増やす必要がある

 ROE維持には株主還元を積極的にやるか、利益を増やさなければならないことがわかります。利益を増やす点で企業の収益力をみる目安になりますし、株主配分などのリターンを占う意味で、投資家にとっても利益配分余力をみる物差しになります。

出典:http://www.nikkei.com/money/features/32.aspx?g=DGXMZO8453801018032015000000

元々の自己資本が100億円の企業が、5億円の利益を貯め込むと自己資本は105億円になりますよね。
しかし、翌年も同じ利益しか出なければ計算式の分母だけが増えてしまいますから、ROEは下がります。

そのため、ROEが長年維持されている企業は「利益が毎年上がっている」か「株主に毎年配当を行うなどしている」と判断することができるので、株主にとって安心感があるのですね。

ROE「だけ」を重視するのもNG!

ROEは単純に企業の利益率や今後の成長などを見る指標にもなりますから、株式投資だけでなく就職や転職の際にも参考にできます。
しかし、ROEが高いからきっとこれからも安心な企業だ!ROEが高い!投資しよう!と安易に決めてしまうと、後々思わぬ落とし穴が生じる恐れもあるのです。

一体なぜなのでしょうか?見てみましょう。

ただ自己資本の比率を下げ、借入金を増やして利益を上げることでROEを高くすることもできる、という指摘のほか、ROEが低くても魅力的な株もある、PERとPBRも見るべき、なんて声もありますね。

ちなみにCFというのは「キャッシュフロー」の略で、企業におけるお金の流れを表します。
しかし、ROEと共に確認すべき「PER」と「PBR」とは一体何なのでしょうか?

ROEと一緒にチェックする①:「PER」ってなに?

まず1つ目、PERという言葉を見てみましょう。
PERは略称で、正しくは「Price Earnings Ratio」と言い、日本語にすると「株価収益率」となるようです。

株価は分かりますが、その収益率とはどういうことなのでしょうか?気になりますね。

 PERとは、企業の収益力と株価を比較することによって、株価がどの程度の水準にあるのかが分かる指標です。
簡単に言えば、会社の出す利益に対して、今の株価が安いのか高いのかを判断するわけです。

出典:http://kabukai.web.fc2.com/chapter05/perpbrroe6.html

また、同業他社と比較することで、割高なのか割安なのかを判断するときにも便利な指標です。
「PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で求めることができます。

出典:http://kabukai.web.fc2.com/chapter05/perpbrroe6.html

 EPSとは、企業が1年間に1株当たりいくらの利益を出したのかを表したものです。
株主から集めた資金で、企業がどれだけの利益を上げたのかという収益力を知ることができるのです。
「EPS = 当期純利益 ÷ 普通株式の期中平均発行済株式数」で求められます。

出典:http://kabukai.web.fc2.com/chapter05/perpbrroe6.html

例えば、株価が500円で、一株当たり利益が50円ならば、PERは10倍である。

出典:https://www.nomura.co.jp/terms/english/p/per.html

単純にPER30倍よりもPER20倍の方が、PER20倍よりもPER10倍の方がお買い得というわけです。特に、PER10倍~15倍まではお買い得銘柄といえるかもしれません。

出典:http://kabusyo.com/sihyo/sihyo2.html

なるほど~。
PERとは、一株につきどのくらい利益が出るか?を図る指標のことで、○倍という数値で表されるのですね。

洋服でも食べ物でも、値段が安くて気に入るものがあれば「いい買い物したな~」と感じますよね。
PERは、数字が低ければ低いほど「値段よりも価値が高い株」ということであり、お買い得感が上がるということのようです。

ROEと一緒にチェックする②:「PBR」ってなに?

では、もう一つの指標となる「PBR」について見てみましょう。
PBRは「Price Book-Value Ratio」の略で、日本語にすると「株価純資産倍率」と訳されます。

純資産、は何となく分かりますが、その倍率となるとどういうことなのでしょうか?

1株当たりの純資産(注)に対し、株価が何倍まで買われているかを表したのが株価純資産倍率(Price Book-Value Ratio)です。

出典:http://www.jsda.or.jp/manabu/qa/qa_stock33.html

「株価」 ÷ 「BPS(1株あたりの純資産)」 = 「PBR(純資産倍率)」

出典:http://kabusyo.com/sihyo/sihyo3.html

PBRが1ということは、株価と1株当たりの純資産が等しいということです。このとき、この会社の株式を買うと、1株に対する投資金額と1株当たりの解散価値が一致しています。もし会社が解散すれば、投資金額はそのまま戻ってくる理屈です。

出典:http://www.jsda.or.jp/manabu/qa/qa_stock33.html

一般的には PBRが1倍に近づくほど底値 だと判断が出来ます。

これは企業の解散価値に株価が近づいているためです。

出典:http://kabusyo.com/sihyo/sihyo3.html

PBRの倍率が低ければ低い程「割安の目安」になります。

ただし、余りにもPBRの数値が低いときには「倒産」の危険性もあるので、その企業の業績等を調べるようにしましょう。

出典:http://kabusyo.com/sihyo/sihyo3.html

企業は株主に返済の義務はありませんが、万が一倒産し、借金を返し終えても財産が残った場合は、株主に請求されたらそのお金を配当しなければなりません。
PBRは、そんな時「どの程度投資したお金が返ってくるか」という指標になります。

例えば、純資産が100億円で、発行済みの株式数が5000万株、という場合には、1株あたりの純資産は200円になりますね。
その時の株価が仮に500円であったとすれば、PBRは2.5という風に割り出せます。

PBRが1倍よりも高い企業は、倒産後投資した金額より低いお金しか返ってこない恐れがありますので、PBRは低ければ低い方が割安、となるようです。

知れば知るほど面白い!ROEを活かして投資を行おう

いかがでしょうか?
ROEは企業の業績や今後の成長を図るために重要なものですが、それだけでは判断できないところもあるのですね。
1つの単語を知れば、合わせて勉強しておいた方が良いものもでてきますから、次から次に用語の意味を追っていけば、いつの間にか株について詳しくなっているかもしれません。

企業がどの程度利益を上げているのか、株主にどれ程還元しているのかというのは、株主にとっても会社に在籍している側にとっても関係が深いことです。
積極的に勉強し、仕事や趣味、転職などにぜひ活かしてみてはいかがでしょうか?