美侍

今すぐ活かす社会人マナー!敬語での「脱・させていただきます」のススメ

「させていただきます」って便利ですよね。繊細で社会人としてのマナーを気にする男子ほど、よく使うという人も多いのかもしれません。はじめて会う目上の人などが相手だととくに、緊張して使いすぎてしまうこともありませんか?ただ、「させていただきます」の連発には違和感を感じる人が少なからずいるというのも事実。使い過ぎると〈「こう言っときゃいい」と思っている人〉つまり〈あんまり信用できない社会人〉として認識されかねません。これからは、きちんとした語尾のバリエーションを知っておくとかなり得します。今回〈脱・させていただきます〉として紹介するパターンは、応用の幅も広く安心。とにかく使ってマナーとして覚えてください!

社会人のマナーとして「させていただきます」はダメ?

「させていただきます」の使用がどうも気になるという人は多いようです。
「させていただきます症候群」「させていただきます病」ともいわれ、世論調査でもその言い方がマナーとして気になるという意見が浮きぼりになったことも。

「させていただきます」は、明治の文学作品にも確認される言葉です。しかし、現在、この「させていただきます」については、批判的な意見もあります。紋切型だ、慇懃無礼だ、卑屈だ、許可した覚えはない、などです。さらに、使いすぎる人を「させていただきます症候群」と呼ぶ人もいます。

出典:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/201117.html

最近多いのが、「させていただく」を多用する“させていただく病”。
長文で「させていただく」が続くと非常に聞きづらく、まわりくどい印象に…。
すっきりまとめた方がスマートです。

出典:http://www.jimcom.co.jp/manner/greeting/000096.html

たしかに、へりくだった表現をしたいときに「させていただきます」はあまりに便利な言葉。
これもへりくだらなければ、あれもへりくだらなければ…という感じでどんどん使うと、ちょっとへりくだりすぎな気がするときもありますよね。
社会人のマナーとして「ダメ!」ということはないのですが、もうちょっと自分の言葉で話してもいいのかもしれません。
あなたの気遣いや真面目さを活かすような、敬語のバリエーションを身に付けて使い分けられるようにしましょう。今回は〈脱・させていただきます〉として、今すぐ使える敬語をご紹介します。とにかく使って覚えよう!

「させていただきます」の奥にある気持ち

社会人が学生と違うのは、「自分から進んで社会のためになる仕事をする、できる」というところかもしれません。
「させていただきます」とは「自分がします」という意味ですよね。つまり、主体的な行動力のあらわれであり、「僕がそれやります!」というとても優秀な姿勢なのです。
その姿勢と、敬語をきちんと使わなければ、謙譲語にしなければ、という気遣いの姿勢が合わさって、ひんぱんに使われるようになったのかもしれません。
相手を立てながら、自分が負担を負うという勇気。それが「させていただきます」の奥にあるのです。

社会人のマナーの真髄は?

相手を敬いつつ積極的に行動するという気持ち。考えてみると、もしかしたらそれは社会人のマナーの真髄かもしれません。
この真髄をおさえつつ、活かす敬語の使い方をみてみましょう。

超便利な謙譲語「いたします」

まず覚えたいスマートかつ応用範囲の広い敬語。
「僕がやらさせていただきます」などは明らかに変ですよね。何をやるのかできるだけ具体的な言葉に置き換えて、語尾を「いたします」にするだけで充分です。

お書きいたします
お入れいたします
お取りいたします
お待ちいたします

出典:http://user.keio.ac.jp/~matsuoka/keigo.htm

地味だけど誠実な印象「存じます」

「拝見させていただきます」「お送りさせていただきたいのですが」「ご連絡させていただきます」…。
「これからこうします」「こう思います」ということが、ついついもってまわった言い方になってしまうこともあります。
なんか敬語が被っている感じがする、マナーに反した慇懃無礼な感じがする…。予定や自分が思うことを相手に伝えるときに便利なのが「存じます」。
次回の約束を交わすことが多いビジネスの現場。だからこそ、あなたの思いの誠実さがちゃんと伝わることが大切です。
「存じます」は相手にお願いする場合や、自分が知っていることをアピールする際にも使えます。
これを上手に使うことができれば、あなたの誠実な姿勢はもっとしっかり相手に伝わるはず!

今後このような過ちを起こさないよう細心の注意を払っていく所存です。
お手隙の時のでも、ご一読頂けると幸いに存じます。
お手すきの折にでも、ご覧いただければと存じます。
つきましては、○○を開催する前に皆様のご都合をお聞かせいただきたく存じます。
つましては、下記の要領で講習会を進めたいと存じます。ご多用中のところ誠に恐縮ですが、ご出席賜りますようお願い申し上げます。
このたび弊社では、下記の通り発表会を催すこととなりました。日頃よりお世話になっております皆様にご高覧いただければ幸いに存じます。
ご慰労をかねて、忘年会に招待したく存じます。
ご慰労をかねて、下記の通り忘年会を開催したいと存じます。
平素のご厚誼を謝しつつ、ご慰労をかねて下記の通り忘年会を催したいと存じます。
日頃のご厚誼へのお礼とご慰労を兼ねて、下記の通り忘年会を開催いたいと存じます。
かねてより○○に御寄稿いただいたいと存じておりました。
さっそく病院に参上いたす所存です。
お名前は、かねてより存じ上げております。

出典:http://mc2.civillink.net/bizkeigo/zonsuru.html

それでも「させていただきます」を使うときに気をつけたいこと

「させていただきます」自体は敬語としてOK。この敬語じゃないと決まらない場合ももちろんあります。
「させていただきます」が問題になるのは、言葉の無理な応用によって「さ入れ言葉」が発生しやすいこと。
「させていただきます」を使うときはどうしても言葉を重ねがちです。できるだけシンプルな言葉遣いをこころがけましょう。

典型的な「さ入れ言葉」ですね。
丁寧にしようと、余計な言葉「さ」を入れてしまっています。

「~いただく」だけで敬語表現になるので、
「休ませていただきます」で十分です。

ちなみに、「休まさせていただきます」を
「気になる」とした人は54.5%。
半分以上の人が気になっているので、気をつけましょう。

出典:http://www.aslan-bun.com/2014/11/10/%E6%98%8E%E6%97%A5%E3%81%AF%E4%BC%91%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99-%E6%98%8E%E6%97%A5%E3%81%AF%E4%BC%91%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99-%E6%AD%A3%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89/

社会人のマナーも、気持ちが大切!

敬語って大人でも使いこなせている人はあまりいないのかもしれません。大切なのはやっぱり気持ち。
相手といい関係を築き、いい仕事をしようというこころがけがあれば、あとはシンプルな言葉のアレンジマナーで充分です。
肩の力を抜いて、がんばってください!