美侍

雪道の命綱!「タイヤチェーン」の付け方を知っておく!

最近のスタッドレスタイヤは非常に高性能で有能です。しかし、冬期間中いつも車に装着している人ばかりではないと思います。とくに降雪があまりない都市部の人はそういうこともありますよね。タイヤチェーンは古典的な雪道対策と思われがちですが、スタッドレスタイヤを履いていない車でも、わずかな荷物と手間で雪道でも安全なドライブを保証してくれます。急な降雪でも焦らないように、タイヤチェーンの付け方や注意点について改めて知っておきましょう。

タイヤチェーンの素材と特徴

出典:http://yokoden23.com/20121204_tire/

雪が降る地域の皆さんにとって、冬のスタッドレスタイヤは必需品といっても過言ではありません。
しかし、普段雪が降らない地域の方にとってはどうでしょうか?
近年では記録的な寒波が突然押し寄せてきた影響で、雪を見ることが少ない地域でも急に降雪するというニュースを目にします。
そんなときに私たちを助けてくれるのがチェーンなのです。
いくらスタッドレスタイヤが優れているといっても、雪が降ってからカーショップに買いに行ったり、その日に車をジャッキアップして装着するというわけにもいかないですからね。
チェーンであれば収納スペースも小さいですし、タイヤ交換に比べてずっと手軽に装着出来ます。
以上の点を考慮すると、タイヤチェーンは急な降雪に対する命綱としての側面を持ち合わせているのです。

一方、あまり雪が降らない地域でスタッドレスタイヤを装着していると雨の場合に走行性能が落ちるので、普段はノーマルタイヤで対応し、雪が積もった場合にチェーンで対応すると効率的かも知れません。

出典:http://www.car-hokengd.com/koutuu-unten/studless-chain/

最近は、「雨の場合にも走行性能が落ちない」高機能なスタッドレスタイヤも開発されて、冬の間はずっと履きっぱなし、ということもできるようにはなっています。
が、毎年のように雪が降るわけではない地域の方にとって、スタッドレスタイヤを購入するのはやはり躊躇される方もいらっしゃいますよね。
チェーンはタイヤに比べて安価で購入可能ですから、経済的に見ても雪道への対策として最適です。

タイヤ・チェーンのメリットは、なんと言っても安いところでしょう。
いくらスタッドレスが便利で快適でも少々高くつくことは否めません。
安く安全を買うには、タイヤ・チェーンしかないのが現状です。
中でも、昔ながらの金属チェーンは、とにかく安いので、急に寒くなってチェーンが必要になったと言う場合でも、すぐに購入できるでしょう。
こういう強みはあると思います。

出典:http://www.coara.or.jp/~ichiroh/tiar.html

タイヤチェーンにはいくつかの種類があります。
自分のライフスタイルや車の収納スペースを考えたうえで、自分に合ったチェーンを選択しましょう。

金属チェーン

出典:http://takakou.at.webry.info/201402/article_16.html

タイヤチェーンの中で最もポピュラーなものといえば、金属製のチェーンです。
金属チェーンの大きなメリットは、コストパフォーマンスの高さです。
価格が比較的安く、耐久性や走行性能も高いので多くのドライバーから好まれています。
装着する工程が多少面倒ですが、慣れてしまえば問題ありません。
ただし、走行中の振動と騒音が大きいのがデメリットです。

タイヤチェーンの種類と、それぞれのメリット・デメリットについて記された解説ページです。

金属チェーン「はしご型」

メリット

雪道に強く深雪には最適で価格も安く慣れると簡単に装着できる。

デメリット

切れる可能性があり雪が無い道路では更に切れやすく音や振動が大きく横方向の動きに弱い。

錆びるので使用後のメンテが必要。

走行速度は時速30㎞から40㎞位。

価格

タイヤサイズにもよるが5000円位~。

出典:http://takaganboy.com/3197.html

金属製のタイヤチェーンには梯子型と亀甲型の2種類があり、後者のほうが値段は高めですが、前者の弱点である横方向への耐性も高くなっているのが特徴です。

金属チェーン「亀甲型」

メリット

はしご型より装着が簡単で多少、乗り心地がまし、横方向にも強い。

デメリット

切れる可能性もあり雪が無い道路での騒音や振動が大きい。

錆びるので使用後のメンテが必要。

走行速度は時速30㎞から40㎞位。

価格
タイヤサイズにもよるが10000円前後~

出典:http://takaganboy.com/3197.html

ゴム製チェーン

出典:https://jp.pinterest.com/pin/108367934759700900/

最近注目を浴びているのが、金属ではなくゴムを素材としたチェーンです。
金属製チェーンに比べて装着の手間がかからないので、幅広い世代の方から使われ始めています。
耐久性についても、緊急避難用として常備しておく分には十分すぎるほどです。
チェーンとはいえゴムなので、走行中の音が静かなのも魅力的です。
ただし、値段は金属製のチェーンよりも高めという点を留意しておきましょう。

ゴム製にはゴム製の利点があります。

まず、
ゴム製は非常に丈夫です。

乾燥路で走っても
すぐに痛むようなことはありません。

また、
ゴム製のものは取付が簡単なものも多くなっていますので、
あまりチェーンを使ったことがない人にとっては
大きなメリットだと思います。

出典:http://www.noratextile.com/archives/3671

布製チェーン

出典:http://photo.site-j.net/tubuyaki/vol284.html

近年新たに登場したチェーンが、布製のチェーンです。
こちらはチェーンというよりもタイヤカバーといったほうがイメージしやすいかもしれません。
最も注目していただきたいのが、ゴム製チェーンよりもさらに簡単に装着出来るという点です。
布製ですから、収納スペースも取りません。

装着には特に力も要りませんので、女性ドライバーでも簡単に作業できるでしょうし、一度要領をつかめば、次からはさらに簡単に脱着が可能です。

出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/193075/

気を付けていただきたいのは、乾燥した路面での走行には不適という点です。
舗装路へと切り替わったらすぐに外さないとダメになってしまうので扱いに注意しましょう。

注意書きにある、舗装路を走るな、というのも気を使います。舗装路面では布を著しく傷つけて寿命が短くなるのがその理由とされていますが、いつまた凍結路、圧雪路が現れるか分りませんので、どうしても有る程度は舗装路を走らざるを得ません。取り外しが簡単ならそれでも頻繁に付け外しを繰り返す事をお勧めするのですが..

出典:http://photo.site-j.net/tubuyaki/vol284.html

また、チェーン規制している道路では、布製チェーンでの走行が許可されないこともあります。
手軽さという面では非常に優れていますから、使いどころを選べば大活躍してくれるのが布製チェーンです。

メリットは軽量コンパクトで着脱しやすく駆動力も高いことです。デメリットは規制に対応できない可能性があることと耐久性です。

出典:http://www.jaf.or.jp/qa/ecosafety/careful/25.htm

タイヤチェーンの付け方

出典:http://reviews.f-tools.net/Car-Products/biathlon-chain.html

タイヤチェーンが敬遠されがちな理由として、装着の面倒さが挙げられます。
確かに面倒な作業に思えるかもしれませんが、何度か練習すれば誰でもスムーズに装着出来ます。
また、雪が降っている中で装着する場合には、なるべく素早く行わなければ体が冷えてしまいますから、正しい付け方を確認しつつ練習を積み重ねておきましょう。

金属チェーンの付け方

はじめに、最も基本的な梯子型の金属チェーンの付け方を見ていきます。
動画を見ていただいてもわかるように、チェーンの付け方にはいくつかのポイントがあります。
タイヤに書いてある番号と符合したチェーンを準備したら、地面にチェーンを置きましょう。
最初のポイントは、地面に置くときのチェーンの向きです。
フックが付いている部分を必ず外側に向けましょう。
こうしないと、走行したときにタイヤへ負担をかけてしまうのです。

雪道でもスムーズに装着するための「わかりやすい取り付け方」を図解で教えてくれるページです。

 チェーンをぐちゃぐちゃにしないよう注意して、上右図にようにタイヤにかぶせます。ここで、折り返し金具が外を向いていることを確認してください。内側を向いていますと、タイヤの左右の側面(サイドウォール)を傷め、バーストの原因となることがあります。タイヤのサイドウォールは、あまり丈夫ではありません。
 また、下のほうで、チェーンを左右均等にあまらせてください。

出典:http://www.cnet-sb.ne.jp/ssato/chain.htm

チェーンを置いたら、車両をチェーンの上まで前後させます。
その後は、タイヤにチェーンを巻き付けてフックや金具を留めます。
金具を留めた後は、ホイールに被せるようにバンドを付けて、チェーンを固定しましょう。
慣れてしまえば、1つのタイヤにかける時間が5分程度で済みます。
落ち着いて挑戦してください。

手を伸ばして、タイヤの内側の金具を相手のチェーンに留めます。このとき、チェーンを左右に多少動かす必要があるかもしれません。また、雪があるところでは、タイヤの下を少し掘る必要がある場合もあります。なお、写真の金具は、フックを引っ掛けるだけですが、金具によって留める方法が異なります。必ず添付の説明書で確認してください。

出典:http://www.cnet-sb.ne.jp/ssato/chain.htm

亀甲型の金属チェーンでは、最初にタイヤへチェーンを巻き付けてしまうのではなく、金具で固定してから少しずつ動かします。
カムロックの留め方や最後の固定方法は、チェーンによって異なるので説明書をよく読みながら手順を体で覚えましょう。

ゴム製チェーンの付け方

ゴム製チェーンは金属よりも触って冷たさを感じにくいので冬の屋外でも作業がしやすいのが特徴です。
付け方の基本は金属チェーンと同様で、駆動輪にチェーンを巻き付けてからホイール部分を跨ぐようにフックを掛けていきましょう。

非金属チェーンの付け方について解説してくれている日産自動車のページです。

ゴムバンドで三角形状に仮止めした後、タイヤを回転させ、チェーン連結部分を「カチッ」とワンタッチ操作で接続します。

出典:http://drive.nissan.co.jp/USEFUL/041222/

ゴムバンドでチェーンを固定したとき、ゆがんでいないかどうかチェックしてください。
きれいな円状になっていないということは、どこかに力が偏っていることを示しておりチェーンそのものも十分に固定されていません。
付けるのは比較的簡単ですが、最後のチェックを怠らないようにしてください。

チェーン連結部分を起点として、図のような順番で対角線状にゴムバンドをすべてのフックに掛けていきます。

出典:http://drive.nissan.co.jp/USEFUL/041222/

布製チェーンの付け方

布製チェーンは装着が非常に簡単です。
停止している車のタイヤに被せたのち、タイヤを回転させてカバーが全体にかかるように調節しましょう。
カバーを全体に掛けたら、少し車を走らせてカバーがきちんとタイヤ全体を覆っているか確認してください。
フックなどを引っ掛ける手間もないので、非常に簡単に脱着させられることでしょう。

チェーンを付けているときの注意点

出典:http://osimaya.hatenablog.com/entry/2016/01/19/180943

チェーンの基本は駆動輪

チェーンの種類や付け方を学んだら、いよいよチェーンを購入して練習に臨みましょう。
チェーンを購入する前に、自分の車の駆動方式を確認してください。
チェーンは基本的に駆動輪へ装着します。
FRであれば後輪に、FFであれば前輪にといった具合です。
(いまの通常の乗用車はFRは少なくなって、前輪で駆動するFFが圧倒的に主流ですね)

4WDの車はベースとなる駆動輪に装着すれば十分ですが、新雪など滑りやすい路面状況においては、万全を期するためにすべての車輪に巻いても構いません。

チェーンは、基本的に駆動輪に巻きます。

そのため、FF車(前輪駆動)は前輪に、FR車(後輪駆動)なら後輪に巻きます。


では、4WD車はというと、ベースの駆動輪につければOKです。

なのでFFベースの4WD車なら前輪に、FRベースの4WD車なら後輪に巻けばいいんです。

ただし、新雪が降り積もるような道路状況の場合は、4輪すべてに巻いた方がよいときもあります。

出典:http://car-by-area.com/snowy-road-question/

スペース確保と早めの装着

実際にチェーンを装着するときには、車の周囲に一定のスペースがあることが望ましいといえます。
もちろん、坂道やカーブの付近ではなくなるべく見通しの良い平地で行ってください。
チェーンは雪のついた道路に入ったらなるべく早めに付けましょう。
多少チェーンが傷んだとしても、安全なドライブを確保するほうが、はるかに重要ですから。

雪が多い地方の道路脇には、チェーンが装着できるスペースが用意されています。「まだ大丈夫でしょ」と思わずに、少しでも雪をみかけたらすかさず装着するようにしましょう。装着所がなければできるだけ広い場所を選んで作業を。坂道の途中などは危険なので避けるようにします。

出典:http://www.thr.mlit.go.jp/akita/oyakudachi/wintech/main.html

チェーン装着中はゆっくり走る

チェーンをつけている最中は、スピードを出して運転してはいけません。
金属チェーンであれば30km/h、それ以外のチェーンでは50km/h以上の速度を出してしまうとチェーンに大きな負担がかかります。
雪道を早く抜け出したい気持ちはわかりますが、安全運転を心がけてゆっくりと進みましょう。

スピードの出し過ぎは、チェーンの膨れ上がりによる車体への接触でチェーン切れの原因となります。また、走行中、異常音がしたら要注意。

出典:http://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/road/yukimichikokoroe/pamph06.html

雪がなくなったらすぐに外す

もうこの先は路面に雪が見られない、という見通しがついた時点で、チェーンを外してしまったほうが車やドライバーにかかる負担を軽減出来ます。
チェーンは乾燥した路面を走ることを想定して作られてはいないので、チェーンをつけて通常の路面を運転すると、異なる感覚のせいで思わぬ事故を招いてしまうので注意してください。

チェーンを装着して、積雪または凍結していない道路に出た時は速やかにチェーンを外してください。
(タイヤ、チェーン及び車両を損傷したり、スリップするため)

出典:http://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/driving-winter/02.html

知識と備えが大事故を防ぐ

いざというときの備えとして、チェーンを車に積んでおくことは非常に大切です。
いつでも使えるように練習を重ねておき、急な積雪でも安全な運転を目指しましょう。