- 住まい(279)
新生活を気持ち良く迎えたい方へ!今から始める断捨離入門
モノであふれかえる現代社会…などと別に“社会”を背負わなくても、自分の身の周りに、どうもモノが多すぎるんじゃないか、これ本当にぜんぶ自分に必要なのか、などと思ったことがあったりしませんか?断捨離とは、物を手放し整理することを通して自分を見つめ直すことです。その効果や手順を詳しく見ていきましょう。
断捨離で自分をレベルアップ!
断捨離という言葉が世間で言われるようになってすっかり定着した感があります。
皆さんも一度は耳にしたことがあることでしょう。
そもそも断捨離とは、読んで字のごとく自分にとっていらないものを捨てて、無駄なモノを買わない生き方を目指すことを指します。
モノを捨てるというという作業を通して、自分にとって本当に大切なモノは何かを見つめ直し、新たな自分へと生まれ変わることが出来るのです。
断捨離は「人生をご機嫌にする」ための方法
「断捨離」(だんしゃり)とは、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」をもとに生まれた言葉。
断=入ってくる要らないモノを断つ
捨=家にはびこるガラクタを捨てる
離=モノへの執着から離れ、ゆとりある”自在”の空間にいる私
つまり、「家のガラクタを片づけることで、心のガラクタをも整理して、人生をご機嫌へと入れ替える方法」。
こうした目的があるとはいっても、難しく考える必要はありません。
断捨離とはものを捨てることであるという大まかな意味さえ分かっていれば、誰でも始めることが可能なのです。
私は難しく考えずに、『本当に大切なものだけを残して、いらないものは捨てること。そうすることで大好きなものだけに囲まれること』と考えております。
あなたは「自分の持っているものは何から何まですべて把握しているよ」と自信を持って言えますか?
割引されていたからなんとなく購入してしまった、いつか使うだろうと思って無料サンプルを入手したけれど、結局箱から開けていない。
それ以前に、自分の家のどこに何があるかよくわかっていない。
そういった人の方が多かったりするのではないでしょうか。
こういった不必要なものであふれた部屋は、皆さんのパーソナリティーを曇らせてしまいます。
断捨離を通して無駄なものを手放していくことで、お部屋をきれいにしながら本当の自分と再び出会うことが出来るのです。
「無くなってもまったく困らないモノ」が実はたくさんある!
残念なことに、あれば便利!という言葉に騙されて今まで大金をはたいてきましたが、無くなっても何一つ困らないのです。つまり無駄な消費をしていたのでしょう。(ここは消費により経済をまわした!と考えておきましょう。)
断捨離を行う上で物に対して「何に使うものだ?」「いつ使うのだ?」とたくさん問いかけてください。
だんだんとあなたの持ち物に対する趣向が見えてくるでしょう。ばっちり現状を把握することで次回以降のお買いものも意識が必ずと言って変わります。
整理されたお部屋に暮らしていると、自分が何をしたいか、何を購入すべきなのかといった点が明確になってきます。
判断や決断にかかる時間も自然と短縮され、自分を磨き上げることにつながるのです。
こんなふうに断捨離をしていくうちに、「ただのお片づけ」のはずが、自分の価値観を大きく見つめ直すきっかけになりました。
お部屋だけでなく、時間や人間関係や、自分のセルフイメージや思考といった目では見えないものにまで「シンプルさ」を求めるようになってきました。
新生活を始める前だからこそ断捨離を
断捨離を始めるきっかけとしてよく挙げられるのが引っ越しです。
引っ越すということは、新生活の幕開けを意味します。
引っ越しの際に荷物が多いと自分で運ぶのが大変ですし、業者へ依頼するにしても料金が高くついてしまいます。
なるべく物を減らしたいと考える引っ越しは、断捨離ととても相性が良いのです。
引っ越しというのは、家の荷物を、総ざらいするタイミングでもあります。 たくさんの物に囲まれて、収納スペースもとられて、できれば捨ててしまいたい、断捨離をしたい!と思っている方もいるでしょう。
そういった方には、引っ越しは最高の捨てるタイミングです。
引越しに限らず、生活の節目は断捨離の好機
引っ越しはしなくても、新しい会社へ入社するときや進学といったタイミングは断捨離に打ってつけといえます。
新しい自分に生まれ変わろうという意識を持っているので、自分に不必要なものを選別する力が高まっているからです。
引越しはとても良い機会となりますが、他にも子どもが自立したときや、ご主人が定年退職したとき、そして、家族からモノの多さに不満や皮肉を言われたとき、などなど。
その時にあなたが断捨離を思いついたとしたら、断捨離がきっとあなたに必要だからなのです。「あるモノがそこに在る理由もなく、自分のモノである必要もない」と感じたら、すぐに断捨離をはじめましょう。
断捨離は、思いついたそばからすぐに始められるのが大きな魅力です。
きっかけを得てしまえば、いらないものを選別する作業に特別な道具は必要ありません。
初めて断捨離をする方には、自分にとって身近で小さなスペースからスタートすることをおすすめします。
断捨離を始めるなら、まず「ごく小さなスペース」から
例えば、毎日必ず持ち歩く「鞄」や「お財布」の中身です。
こうしたスペースは、断捨離で重要な「現在の自分」に大きく関係しています。
今の自分に必要なモノを選別しやすいので、断捨離を始める足掛かりとしては最適といえるのです。
断捨離を始めようと一念発起してみたものの、
手始めにどこから手を付けていいのか、悩んでしまうことがあります。
思い切って広いスペースから手を付けてみても、
作業最中に何をどうしたら良いのかわからなくなり、
大概失敗してしまいます。
おすすめなのが、お財布や机の引き出しの中です。
そのぐらい小さなスペースであれば、初めて作業する人でも、
集中して作業をすることができます。
お財布に入っているいらないレシートや滅多に行かないお店のポイントカード等、
いらないモノや普段使わないモノを捨てるだけで、
お財布の断捨離を終わらせることができます。
こうした「小さなところ」での断捨離を成功させると、つぎの断捨離のモチベーションを大きくアップさせることができるのです。
まずは身近な「小スペース」から。
これがまず最初の大きなコツです。
断捨離の手順とコツ
ここからは、断捨離を実際行っていくときの手順や注意点についてご紹介します。
大切なのは、現在の自分にとって本当に必要なモノは何かをしっかり考えることです。
3つのステップに則って、断捨離の極意を見ていきましょう。
断捨離の由来となっているヨガの行法哲学と違って、実際の生活に則した手順として「捨」「断」「離」の順でご紹介します。
1.【捨】……いらないものをとにかく捨てる
断捨離で最も大変なのは、いらないものを選別し手放す過程です。
いらないモノと聞いて最初に思い浮かぶのはゴミですよね。
手始めに、一見して明らかにゴミと思えるようなモノから整理していきましょう。
修理すれば使えるかもしれないけれど、他で代用しているといったモノも処分して構いません。
こんなものは今すぐ断捨離できる~使える7つの捨て基準
「捨てる基準」「捨てるルール」をわかりやすく解説したページです。
また、断捨離においては似たような性質のモノを複数所持しないことを心掛けます。
例えば、コンビニでもらったプラスチックのスプーンや割り箸です。
自分専用の食器があるのであれば、そちらを使えば十分ですから思い切って処分してしまいましょう。
いつか使えるかもしれないと考えていても、実際に使っていないようであれば手放してください。
もったいないと考えるかもしれませんが、いつまでも箪笥の肥やしにされているほうがモノにとっては不幸といえます。
「1年近く使わずに放置しているもの」であれば、迷わず処分しましょう。
実用品は使うためにあります。もし過去1年間使わなかったら、次の1年も使わないので捨てても大丈夫です。
誰かからもらった置物やお土産を、皆さんは本当に気に入っていますか?
断捨離で大切なのは、自分を主役にすることです。
「誰かからもらった大事なものだから」という意識は、ものを手放す判断を鈍らせます。
例え人からもらったものであっても、自分が気に入っているか、自分の部屋に本当に必要なのかという基準で「捨」の作業に臨みましょう。
インテリアや装飾品として家に置いているものは、すべて自分が好きなものにしましょう。
飾り物は生活必需品ではないのですから、わざわざ嫌いな物を置いておくのは馬鹿げています。
知らず知らずのうちに毎日目にするものに気分を左右されます。
●【捨】の基準は「現在の自分」
断捨離をする際に忘れてはいけないのが、「現在の自分」にとって目の前のモノはどういった価値を持っているかという視点です。
10年後、5年後に使うかもしれないという思いで購入したモノは現在の自分に相応しくありません。
自分を構成するのは、あくまで今の自分に最適なモノです。
過去や将来に目を向けることは大切ですが、それに囚われてモノを所持していると、本来の自分を見失ってしまいます。
本当にモノを大切にしたいと考えているのであれば、思い出しもせずにしまっておくよりも、感謝の気持ちを込めて手放してあげましょう。
今使わない物は将来使わない
人からもらった大事な物でも、使わなければただのガラクタと一緒。気持ちを心の中で大事にすれば良い
愛着が沸いてる物には目を瞑り、手を合わせて「今までありがとう」と感謝するべし。本当に感謝しているからこそ捨てられる
2.【断】……余計なものをため込まない
現在の自分を基準に「捨」の作業を終えたら、次は「断」の段階へと移行します。
「断」とはすなわち、余計なものを手にしないという考えです。
買い物をするときも、今の自分にとって本当に必要かどうかをよく吟味しましょう。
もしかしたら必要になるときが来るかもしれない、いざというときのために買っておこうといって買いだめするのはNGです。
「今」の生活を本当に向上させることにつながるのか、同じような機能を持っているものが部屋にないかを考えることで、自然に必要なものだけを購入する癖が生まれるのです。
「あればあったで便利なモノ」は買わない。「必要なモノ」なのか「欲しいモノ」なのかどうか、よく考える。特に単機能のモノは、最終的に邪魔になる可能性が大きいです。もしそれを買ったとして、どのくらい便利で、どれぐらいの頻度使用するのか、何か家にあるモノなどで代用できないのか考えましょう。
「断」の意識を持つようになると、無駄なものを買わなくなりますから自然とお金が貯まっていきます。
そのお金を本当に必要なものへ支出すれば、人生の充実感は倍増することになるでしょう。
無駄なものを手にしないということは、自分の生活をより高めることに直結するのです。
実際、断捨離に成功されたお宅にお邪魔してみると、そのものの少なさに驚かされることがあります。しかしそれでいて、自分が必要なものは、すべて家にあるわけですから、快適なお家生活を送ることができるわけです。しかもそれに加えて、貯蓄額も年々つみあがる状況を維持することができるわけですから、そこから得られるメリットは多大だといえるでしょう。
つまり、断舎利における物欲を断つということは、購入するものの真の価値を見出すことであり、無駄なものを一切断つことに他なりません。
モノが少なくなると、収納スペースにもゆとりが生まれます。
クローゼットや食器棚、冷蔵庫など今まで物であふれかえっていたスペースもすっきりと見栄えの良い空間へ生まれ変わるのです。
この美しいスペースの維持に努めていくことも、「断」の段階における重要な作業です。
クローゼットは空間がたくさんできて取り出しやすくなり、
洗面所、キッチン、リビングは余分なものが減って
「何がどこにあるか」がすぐ分かる配置になってきています。
3.【離】……新たな自分への生まれ変わり
断捨離の最終段階は「離」の境地です。
あふれかえったモノを整理することで、私たちの精神にも良い影響をもたらします。
シンプルであることに美しさを覚え、複雑化した思考も解き放たれるのです。
本当に必要なモノを選択する断捨離ですが、それを人間関係に当てはめてみましょう。
新生活へと臨むに当たって、今まで通りの関係でいられなくなる人もいるかもしれません。
しかしそれは、皆さんが断捨離をして生まれ変わったシチュエーションと同じです。
新生活を通して生まれた新たな自分と向き合うには、過去にとらわれてばかりはいられません。
断捨離を通して心と体をすっきりさせることが、新生活で気持ち良いスタートを切るための手助けとなるのです。
新しい友だちや行ったことのないコミュニティに参加することも同様です。今までにはない、新しい自分を発見することができるでしょう。
断捨離で新生活に弾みをつける
断捨離は、モノを選別し、捨てるという単純な作業です。
単純だからこそ、自分を見つめなおすのにピッタリな作業といえます。
新生活というきっかけを利用して、断捨離に挑戦してみましょう。