美侍

「経常利益」の意味を解説!どうやって計算するの?

自分が所属している会社や転職先、取引先や投資先など、企業の業績や今後成長するかどうかの見込みを判断する時、重要なポイントとなる「経常利益」。しかし、利益にも純利益や営業利益など、様々な種類がありますよね。経常利益とは、一体どのような利益のことを指すのでしょうか?計算方法や合わせて覚えたい関連用語を含め、詳しく学んで今後の仕事に活かしましょう!

「経常利益」は企業の営業活動で毎期に生じた利益のこと!

まず「経常利益」がどんな意味なのか?について見てみましょう。
経常利益とは、
①企業が本業で得た売上からコストを引き、
②そこに本業以外の財務活動(株など)で得た利益を足して、
③本業以外で出た損失を差し引いたものを言います。

最終的にはそこに特別損失や特別収益が足されて「当期純利益」が計算されるのです。

つまり、当期純利益になる前の段階なので、利益としてはそこまで重視すべきものではないのでは?と思われがちですが、実は企業の業績や成長を判断する上で、この経常利益は最も重要な意味をなすと言われています。

企業が通常の経済活動で毎期に経常的・反復的に生じる利益のこと。売り上げから本業にかかったコストを差し引いたのが営業利益であり、この営業利益に財務活動などの本業以外の損益を加えたのが経常利益である。

出典:https://kotobank.jp/word/%E7%B5%8C%E5%B8%B8%E5%88%A9%E7%9B%8A-3110

経常利益から特別損失や特別収益を加減算して税引前当期純利益が算出され、そこから税金を差し引いて最終的な当期純利益が計算されます。「最終的な当期純利益のほうが経常利益よりも大切なのでは?」と考えるかもしれません。

出典:https://www.kessansho.com/general/study/02_06.html

会社の業績そのものを判断するときに通常では起こり得ない特別損失や特別収益が加味された当期純利益に注目することは適当でないし、その会社が前期と比べて儲かったかどうかも当期純利益からは読みとれません。やはり、経常利益が最も重要な利益なのです。

出典:https://www.kessansho.com/general/study/02_06.html

経常利益は大きければ大きいほど会社は儲かります。<限界利益-固定費=経常利益>ですから、経常利益を上げてより儲かる会社になるためには、限界利益を上げるか固定費を下げる施策が必要となってきます。

出典:https://www.kessansho.com/general/study/02_06.html

限界利益とは、売上高から変動高(仕入れ値など、売上が上がるたびに増えるもの)を引いた額で、固定費は人件費をはじめとした「売上によって大きくは変動しない」費用のことを言います。
経常利益にはこの2つが深く関わってきますから、経常利益を上げるためには、売上を上げたり人件費等を削ったり、などの努力が必要になるとのこと。

経常利益は、営業利益+営業外収益—営業外費用で計算できる!

営業活動や財務活動で得た収益から損失を引いたものが経常利益、というのは何となく理解できましたが、どのように計算されるのか今ひとつ分かりにくいですよね。

売上や勘定科目の情報から経常利益を計算するには、一体どうすれば良いのでしょうか?
詳しい計算方法を見てみましょう。

計算式は、
営業利益+営業外収益—営業外費用=経常利益
です。

出典:http://www.first-kessan.com/category/1329908.html

営業外収益

営業外収益は、金融上の収益や余資を運用した結果の収益など、主に企業の財務活動から生じる収益を表す。受取利息、受取配当金、仕入割引などがある。

出典:http://gms.globis.co.jp/dic/00503.php

営業外費用

営業外費用とは、ある一定の期間ごとに常に必要となる費用のことで、企業の本業以外の活動から生じる費用のことだが、具体的には支払利息・社債利息・有価証券売却損のようなものが含まれる。

出典:https://biz.moneyforward.com/words/eigyogaihiyou/

営業利益は、前述にもあったように「売上からそれにかかったコストを引いた額」でしたね。
それに株や取引先から受けた割引などの収益を足し、支払った利息や有価証券を売却した際の損失などを差し引けば、経常利益が求められるのです。

経常利益以外にも、注目すべき4つの「利益」がある!

経常利益の他にも、企業の業績や成長を見る際に重要とされる利益が4つあります。
売上から経常利益に至るまでには、コストが引かれたり、営業外収益や費用が足し引きされたりしましたよね。
経常利益はあくまでも、企業における損益の流れのうちの1つであって、当期純利益に到達するまでの1つの段階なのです。

経常利益に関連する重要な利益には「売上総利益」「営業利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の4つがあります。
では、一体どのような意味をもつ利益なのでしょうか?

企業における重要な利益について、詳しく説明されています。

売上総利益=売上高-売上原価

売上総利益は通常、粗利益(あるいは粗利)ともいわれ、製造業であれば、売上から製品を製造するために仕入れた材料費、外注加工費、労務費等を差し引いた残りが売上総利益です。

出典:http://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E4%BC%9A%E8%A8%88/%E3%80%8C%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E%EF%BC%95%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%90%E7%B8%BE%E3%82%92/

【営業利益】=売上総利益-(販売費及び一般管理費)

営業利益は売上総利益から営業活動に使われた販売管理費を差し引いたものです。営業利益は会社が「本業で稼ぎ出した利益」であり、財テク投資の時代が過ぎ去った今、会社が健全経営をしているかどうかを判断する上で最も重視すべき利益です。

出典:http://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E4%BC%9A%E8%A8%88/%E3%80%8C%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E%EF%BC%95%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%90%E7%B8%BE%E3%82%92/

【経常利益】=(営業利益+営業外収益)-営業外費用

経常利益は営業利益に本来の営業活動とは関係のない金融取引などの財務活動から発生する受取利息、支払利息といった収益と費用をプラスマイナスしたものです。会社をトータルでみた場合の収益力、利益水準であると言えます。

出典:http://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E4%BC%9A%E8%A8%88/%E3%80%8C%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E%EF%BC%95%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%90%E7%B8%BE%E3%82%92/

税引前当期純利益=(経常利益+特別利益)-特別損失

税引前当期純利益は、経常利益に、臨時、突発的に発生した固定資産の売却損益、あるいは火災などの災害による損失などをプラスマイナスしたものです。

出典:http://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E4%BC%9A%E8%A8%88/%E3%80%8C%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E%EF%BC%95%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%90%E7%B8%BE%E3%82%92/

そして、当期純利益=税引前当期純利益-法人税等

当期純利益は法人税等の税金を差し引いた最終利益です。この当期利益が最終的に「貸借対照表の純資産の部」に繰越利益剰余金として留保されます。

出典:http://www.attax.co.jp/e-kaisha/%E4%BC%9A%E8%A8%88/%E3%80%8C%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E%EF%BC%95%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%81%A7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%90%E7%B8%BE%E3%82%92/

なるほど~。
企業の経営力や収益力を判断するため、特に重視されるのは「営業利益」と「経常利益」のようです。
逆に税引前当期純利益は、火災や固定資産の売却など、普段なら起こらないであろう事柄で起きた損益が含まれているので、損益計算書を見る上ではあまり重視されないそう。

株式投資でも重要!経常利益を見て、企業の経営力を判断しよう

いかがでしょうか?本業とは関係のない損益まで含め、トータルの利益を見る経常利益は、企業の経営力を判断する上で非常に大事な要素なのですね。

自分が所属している会社の損益計算書を参考に「経常利益はこのくらいなのか……」と知るのも感慨深いでしょうし、趣味で株をやっている方は、投資する企業を選ぶためのポイントにもなるでしょう。
その際は、他4つの利益についても忘れずに確認してくださいね。