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「キャッシュカウ」の意味とは?代表例も教えて!

別名「金のなる木」とも呼ばれ、マーケティングにおける重要な指標となるキャッシュカウ。しかし、一体どういう意味なのでしょうか?実はこのキャッシュカウは、私たちが日ごろ身近に感じているブランドやメーカーにも深く関わりのある言葉なのです。今回はキャッシュカウの意味をご説明すると共に、合わせて覚えたい関連用語や、代表的なキャッシュカウとされるブランドなどをご紹介します!

「キャッシュカウ」は「金のなる木」?

出典:https://www.pakutaso.com/20131243360post-3656.html

まず、キャッシュカウの意味について見てみましょう。
キャッシュカウとは、「PPM分析」において分類されるポジションのひとつです。
PPM分析は、自社の製品や事業内容それぞれを4つの項目に分類に、それぞれに相応しい事業展開をするというもの。
キャッシュカウは、その中でも「金のなる木」として、利益率が高く割がいい事業が分類されるところです。

金のなる木といえば、茎の間に硬貨を挟むとお金がなっているように見える、という植物ですが、ビジネスにおいては「それほど投資しなくても利益が出る」割が良い事業のことを言います。
つまり、木さえ植えればどんどんお金がなってくれる、という意味ですね。

シェアが高く利益が出るうえに、成長のための投資がそれほど必要ない事業。PPMによる分類の1つ。

出典:http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/mb/%E9%87%91%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%9C%A8/m0u/

ここに分類される事業ばかりであれば、潤沢なキャッシュフローを得ることが可能となるが、一方で、企業全体の成長率は次第に落ちていく。再び成長するためには、研究開発投資をして新たな花形製品を生み出すか、あるいは新規事業(当初は「問題児」)に投資してシェアを上げ、花形製品に変身させることが必要となる。

出典:http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/mb/%E9%87%91%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%9C%A8/m0u/

市場成長率は低く、相対的シェアが高いのは「金のなる木」事業です。自社のシェアが高いため売上は大きくキャッシュインは増加し、市場成長率が低く競争が鈍化しているため設備投資や販促費などのキャッシュアウトは減少します。今は最も儲かる事業ですが、いずれは衰退していく可能性が高い事業です。

出典:http://www.darecon.com/tool/ppm1.html

なるほど~。
安定して資金を生み出すことができる「キャッシュカウ」事業ばかりになれば、企業としては安泰なはずですが、それだと「これ以上成長できない」ということにも繋がるのですね。

ですから、キャッシュカウはその事業を更に活かす、という方向ではなく「新たな事業開発のための資金源」にされることが多いと言います。

キャッシュカウ以外のビジネスはどう分類される?

出典:http://chimich.dreamlog.jp/archives/50723026.html

では、PPM分析において、キャッシュカウ以外のポジションにはどんなものがあるのか?と気になるかと思いますが、この他には画像に書かれているような3つの項目があります。
それぞれに「スター(花形商品)」「ワイルドキャット(問題児:プロブレムチャイルドとも)」「ルーザードッグ(負け犬)」と名付けられていますが、後ろ2つは少々ネガティブなイメージですね。

スターはその名の通り最優先すべき花形商品で、成長率も利益率も非常に高いですが、その分投資を必要とするもの。
ワイルドキャットは成長率は高いものの、利益率が低く、その割に投資が必要になるもの。
ルーザードッグは成長率も利益率も低く、撤退されることが多い事業とのこと。

市場の成長率、相対的シェアともに高いのが「スター」事業です。この事業は売上が増え、キャッシュもどんどん流入していますがシェアを維持するために設備投資や販促費も増やす必要があるためキャッシュアウトも増加します。今後の成長の鍵をにぎる事業です。

出典:http://www.darecon.com/tool/ppm1.html

市場成長率が高く、相対的シェアが低いのが「問題児」事業です。市場は成長しているので、設備投資等のキャシュアウトは増加しますが、自社のシェアが低いのでキャッシュインは小さく、金食い虫となります。ただしこの事業は将来のスター候補なので、じっくりと育てていくことが必要です。新規参入当初は問題児になることがほとんどです。

出典:http://www.darecon.com/tool/ppm1.html

市場成長率も相対的シェアも低いのが「負け犬」事業です。撤退の対象となりますが、徹底した合理化などにより他社が撤退するまで生き残れれば「金のなる木」になりうる事業です。

出典:http://www.darecon.com/tool/ppm1.html

企業はこの4つのマトリクスに分類された商品を把握し、

「花形商品」「金のなる気」

を多くすることで成長を目指すことがポイントになる。

出典:http://chimich.dreamlog.jp/archives/50723026.html

単純に考えれば、スターとキャッシュカウのみを残せば良いのでは?と思ってしまいがちですが、ワイルドキャットもルーザードッグも、それぞれに可能性を秘めたビジネスなのですね。

ワイルドキャットは戦略によってはスターにもなりえますし、ルーザードッグは他社が撤退する中で生き残ればキャッシュカウになりえます。
ただ、ルーザードッグに関しては成長するまでの期間が長いので、やはり途中で撤退させられてしまうことが多いようです。

キャッシュカウの代表例は「アサヒビール」!

出典:https://www.asahibeer.co.jp/news/2011/1115.html

じゃあ、身近なブランドの中で「キャッシュカウ」と言えるものってなに?と気になってしまいますが、その代表例として「アサヒビール」があります。
アサヒはビールの他にもコーヒーや炭酸飲料、食品や薬品、不動産など、様々な事業を展開しています。

しかし、ビールやコーヒーはすぐに思い浮かべることができても、薬品や不動産で「アサヒ」と名の付くものはあまりイメージできませんよね。
実際、アサヒの事業の中で最も安定した利益を挙げているのは「アサヒビール」をはじめとした酒類で、これが「キャッシュカウ」として分類されます。
コーヒーや炭酸飲料などの飲料は、今後も成長が期待できるということで「スター」となりますね。

実例を挙げつつ、キャッシュカウについて分かりやすく説明されています。

具体的な例として、ビール業界のアサヒビールのビジネス・ユニットを成長率-マーケットシェアマトリックスの中に当てはめてみます。

出典:http://ken-int.com/business_tool_6.html

酒類事業は、主力製品のスーパードライ を筆頭として、アサヒビールの利益のかなりの部分を 出している事業で cash-cow です。缶コーヒーワンダ を代表とする 飲料事業は star で、今後も成長が期待できる事業です。

出典:http://ken-int.com/business_tool_6.html

酒類、飲料と比較した場合に目劣りがする食品・薬品事業は question mark ですが、着実に投資効果が出ている将来有望なビジネスです。 dog に入れられるのは、その他の事業といわれる不動産等で売上・利益も減少しています。

出典:http://ken-int.com/business_tool_6.html

なるほど~。
ビールといえばキリンやサントリー、サッポロなども有名ですが、アサヒの人気は不動のものですよね。
この他にも、様々な事業や商品を展開している企業はたくさんありますから、自分がいつも買っている商品、サービスなどを参考に「この企業ならキャッシュカウはこれだな……」とまとめてみると分かりやすいでしょう。

「キャッシュカウ」でも安心できない!

出典:https://www.pakutaso.com/20150526146post-5556.html

先ほどのアサヒビールをはじめ、既にある業界で安定したシェアを獲得した企業に関してはある程度問題ありませんが、キャッシュカウを維持するのは非常に難しいと言われています。
最初に「成長率が低い」と述べましたが、そのままの品質で利益を挙げ続けるというのは並大抵のことではありません。

あまり投資が必要ないとはいえ、主力であるからには品質の改善や、効率のよい生産機械の導入などを続けていかなければなりませんし、自社以上に魅力的な商品が他社から生まれるかもしれません。
そのため、次から次に新製品が開発されるような業界では競争が激しくなりやすく、なかなかキャッシュカウと呼べる製品が生まれにくいと言われています。

たとえいまキャッシュカウであっても、次世代には衰退していく事業がある。企業が持続的に優位性を築くためには、継続的な投資が不可欠なのだ。

出典:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1102/17/news096.html

利益を生むキャッシュ・カウを、もっと大きなキャッシュ・カウにするにはどうすべきか。投資の配分を考えるうえで、最も重要なポイントです。

出典:http://president.jp/articles/-/11238

現在の自動車産業や家電産業のように、研究開発を続けなければいけないような市場では、すでに市場自体の成長性は止まっているにも関わらず競争が激化するため、なかなか「金のなる木」にならないジレンマもあります。

出典:http://marketingis.jp/archives/2436

キャッシュカウを維持できるよう努力しながらも、スター商品を次々に生み出さなければならない……企業にとって「成長」は、永遠のテーマなのですね。

自社にとっての「キャッシュカウ」は何か?を考え、仕事に活かそう!

いかがでしょうか?キャッシュカウは、全ての企業にとって「自社を支える商品やサービス」である一方、維持が非常に大変なのですね。
自社の存続や同業他社の動きを見るのも大事ですが、商品の売れゆきには世の中の需要の変化や景気なども関わってきますから、完全には予測できない流れを読むのは確かに難しいでしょう。

しかし、キャッシュカウをはじめとしたPPM分析は、どんな企業にも関係のあることです。
時間のある時に所属している企業を分析し、キャッシュカウは何になるのか?を考えてみると、今後の自社の成長や、自分が関わっているプロジェクトの戦略などが見えてくるかもしれませんよ。

「キャッシュカウ」の意味とは?代表例も教えて!