美侍

「SWOT分析」って一体なに?どうやってするものなの?

SWOT分析は、起業や新規事業の立ち上げを行う際のマーケティング分析でとても重要なもの。しかし、具体的にはよく分からない!という人も多いですよね。会社で上司から「今度新しい事業を立ち上げるから、SWOT分析を勉強しておいて」なんて言われたら、一体どうすれば良いのでしょうか?言葉の詳しい意味や、どのように分析すれば良いのかなど、気になる疑問にお答えします!ぜひご参考ください。

SWOT分析って一体なに?

まずは、SWOT分析の意味について見てみましょう。
SWOT分析とは、自分の会社の成長や目標達成のため、現在の「強み」や「弱み」など、現状を整理すること。
具体的には、上記の画像のように4つの項目に分けられます。

内部環境はある程度現状を知ることで改善できますが、外部環境に関しては予測することしかできませんから、非常に難しいですよね。

SWOT分析(-ぶんせき、SWOT analysis)とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つである[1]。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/SWOT%E5%88%86%E6%9E%90

「外部環境」と「内部環境」

外部環境とは、自社の努力では解決やコントロール出来ない社会環境のことで、
経済・業界の動向、市場のトレンド、技術革新、顧客ニーズ、法令改正などがあります。
これらの要因が自社に有利(追い風)か、あるいは不利(逆風)かを考えます。

出典:http://www.success-mo.co.jp/2010/06/swot.html

内部環境とは、自社の努力で解決やコントロール出来る経営資源のことで、
技術力、人材、ブランド力、生産性、品質などがあります。
それらの要因が、自社の目標を達成する上で、強み、あるいは弱みになります。

出典:http://www.success-mo.co.jp/2010/06/swot.html

誰か1人だけの判断は極力避ける

SWOT分析は、一般に、外部環境の脅威、次に機会の分析から行い、
そして内部環境の弱み、最後に強みという順序で分析します。
分析にあたって気を付けたいのは、強みと弱みは絶対的なものではなく、
ある時点では、強みであっても、弱みに変わってしまうこともあります。

出典:http://www.success-mo.co.jp/2010/06/swot.html

SWOT分析は、トップ1人で考えるのではなく、客観性を高めるためにも、
社員の意見や仕入先、得意先、金融機関、顧客など外部者の評価なども参考にします。

出典:http://www.success-mo.co.jp/2010/06/swot.html

例えば、社長が自社の強みを「商品の素晴らしさ」だと思いSWOT分析を行っても、他の社員や取引先が「宣伝力の高さ」が魅力だと考えていたら、意味がありませんよね。

トップや担当者が1人で結論を出してしまうと、結果に偏りが出る恐れもありますので、SWOT分析はあくまでも客観的な要因から判断することが大切なのです。

しかし、その難しさに悩む人も……

何となくは理解できても、実際に「じゃあSWOT分析をやってみようか!」と言われたら、まだ難しいですよね。
一体何から始めればよいのか?そもそも何を分析すればよいのかなど、戸惑う部分はたくさんあるはずです。

SWOT分析を勉強している方々の中でも、全然分からない!と頭を抱える声が多く聞かれました。

このように、非常に難しそうなSWOT分析ですが、もしやらなければならない時がやってきたら、一体何から始めれば良いのでしょうか?

ポイント① SWOTの意味を正しく知ろう!

SWOTは、強み(Strength)弱み(Weakness)機会(Opportunity)脅威(Threat)のそれぞれの頭文字を抜き出したものですが、具体的にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?
強みや弱みは何となく分かりますが、機会や脅威については、言葉の意味そのままに受け取っていいのかな……と思ってしまいますよね。

SWOTそれぞれの用語をどのように考え、どのように分析すれば良いのか、詳しく見てみましょう!

強み(Strength)と弱み(Weakness)

強みと弱みは競争相手と比較した相対的なものを言います。いくら自社の強みだと思っていても、その要素が競争相手の方が勝っていれば強みにはなりません。

出典:http://www.darecon.com/tool/swot1.html

また、強みは技術革新による陳腐化などで瞬時に強みではなくなってしまうこともあります。今は強みだが将来は強みではなくなる可能性があるものは本当の強みとは言えません。

出典:http://www.darecon.com/tool/swot1.html

機会(Opportunity)と脅威(Threat)

機会とは「うまく活用すれば業績が拡大する外部環境の変化」で、脅威とは「そのまま放置すると業績が悪化する外部環境の変化」のことです。

出典:http://www.darecon.com/tool/swot1.html

業績にプラスになる外部環境の変化は、当然、競争相手にとってもプラス要因になります。その環境変化が機会になるかどうかは、環境変化に対する対応力が競争相手よりも勝っているか、あるいは、競争相手よりも先に環境変化に対応できるかによります。

出典:http://www.darecon.com/tool/swot1.html

SWOT分析では、外部環境と内部環境の現状を抽出した上で、強みを機会に生かす、弱みと脅威の鉢合わせを回避する、強みを強化する、弱みを強みに変える、といったことを考えていきます。

出典:http://www.nsspirit-cashf.com/logical/swot_bunseki.html

なるほど~。
自分では「強み」だと考えていることも、同業他社の方が優れている場合はそこに分類してはならないのですね。

また、こういった環境の変化が起これば業績が上がるはず!と予測されたとしても、それは他社にとっても同じ条件になりますから、例えばどこよりも早く商品を開発できるとか、どこよりも優れた商品を開発できるなどの要因がなければ意味がないとのこと。

ポイント② まずは「外部環境」と「内部環境」をそれぞれ分析しよう!

いよいよSWOT分析をやっていこう!となった時、突然自分の会社の要素を順に挙げていき、4つに分類しようとしても充分な結果は出せません。
SWOTは、「外部環境」と「内部環境」で大きく2つに分けられますよね。
まずはそれぞれの分析を詳しく行い、最終的に4つ全体を合わせて見るようにしましょう。

きちんとした段階を踏んでSWOT分析を行うことで、より具体的で信ぴょう性のある結果を出すことができるでしょう。

SWOT分析の手順

①ステップ1は、自社の業績に影響を与える外部環境の分析を行います。

②ステップ2は、自社の内部環境(経営資源)の分析を行います。

③ステップ3は、ステップ1、2の結果に基づいてSWOT分析を行います。

出典:http://www.darecon.com/tool/swot1.html

SWOT分析では、機会(O)と脅威(T)の外部分析から始めます。以下の質問を想定してみましょう。

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/swot-analysis-20131127/#i-4

・市場や自社をとりまく環境に変化はあるか?
・もし変化があれば、それはどのようなものか?
・その変化に対して他社はどのように追従しているのか、もしくは追従していけるのか?

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/swot-analysis-20131127/#i-4

フレームワークを活用

SWOT分析ではフレームワークの利用が便利です。短時間でモレなくダブりなく分析に着手できるだけでなく、必要な点に関して網羅的な視点での分析を可能にします。

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/swot-analysis-20131127/#i-4

フレームワークとは、ビジネスにおいては経営戦略や問題解決などに役立ってくれる分析手法の総称です。
考えるべきポイントがパターンとしてまとめられているので、現状や課題を漏れなく把握することができます。

内部環境分析では、競合の変化の対応に対する自社の強みと弱みを洗い出します。自社の強みや弱みは、競合企業との相対評価として客観的に分析してください。「現在、○☓に取り組んでいるから、強み」のように安易に主観的な分析は避けるようにしましょう。必ずファクト(事実・データ)を持ってして、強み・弱みと分類するようにしてください。

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/swot-analysis-20131127/#i-4

外部環境の分析と内部環境の分析が終わったら、いよいよ「クロス分析」をしていきます。

クロス分析

クロス分析とは、外部環境の分析と内部環境の分析を掛け合わせて、今後の戦略を考えること。
特に「強みを活かし、機会を勝ち取る」にはどうすればよいか?が最も重要なポイントです。

強み x 機会 強みを活かして機会を勝ち取るための方策は?
強み x 脅威 強みを活かして脅威を機会に変える差別化とは?
弱み x 機会 弱みを補強して機会をつかむための施策とは?
弱み x 脅威 弱みから最悪のシナリをを避けるためには?

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/swot-analysis-20131127/#i-4

ポイント③ SWOT分析の弱点を知る!

このように順序だてて完璧なSWOT分析を行っても、その結果の通りに物事が進むわけではありません。
SWOT分析にも欠点は存在します。
それは、強みなのか弱みなのかはっきりしない事柄に関しても、無理やり4つに分類してしまうところに理由があるようです。

この会社は大規模なのが強みだ!と思っていても、スピード勝負の戦略を立てたい場合は、上に話が通るまで暫くかかりますから、小規模な会社の方が有利になりますよね。
つまり、強みや弱みは「戦略によって変わる」という点が、SWOT分析が完璧ではない所以(ゆえん)なのです。

「強み」も「弱み」も表裏一体で、解釈次第

強みで、「戦略・マーケティングに特化していること」は、戦略・マーケティングは得意ですが、逆に他のことはできないということです。コスト削減やM&A、MBOなどのコンサルティングはできないということです。これは強みなのでしょうか? 弱みなのでしょうか?

出典:http://www.sandt.co.jp/swot.htm

英語対応ができること。これは、外資系企業のお客様にはいいかもしれませんが、英語を全く使わない企業にはどうでもいいことです。これは強みなのでしょうか? 弱みなのでしょうか?

出典:http://www.sandt.co.jp/swot.htm

どんな戦略を作るかを決めようとしているときに、強み・弱みの認識が戦略によって変わる、ということでは、「戦略を作る」際には使えません。それはご納得いただけるかと思います。

出典:http://www.sandt.co.jp/swot.htm

にも関わらず、ほとんどの戦略の本や研修などでは、SWOT分析は「戦略を作るときに有効なツール」と紹介されています。これは、SWOT分析の本質をとらえていません。

出典:http://www.sandt.co.jp/swot.htm

「SWOT分析を作ることが目的になる」という危険性

SWOT分析はあくまで1つの手法であり、弱点も存在する。例えば、目標を達成する際に本質的に重要であることを考えずに、単なるSWOTリストの編集に注力してしまう可能性がある。また、弱い「機会」と強い「脅威」を釣り合わせるために、明確な優先順位や批判なしに分析が行われる可能性がある。

出典:http://plaza.rakuten.co.jp/kayano4/diary/200712140002/

慎重に分析を行うためには、いかなるSWOT項目も早期に取り除かないことが重要である。個々のSWOT項目の重要性は、それが生み出す戦略の価値によって決まる。すなわち、価値ある戦略を生み出すSWOT項目は重要であり、生み出さないSWOT項目は重要ではないと判断される。

出典:http://plaza.rakuten.co.jp/kayano4/diary/200712140002/

SWOT分析は「戦略を立てるため」ではなく「戦略を立ててから」更にそれを強固にするための自己分析として行うのが望ましいということですね。
何の見通しもなく、ただ目先のSWOT分析を終わらせるために項目を埋めるのではなく、きちんとしたビジョンを踏まえて分析を行いましょう。

SWOT分析を正しく行い、会社の強みと弱みを知ろう

いかがでしょうか?SWOT分析は非常に難しいものですが、正しく行えば自社を客観的に見つめられますし、今後の売上や成長に大きく貢献してくれます。
新規事業のリーダーになったり、経営者になったりすればより身近になるのはもちろんですが、時間のある時に更に詳しく勉強し、ある程度実践できるようになっておくと良いでしょう。

会社全体の話だけではなく、もしかしたら自分が出そうとしている企画や提案などの戦略も立てやすくなるかもしれません。
ただし、上記にもあるようにリストを埋めることに一生懸命になったり、全く見通しのないまま行ったりしても意味がありませんので、注意してくださいね。