美侍

一体なにをした人なの?お札に書かれている人物3人!

千円札、五千円札、一万円札……お札にはそれぞれに、異なる人物の顔が描かれていますよね。普段は何気なく使っているものですが、一体どのような功績を遺した人物なのか知っていますか?実は3人とも、日本の文化や教育に大きく貢献した人々なのです。今回は、もしかしたら知らないと恥ずかしい?紙幣に使用された偉人たちの名前や生涯、詳しい実績についてまとめてみました!

お札に描かれるのは「日本が世界に誇れる」人物!

出典:https://www.pakutaso.com/20111212353post-1015.html

現在の千円札、五千円札、壱萬円札になる前から、お札には文豪夏目漱石をはじめ、偉人の顔が印刷されていましたよね。
しかし歴史を遡れば、日本に功績を遺した人物は数えきれないほどいるはず。

紙幣に描かれる人物は、どのようにして決めているの?と気になってしまいますが、最も大切なポイントは「日本が世界に誇れる人物で、国民に広く知られている」ことのようです。
しかし、条件はそれだけではありません。
一体誰が、どのような基準で決めているのかについて見てみましょう。

財務大臣がお札の人物を最終決定

肖像をはじめとするお札の様式は、通貨行政を担当している財務省、発行元の日本銀行、製造元の国立印刷局の三者で協議し、最終的には日本銀行法によって財務大臣が決めることになっています。

出典:http://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/

お札の人物を選ぶ基準は大きく2つ

・日本国民が世界に誇れる人物で、教科書に載っているなど、一般によく知られていること。
・偽造防止の目的から、なるべく精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物であること。

出典:http://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/

現在は、明治以降の文化人で選ばれている

現在のお札の肖像は、明治以降に活躍した文化人の中から選ばれています。

出典:http://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/

歴代お札の人物一覧

現在まで、

・神功皇后
・板垣退助
・菅原道真
・和気清麻呂
・武内宿禰
・藤原鎌足
・聖徳太子
・日本武尊
・二宮尊徳
・岩倉具視
・高橋是清
・伊藤博文
・福沢諭吉
・新渡戸稲造
・夏目漱石
・野口英世
・樋口一葉

この17人が紙幣の肖像として登場しています。

出典:http://woman.mynavi.jp/article/140920-59/

なるほど~。
明治以前は写真を撮る機械が普及しておらず、肖像画しか残っていない場合が多いので、現在は基本的に明治以降の偉人が使われているようです。
ちなみに、女性より男性の方が採用される確率が高いのは、絶対数の差もありますが、皺や髭など、偽造しにくい特徴が多いからなのだそう。

では、それぞれに一体どのような人物が描かれているのか、その偉業の内容などを1人ずつ見ていきましょう。

千円札:黄熱病研究に命をかけた細菌学者!野口英世

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E8%8B%B1%E4%B8%96

最初にご紹介するのは、紙幣としては最も身近な存在である「千円札」に描かれている野口英世さん。
当時ワクチンが存在しなかった「黄熱病」や、多くの人が悩まされていた「梅毒」などの研究を行い、多大な功績を遺した人物です。

黄熱病研究に関しては、志半ばで自身もその病気にかかってしまい亡くなるという、まさに「命がけ」で戦った姿勢も評価されていますね。
梅毒の病原菌の構造を解明した際には、ノーベル賞の候補にも挙がっています。
昭和3年には「野口英世記念医学賞」も設立され、後世の医学研究の励みになったそうです。

立志のきっかけは幼少時の大けが

1歳の時に囲炉裏に転落し、左手に大やけどを負ってしまいます。
その際、左手の指が指同士が癒着してしまい、障害を負う事となり農作業が困難であるため、母親の「シカ」より学問で身を立てる様に諭されます。

出典:http://golddust.jp/hideyonoguti-mcconaughey/

英世は生涯に数々の論文を発表し、ノーベル賞にも3度候補にあがります。病原体の特定など、人の死と隣り合わせの出口の見えない研究をし続け、毎日の睡眠は3時間ほどだったとも言われています。

出典:http://www.gregortimlin.com/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E8%8B%B1%E4%B8%96%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E/

幼少期には囲炉裏で左手を大やけどし、5本の指が全てくっ付いてしまいました。
幸い16歳の頃には手術で切り離されましたが、不自由は生涯残ったと言われています。
貧しい生まれかつそのような境遇にあったため、学問については非常に苦労されたようですが、逆にそれがバネになった部分もあるかもしれませんね。

ちなみに、元々は「野口清作」という名前だったそうですが、途中で英世へと改名しています。

自分の短所を戒めるために名を改名

「当世書生気質」という医学生を主人公にした小説を、野口清作は読んだ。そして、その主人公の名前は「野々口精作」といい、野口清作の名前に、 非常に似ていた。また、その主人公の短所が非常に野口英世と似ているということもあり、その短所を直す意味も含め、名前を清作から英世へと改名した。

出典:http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2013091900027/

24歳で米国にわたった英世は蛇毒や梅毒の研究など数々の業績を上げたことが評価され、ロックフェラー財団の意向を受けて当時 世界的な問題となっていた黄熱病の研究のため南米のエクアドルに派遣された。英世は黄熱病の病原体を梅毒と同様なもの(細菌)と考え、寝る間も惜しんで研 究し、わずか9日間で病原体を発見した。

出典:http://www7a.biglobe.ne.jp/~doctorn/hakajyo/yellowfever.html

英世が二十八歳のときに、アメリカに戻り、ロックフェラー研究所に入所( ロックフェラー医学研究所図書館の閲覧室には、ロックフェラー一世と野口英世の二体の胸像が現存)。そこで梅毒スピロヘータを研究、純粋培養にも成功し、その業績から世界中で有名になりました。

出典:http://www.chourei.jp/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E8%8B%B1%E4%B8%96/

真面目な研究者、という印象の野口英世ですが、プライベートでは意外と女性とお金にルーズな性格だったとか。
1日3時間睡眠とも言われるほど研究に打ち込むには、やはりどこか発散する場所が必要だったのでしょうね。

五千円札:『たけくらべ』で抜群のセンスを発揮した小説家!樋口一葉

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E4%B8%80%E8%91%89

続いては、五千円札に描かれている「樋口一葉」さん。
「たけくらべ」をはじめ数々の有名作を書いた、近代以降では初めての女流職業小説家です。
偉人といえば少し歳を重ねた頃に大業を成し遂げるイメージですが、写真を見る限り若くて美しい女性ですよね。
それもそのはず、彼女は24歳という年齢で亡くなっているのです。

20歳そこそこで、そんなに作品を遺せるものなの?と驚いてしまいますが、彼女は何とデビューから亡くなるまでの数年間に、20作以上の小説を書き上げています。
中でも「たけくらべ」や「にごりえ」「十三夜」などの傑作を次々に生み出した期間は「奇跡の14ヶ月」と呼ばれているのだとか。

日本初のプロの女流作家

樋口一葉は1872年5月2日東京に生まれました。前述しましたが日本初の女流職業小説家です。たくさんの兄弟の中で育ち決して裕福とは言えない暮らしでした。母は女性に学問はいらないという考えの人で、一葉の成績は優秀であったにも関わらず進学を勧める事はなかったです。

出典:http://asakusakanko.com/higuchiichiyo/

しかし東京の役人であった父は娘の文才を見抜き知人の和田重雄に歌を習わせ、更に日本女子大の講師でもあった中島歌子に歌や古典を「萩の舎」で習わせた。

出典:http://asakusakanko.com/higuchiichiyo/

裕福ではないものの、歌や文章を学ぶだけの環境はあった樋口一葉さん。
しかし、そんな彼女に転機が訪れます。
家主であった長兄が亡くなり、お父様が亡くなり、婚約者からも婚約を破棄されるということが立て続けに起こってしまうのです。

苦しい家計を支えるために、彼女は「稼ぐために小説家になる」決意をするのですね。

デビューからわずか14ヶ月で代表作のすべてを書き上げて、夭逝

1896年「文芸倶楽部」にバラバラに発表されていた「たけくらべ」を一度に掲載するとその頃重鎮であった森鴎外や幸田露伴ら辛辣な評論家(小説家)達から大きな評価を得ました。その評価のお蔭で島崎藤村や斉藤緑雨らが訪問し樋口一葉の人脈は広がっていきます。その年5月「われから」などを発表します。

出典:http://asakusakanko.com/higuchiichiyo/

明治27年12月「文学界」に「大つごもり」を発表してから一葉を一躍有名にした「たけくらべ」が完結する明治29年1月までの14ヶ月で、最高傑作といわれる代表作の全てを書き上げており、この期間は「奇跡の14ヶ月」と言われている。しかし肺結核がしだいに進行し,24歳でこの世を去った。

出典:http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/6e892f9bc49f1da561873a70ea49fbf8

森鴎外や幸田露伴から絶賛され、小説家としての道が開けたのは「たけくらべ」からでしたが、それまでにも多数の作品が残されています。
師事を受けた小説記者、半井桃水との恋に敗れたり、婚約破棄された相手から復縁を迫られたり、雑貨屋を開くも失敗したり……短いながらも彼女の人生は非常に密度の濃いものだったようですね。

壱萬円札:学問の普及に貢献した慶應義塾の創設者!福沢諭吉

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E6%BE%A4%E8%AB%AD%E5%90%89

最後にご紹介するのは、日本の紙幣の中では最も価値の高い壱萬円札に描かれている「福沢諭吉」さん。
千円札が夏目漱石さん、五千円札が新渡戸稲造さんだった頃から壱萬円札の肖像として使われており、写真は非常に馴染み深い人物ですよね。

彼は現在の「慶應義塾大学」の前身となる「慶應義塾」の創設者として知られており、日本の学問普及に多大なる貢献をした方です。
「学問のすゝめ」の作者としても有名ですが、それ以外にも西洋の文化や考え方を日本に広め、身分に関係なく教育を受けられる環境づくりに邁進しました。

日本を武士の時代から「近代」へ脱皮させた教育改革者

『天は人の上に人をつくらず 人の下に人をつくらず』。これは、「人はみな平等である」という意味。この言葉を説いた明治時代の教育者、福沢諭吉は、日本にいち早く西洋の文化や考え方を伝えました。現在の一万円札にえがかれている肖像画(しょうぞうが)が、福沢諭吉です。福沢諭吉は学問の大切さをみんなに説きました。

出典:http://www2.nhk.or.jp/school/movie/outline.cgi?das_id=D0005120247_00000

福沢諭吉は教育にも力を注ぎました。1858年、諭吉は自分の財産をつぎこみ、塾(じゅく)を開きます。のちの慶應義塾(けいおうぎじゅく)です。この塾には、身分に関係なく学問を志す人たちが集まり、教育を受けました。

出典:http://www2.nhk.or.jp/school/movie/outline.cgi?das_id=D0005120247_00000

いま普通に使われている「言葉」も、この人が英語の原語から“発明”

『教育』『人口』『文化』『社会』
『経済』『財政』『簿記』『文明』 
そして『自由』等これらは全て福沢諭吉さんが英語の中にあった言葉を
日本人に伝えるために考案した言葉なんだそうです。

出典:http://kyuzinkoukoku.seesaa.net/article/124694870.html

諭吉は英語の重要性を実感し、以後、英語修養に励むようになりました。また、外国訪問も熱望し、実際に幕府の使節に混じって訪米する機会を得ました。現地においてはその文化に大いに触れ、視野を広げたようです。

出典:http://rekitan.net/person/061227.html

この方がいなければ、もしかしたら今の日本はなかったかもしれない……と思うほど、当時は排他的だった日本に新風を巻き起こした人物と言えるでしょう。
今でこそ義務教育が唱えられ、高校進学までは当たり前の世の中になりましたが、当時は裕福な家庭の子どもしか望む教育を受けられませんでしたから、非常に有難く感じますね。

どんな人物か知らない若者が意外と多い!

前述の通り、お札の肖像に使われるのは基本的に「教科書に載っている、日本国民に広く知られている人物」なのですが、一体どんな功績を遺したのか詳しく知らない方も多くいるよう。

確かにお札に描かれている方々は、大河ドラマやゲームなどのモデルに使われることが少ないですから、今の若者たちには馴染みが薄いのかもしれませんね。

中には福沢諭吉と夏目漱石を間違えたり、樋口一葉を与謝野晶子と間違えたりと、ユニークな若者もいるよう。

「名前だけは知ってるから、それで大丈夫でしょ!」という方もいるでしょう。
しかし、前述の通り紙幣の肖像に使われているのは、「国民が誇りに思えるだろう」と見なされた人物たち。
そう考えれば、一般常識として覚えておいた方が良いかも……
というか覚えておかなくてはいけないな、と思えますよね。

過去の人物も興味深い!お札に描かれた人々

いかがでしょうか?お札の肖像に選ばれる人物は、顔立ちや写真の有無などの事情もありますが、いずれも日本という国の成長や文化に貢献し、海外からも認められるような結果を残した人々なのですね。
今回は現在の紙幣に描かれている偉人たちをご紹介しましたが、過去の紙幣に使用されている方々も、同じように偉業を成し遂げた人物ばかりです。

過去の人物たちについても、名前を知るばかりではなくその功績まで調べれば、お金に対してまた違った興味が沸いてくるかもしれません。
なぜこの人物が選ばれたのか?他に候補者はいなかったのかなど、新たな疑問を次々に解消していたら、いつの間にか歴史に詳しくなっているかも?

一体なにをした人なの?お札に書かれている人物3人!