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オバマ大統領の前は……?最近のアメリカ歴代大統領5名!
今のアメリカ大統領がオバマ氏っていうのは分かるけど、いつ誰から代わったんだっけ……?自分の住んでいる国じゃないし、詳しいことは分からない!そんな方は多いのではないでしょうか。しかし、アメリカは日本と非常に近しい国。政治や情勢が変われば、それが日本に影響を及ぼす恐れもあります。では、これまでの大統領たちはどのような考えを持ち、どのように歩みを進めてきたのでしょうか?今回はアメリカ歴代大統領を現任から4代前まで遡り、その特徴や政策について見てみましょう。
現任:「Yes We can!」でおなじみ!バラク・オバマ氏
最初にご紹介するのは、現アメリカ大統領として辣腕(らつわん)を振るっているバラク・オバマ氏。
2009年から現在に至るまで、2期に渡り大統領を務められています。
アメリカ史上初の「黒人大統領」
アメリカ史上初の「黒人大統領」で、長く人種差別問題が根付くアメリカの国民にとっては、彼の当選は非常にセンセーショナルな出来事だったようです。
「Yes We can!」という名言でもお馴染みですよね。
演説においては全体的に力強い口調が特徴で、聴く側との信頼関係を作るのが上手な方だと言われています。
医療保険改革や教育改革、政府の予算削減など、国民のための様々な公約を掲げた
オバマ候補は「やりたいことを全てできないが、やらなくてならないのは、エネルギー自給自足の実現、医療保険改革、教育改革と社会インフラ整備、そして無駄な政府予算の削減だ」と回答。
大統領選の際には、エネルギーの自給自足や教育改革、政府の予算削減など、国民のための様々な公約を掲げました。
貧困層を救うため、低所得者への補助を行い、保険加入を助ける「オバマケア法」を制定
医療保険改革については、従来のアメリカは個々が民間の保険会社と契約して医療保険を受けるのが普通でしたが、それでは貧困層が救われないということで、低所得者への補助を行い、保険加入を助ける「オバマケア法」が2010年に可決されています。
人種差別をなくすために、先住民を重要ポストに就任させる政策を実施
オバマはアジア系、アフリカ系、ヒスパニック系、そして先住民を重要ポストに就任させる政策をとっており、それまで以上に様々な人種で構成されるようになった。
演説の上手い政治家の一人
やや低くよく響く声と、リズミカルなスピーチが、あのジョン・F・ケネディの再来と言われる所以です。プロパガンダ術から見ても、これはと思わせる点がいくつかあります。
まず、絶妙な「間」の取り方。オバマは聴衆に呼びかける際、まずは褒めちぎるのです。厳しい中、みんなが頑張っている、だから今日のアメリカがあるんだと、いわば「おだてる」のです。聴いているほうはグッときて拍手する。
「若者と年配者」「富と貧困」「黒人と白人」など巧みな対照法の多用、そして単純なメッセージの繰り返しも特徴です。
個人の特徴としては、やはり演説の巧みさがよく挙げられていました。
間の取り方が上手いのもありますが、メッセージを繰り返したり、対照となる言葉を多用したりすることで、全体が伝わりやすくなっているそうです。
1代前:政治家一家のサラブレッド!ジョージ・W・ブッシュ氏
続いては、オバマ大統領の前任であるジョージ・W・ブッシュ氏。
2001年から2009年まで大統領を務められました。
父は先々代のアメリカ大統領、祖父も上院議員、弟は元フロリダ州知事という政治家の家系で、お父様と区別するために「ブッシュ・ジュニア」と呼ばれることもあるそうです。
イラク侵攻を行い、戦争を起こしてしまった大統領、というイメージのある方もいるかもしれません。
しかし、ブッシュ氏は過去、戦争に対して「われわれが戦争について語っているとき、それは本当は平和について語っているのだと、みなさんに知ってもらいたい」という言葉を残しています。
誰も戦争がやりたくてやっているわけじゃない。
ただ後々の平和のためを思えば必要な時もあるのだ……きっとそういうメッセージが込められているのでしょうね。
アメリカの平和のためにイラク侵攻を行なった大統領
中東の原油をめぐる利権の追求、それに伴うアフガニスタンやイラク侵攻などに関して、対外的な武力行使も辞さないアメリカの覇権の追求(単独行動主義、覇権主義)が顕著であり、第十次十字軍と諷刺されることもあった。
国営事業の民営化を行い、できる限り政府の規模を小さくする思想を持つ
経済政策はあらゆるものに自由な所有権を拡大させる所有者社会を目標に掲げ、サプライサイド経済学に基づいた所謂ブッシュ減税(小切手送付などによる)、マネタリズム的な金融政策、自由貿易(グローバル資本主義)推進など新保守主義・新自由主義的政策、「小さな政府」の方針と重なるところも多い。
話題を呼んだ政策を多く打ち出した。
・造血幹細胞の研究をめぐる決定
・法人税減税
・京都議定書からの離脱
・国土安全保障省の創設
・情報機関による令状なき通信盗聴の容認[66]
・国際刑事裁判所の拒否
・”脱石油依存対策”の為のバイオエネルギー導入
・「州児童医療保険事業(SCHIP)」延長法案への反対
前任の大統領ができなかった重要課題の解決に取り組んだ
ジョージ・W・ブッシュ氏は前任者のビル・クリントン氏が手を付けられなかったイラクやアル・カイダのような重要課題の解決に取り組んだ。また、世界経済危機についてもブッシュ氏だけでなくクリントン氏にも責任の一端はある。
よほど変わった人でない限り、誰もが民主的で自由な国家に住みたいと願う。ブッシュ大統領が描こうとした世界地図は、誰からも歓迎されるものであったはずだ。
批判されがちなブッシュ氏ですが、ご本人は気さくで人懐っこい性格だったとか。
政策に関しても、イラク戦争以外は中東の民主化を助けたり、テロを防止したり、高齢者が適切な薬の処方と医療措置を受けられるようにしたりと、良い面もたくさんありました。
2代前:夫婦で活躍!ビル・クリントン氏
続いては、ご夫婦ともども政界で活躍されているビル・クリントン氏。
1997年から2001年まで、2期に渡り大統領を務められました。
奥様のヒラリー氏は院卒、弁護士の経歴をもったファーストレディから上院議員となり、一時はオバマ氏と大統領選を争われたこともありましたね。
ご自身も法務博士号を取得されており、政治家になる以前はロースクールで教鞭を執っていたとか。
普通の会社員のご家庭で育ったとのことですが、小さい頃にお父様が亡くなり、その後はかなり苦労されたそうです。
政治家としての道が用意された人生ではなかったからこそ、民衆の心に深く寄り添えると期待されたのかもしれませんね。
経済政策に力をいれた
ジョージ・H・W・ブッシュ大統領を、大統領選挙で「It's the economy, stupid! (経済こそが問題なのだ、愚か者!)」と揶揄したように経済最優先を掲げたクリントン政権はその当初から経済政策に力を入れる。
好景気、インフレのない経済成長を達成
アメリカ経済の中心を重化学工業からIT・金融に重点を移し、第二次世界大戦後としては2番目に長い好景気をもたらし、インフレなき経済成長を達成した。
教育を重視し、海外からの投資も呼び込み、ドル高を維持
教育を重視し、学校へのPC導入など、IT教育を推進した。その他、就学前児童の早期教育プログラムの拡大、移民の英語教育の充実を図った。後期には「強いドル」政策を実行し、他国の通貨に対してドル高を維持し、海外からの投資を呼び込んだ。
アメリカに第二次世界大戦後2番目に長い好景気をもたらした
大統領在任中は特に経済政策に力を入れ、産業の発展や財政赤字の黒字化などによりアメリカに第二次世界大戦後2番目に長い好景気をもたらした。この好景気をもたらした手腕や現在の妻の活躍などがあり、現在も高い人気を誇っている大統領である。
知的で仕事に有能な大統領夫人と二人三脚で政治活動をしたことで有名
ヒラリー・ロダム・クリントンは、1992年に夫のビル・クリントンが大統領選挙に出馬した際に「一つ買えば、もう一つはタダでついてきます!(Buy One, Get One Free!)」と演説したほど知的で仕事に有能な女性であり、二人三脚で夫の政治活動にも取り組むことで世間の注目を集めてきた人物である。
やはり、夫婦二人三脚で政治に取り組んだ、というのが一番注目されているようです。
経済に非常に力を入れられていたようで、実際クリントン政権時代は好景気が訪れたと言われています。
しかし、外交は不得手とのことで、中国や中東との関係を悪化させてしまったことも……。
何でも思い通りにはいかないのが、政治の怖いところですね。
3代前:元アメリカ大統領の中では最高齢!ジョージ・H・W・ブッシュ氏
続いては、1代前の大統領であるジョージ・W・ブッシュ氏の父、ジョージ・H・W・ブッシュ氏。
1989年から1993年まで、1期の間大統領を務められました。
一瞬見分けがつかなくなってしまいそうなほど、息子さんとそっくりですね。
ご存命の元アメリカ大統領の中では最高齢とのことで、現在91歳!
しかしそれでも亡くなった方を含めると、今のところ歴代3位だそうで……驚きですね。
元CIA長官、先進国首脳会議議長などを務められたこともあるパパ・ブッシュ氏ですが、何と家系を遡るとイギリス王室に辿り着くとか。
やんごとなき血統と手腕は、なるべくしてなった、というところでしょうか。
政治的功績が評価され、航空母艦や空港などに名を残される
大統領就任期間中にスキャンダルに見舞われなかった事、また、パイロットという経歴などから、ニミッツ級空母10番艦には、彼の名前が冠される事となった他にも、彼の名を冠する空港などがあり、米国における評価は高い。
最初に取り組んだのは、「麻薬の浄化」
1989年1月、第41代大統領に就任した父ブッシュが最初に取り組んだのは国内における麻薬の浄化であった。彼はその一環として中南米で麻薬交易の中継となっているパナマのマヌエル・ノリエガ政権に対する侵攻を決意する(パナマ侵攻)。
再選をかけた大統領選では、悔しくもクリントンに敗北
湾岸戦争後の緩やかな景気後退や4年前の選挙の「増税はしない」という公約を反故にしていたこと、更に4年前と同様の戦術であるネガティブ・キャンペーンが今度は裏目に出るなどの条件が重なり、民主党のビル・クリントンに敗北した。
大のブロッコリー嫌いで一躍話題に
「ブロッコリーは嫌い。二度と食べない。ポーランド市民がソ連と闘ったように私もブロッコリーと闘う」と発言したことに怒ったブロッコリー農家から、トラックで大量のブロッコリーを送りつけられたことがある。このシーンは全世界のニュース番組で話題となっていた。
麻薬の浄化や湾岸戦争の軍事行動の成功から、一時は支持率89%という驚異の数字を出したパパ・ブッシュ政権でしたが、残念ながら次の大統領選ではクリントン氏に敗れてしまいました。
ブロッコリー嫌いのエピソード等を見るに、ユニークで明るい人柄が窺えますね。
4代前:最年長で大統領に選出!ロナルド・レーガン氏
最後にご紹介するのは、当時69歳と、アメリカ歴代大統領の中では最年長で選出されたというロナルド・レーガン氏。
何やらダンディーな顔立ちですが、それもそのはず。
政治家になる前は俳優さんだったそうで、知名度と巧みな話術を活かして政治家へと転向されたとのこと。
93歳で亡くなられましたが、アメリカ歴代大統領の中では2番目に長寿です。
政策としてはソ連やドイツなど多くの東欧諸国の民主化に貢献したと言われており、冷戦を終結させた大統領として知られています。
俳優出身、歴代最高齢で選出。歴代大統領で唯一離婚歴があった
第40代アメリカ合衆国大統領で、選出年齢が現在歴代最高齢(69歳349日)の大統領である。また、歴代大統領で唯一離婚歴のある大統領でもある。所属は共和党。俳優出身という異色の経歴を持っており、その演技と演出の力は、自身の大統領選で非常に強みとなった。
レーガノミックスと呼ばれる経済政策で、貿易と財政両方で赤字を出した
内政面では、レーガノミックスと呼ばれる経済政策を行い、大幅減税による国民の貯蓄と投資の増進などで経済を建て直そうとしたが、結果的に貿易と財政両方で莫大な赤字(双子の赤字)を出す結果となってしまった。
ソ連を批判、刺激したことにより、アメリカ国内の財政状況を悪化しつつも、ベルリンの壁崩壊で民主化を達成した
外交面では、レーガン・ドクトリンと呼ばれる基本方針を打ち出し、それまで比較的緩やかな関係に落ち着いていたソ連を「悪の帝国」(Evil empire)と直接的に批判して刺激し、宇宙開発競争などを煽って同国の財政状況を悪化させ、崩壊に追いやった他、反共運動を積極的に支援して、ベルリンの壁崩壊や多くの東欧諸国の民主化を達成した。
ソ連の侵攻を抑止する方針を掲げた
レーガン大統領が、
「強いアメリカを目指すぞ!」を国の方針に掲げたお蔭で、
その日に日に進化する軍事技術力の脅威が、
「悪の帝国」ソ連の暴挙を抑止していたのだとも思います。
ダンディな外見とは裏腹に、陽気な一面も
レーガンは入院中にも妻のナンシーに
「ぼくはしゃがみ忘れたんだよ」(弾をよけるために)
と軽口をたたくなど陽気な一面を見せ続けた。
政策の失敗やスキャンダルなどでいくらホワイトハウスが叩かれても、
レーガンの比較的高い支持率は決して急落することがなかったのも、
こうしたレーガンの「憎めない人柄」に拠るところがきわめて大きかったのである。
被弾しても軽口を叩いて場を和ませるなど、非常に陽気な人柄だったのですね。
経済面では批判されるところもありましたが、現在でも根強い人気を誇っているのも頷けます。
みんな個性的!歴代アメリカ大統領の特徴と政策
いかがでしょうか?アメリカという大きな国を背負うだけあって、皆さん個性的で、強い意志のありそうな方々ばかりでしたね。
長所も魅力もそれぞれに違いますが、こうして見てみると各々に苦労したり、失敗したりしながらも国のために試行錯誤していることが分かり、政治がいかに難しいものかが窺えます。
でも、結局は日本のことじゃないし……と思うかもしれませんが、外交関係にある以上は、いつ影響を受けるか分かりません。
過去の歴史や政策を学び、今後のアメリカの動向を意識して見れば、仕事や上司との会話にも役立つことでしょう。