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スタッドレス装着だけで安心しちゃダメ!雪道運転で注意するポイントまとめ
冬に雪が積もりやすい地方にお住いの方は、運転する時必ず「スタッドレスタイヤ」を装着しますよね。しかし、もうスタッドレスがあるから雪道も安心!なんて思っていませんか?実は油断して運転すると、思わぬトラブルを引き起こすこともあるのです。今回は「スタッドレスは付けるつもりだけど、雪道の運転ってどうすればいいの?」というあなたのために、雪道での運転の際注意すべきポイントをまとめてみました!ぜひご参考ください。
その① 「スタッドレスタイヤ」の特徴って知ってる?実は意外なデメリットも!
まず、雪道運転といえば重宝するのが「スタッドレスタイヤ」。
しかし、スタッドレスタイヤにしたから絶対に滑らない!とは言い切れません。
スタッドレスタイヤは寒い場所での吸着性能を高めるため柔らかく造られており、ブレーキが効きにくくなるというようなデメリットが生じることもあるのです。
また、使い方にもよりますが一般的には3年を目処に寿命が訪れるとのことなので、同じスタッドレスタイヤを5年も10年も使用することはできません。
スタッドレスタイヤは高いし、駆動輪だけ交換すればいいよね?と思う方もいるでしょうが、あまり意味がありませんので4輪すべてをスタッドレスタイヤに替えてください。
スタッドレスタイヤが間に合わない場合でも「チェーン」という方法がありますから、ノーマルタイヤのみで出かけようとするのはできる限り控えましょう。
チェーンよりもスタッドレスタイヤの方が安全性は高いとされていますが、それでも何も付けないよりは何倍も安全ですよ。
冬になったら「スタッドレスタイヤ」に交換!
スタッドレスタイヤは雪が降り始める前に履いたほうが良いと言えます。
初雪が降り始めるだいたい1~2か月前くらいの購入がオススメです。
東京であれば11月後半から12月頭までには済ませておきたいですね。
スタッドレスタイヤは「ブレーキが効きにくくなる」こともある!大雨の際は速度控えめで
スタッドレスタイヤは、寒い場所での吸着性能を発揮させるために柔らかく作られていて、サイプも刻まれているのでブロックの倒れ込みが発生し、ステアリングの反応が遅かったり、ブレーキも効きにくくなります。また、水はけの性能も夏タイヤとは異なるので、特に高速道路を走る場合にはハイドロプレーニング現象に注意して走行しなければなりません、大雨の時には速度を控えて走ることが必要です。
スタッドレスタイヤには「寿命」もある!毎年状態を確認しよう
スタッドレスタイヤには当然寿命があります。
使用限界を見極めるには大きく下の二つを確認することが大切です。
・ミゾの深さ (スタッドレスタイヤとしての機能が確保できるか)
・使用年数 (ゴムが劣化して性能が落ちていないか)
スタッドレスタイヤには冬用のタイヤとして雪道や氷のはった道を走行できる溝の深さが定められています。
その基準となるのは、新品時から見て溝の深さが50%のところ。
プラットホームが露出して溝が50%以下になるとスタッドレスタイヤとしての性能が十分に引き出せなくなりますので、雪道や氷道などでは使用ができなくなります。
スタッドレスタイヤは経年劣化をしていくものです。
その目安は3~4年程度ですが、保管状態によって品質の持続にはばらつきがあります。
駆動輪だけでなく「4輪全部」のタイヤを交換して!
必ず4輪セットでつける
前輪2本だけに装着しておけば…という考えは危険! 前輪だけにスタッドレスタイヤを装着した場合は前・後輪のグリップ力の差により、ブレーキをかけた時に後輪だけが滑ってしまいます。必ず4輪セットでスタッドレスタイヤを装着してください。
その② 急ブレーキ、急発進はいつも以上に厳禁!基本ゆっくり走行しよう
次に、雪道での運転で注意すべきことは「急ブレーキや急発進を控える」というもの。
運転に慣れていない方は言われなくても怖くて飛ばせない!と思ってしまうでしょうが、慣れている方はついいつもの調子で走らせてしまいがちです。
まずはアクセルから、柔らかく靴底を踏むようなイメージで行いましょう。
アクセルもブレーキも加速も、基本的にはいつもの6分くらいを目安にすると良いと言われています。
急ブレーキ、急ハンドルは絶対に厳禁!これはスリップの原因になりますし、万が一の場合は命にも拘わりますので、注意してください。
また、車線変更や追い越しなどを日頃やりがちな方は、雪道の日は控えるようにしましょう。
車線の間に雪がたまっていることも考えられますし、急な反応がしにくいので大変危険です。
車間距離はいつもより特に広めにとり、数台前の状況までしっかりと把握しつつ、安全に雪道を運転してくださいね。
アクセルは急がないで!いつもの6分目くらいの速度を心がけよう
スタートはローギアで、タイヤのグリップ力を充分に発揮させるため、アクセルの踏み込みはゆっくりと。踏み込みすぎは空転します。
ローギアでスリップする場合は、セカンドギアでの発進も一つの方法です。
登り坂での発進は、より慎重に。半クラッチを活用し、アクセル操作のコツを覚えましょう。
アクセル操作時、又はブレーキ操作時のスリップで、車はバランスを失って尻振り、スピンにつながります。加・減速をゆるやかに、旋回時はスピードを落とし、安全を確かめながら慎重に。
わだちのある道ではハンドルをとられないように細心の注意で。
坂道では事前にシフトダウンし、適切なスピードで。特に下り坂はエンジンブレーキの活用がポイントです。
急ブレーキは厳禁!ブレーキする時は絶対にハンドルを切らないように
スタッドレスは、低温でも硬くならないように作られているため、 濡れた路面での摩擦係数が下がってしまうという欠点があります。 つまり、急ブレーキを踏んでもなかなか止まらない、といった事になってしまうのです。
かといって、乾いた路面でも、トレッドに細かく入った切れ込みがブレーキ時にかかる力に負けて変形しやすくなり、ブレーキ性能は悪いのです。
車線変更や追い越しなどは避けて!車間距離は広めにとろう
通常の乾いた道の制動距離(ブレーキをかけてから車が完全に停止するまでの距離)の2〜3倍かかるという感覚を持って、車間距離を充分にあけることが必要です。
一般道では特にスピードが遅い分、油断して車間距離が縮まってしまう傾向にあるので意識して車間距離を空けることを心がけましょう。
その③ カーブや交差点、坂道など、平坦じゃない雪道は特に慎重に運転しよう!
最後にご紹介するのは、カーブや交差点、坂道など平坦ではない雪道の運転について。
まず、交差点は交通量が多い上に複雑に絡み合っているため、路面の雪や氷が溶けたり凍ったりを繰り返して「アイスバーン状態」になりがち。
中には後述する轍(わだち)も存在しますので、慎重に走りましょう。
カーブの時も同様に、曲がる前に充分に減速をしておく必要があります。
いつもなら多少無理に曲がっても大丈夫という道も、雪道では命に関わる恐れもありますから、直線の時点でスピードを落とし、余裕を持って曲がれるようにしておきましょう。
坂道は特に、雪の日は危険が多いと言われています。
上りは駆動方法によってはかなり苦手なものもありますので(スポーツカーに多いFR車は雪の坂道は不向きだと言われています)途中に急な坂道があるならスタッドレスタイヤにチェーンを重ねるくらいで良いかもしれません。
下る時はエンジンブレーキを利かせて徐行運転!下ってからすぐに停止しなければならない状況もあるので、余裕を持ったスピードで下りてください。
最後に「轍(わだち)」ですが、これは車が走った跡のことですね。
雪道を自動車や自転車などで走った経験がある方は分かると思いますが、雪道ではむしろ新雪部分より轍部分の方が滑りやすくて危険です。
乗り越える際にはやはりゆっくり減速して、慎重に進みましょう。
ただし直線の中に轍が多く作られている場合は、無理に乗り越えるより轍に嵌まった方が揺れながらも安全に走行できることがあるとか。
その場の状況を見て、臨機応変に対応することが求められますね。
減速&無理に走行しないのがポイント!注意点を押さえて安全に雪道を運転しよう
いかがでしょうか?雪道を安全に走行するためには、主に「スタッドレスタイヤを装着する」「ゆっくり、慎重に走る」「無理な走行はしない」というのがポイントなのですね。
4WDをはじめ悪路走行に強い車種というものもありますが、どのような車に乗っていてもスリップする時はしますから、油断せず万全の態勢で臨みましょう。
最悪大雪の際はなるべく公共交通機関を使う、職場の近くに泊まるなどの対策も考えつつ、身の安全を最優先に雪道の運転を検討してくださいね。