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焼酎とどう違う?沖縄の名酒「泡盛」の詳細&おすすめ銘柄をチェック!
泡盛といえば、琉球諸島(沖縄地方)を原産とした蒸留酒として有名ですよね。日本の蒸留酒としては焼酎が有名ですが、泡盛は一体どういったところに違いがあるのでしょうか?今回は「泡盛ってそういえば飲んだことないなあ……どんな味がするんだろう」と気になっているあなたのために、泡盛の定義や焼酎との違い、おすすめ&代表的な銘柄などについてまとめました。泡盛に詳しくなれば、周囲からもすごい!と思われてしまうかも?
原料はタイ米!焼酎と似ているようで違う「泡盛」ってどんなお酒?
そもそも泡盛とは何か?というと、「タイ米」を原料として「黒麹菌」を用い、「単式蒸留機で造られる」のが特徴の蒸留酒です。
日数や温度による劣化が少なく、一度開けても常温保存が可能なので、自宅に置いておくにも安心なお酒と言えるでしょう。
泡盛の歴史は非常に長く、琉球王朝時代(15世紀末ごろ)から存在し、江戸幕府に献上されたこともあるとされています。
焼酎と泡盛の違いですが、大まかに言えば「原料」と「製法」にあります。
分類で言えば泡盛はいわゆる「本格焼酎」と同じものなのですが、焼酎が米や芋、麦など様々な穀物を使い、白麹菌を用いて焼酎酵母で発酵、二次仕込みをして蒸留……という流れを辿るのに対し、泡盛は前述した通りタイ米を原料として黒麹菌を用い、泡盛酵母で発酵、二次仕込みなしで蒸留……という流れになるのです。
泡盛は「タイ米」と「黒麹菌」を使い、単式蒸留機で造られるのが特徴!
泡盛の大きな特徴は次の4点といえます。
1. 原料にタイ米を使用する。
2. 黒麹菌を用いる。
3. 仕込みは1回だけの全麹仕込みである。
4. 単式蒸留機で蒸留する。
日数、温度による劣化が少ないため、保存や管理も簡単!
清酒・ビール・ワイン等と違って、日数、温度による劣化が少なく、安心して扱えるお酒です。開栓後、常温に置かれてもまったく腐敗する心配はありません。
米麹造りの複雑な風味は、肉の臭みを中和し、脂料理のしつこさを消してくれます。
歴史は非常に長い!琉球王朝時代から存在し、江戸幕府に献上されたことも
泡盛の歴史は15世紀末までさかのぼる。海洋国家として中国やタイなど、東南アジア諸国と盛んに交易を結んだ琉球王朝時代、衣食住さまざまな文化とともに蒸留酒の製造技術が伝えられた。「泡盛は中国からの冊封使(使者)をもてなす歓待の酒。1671年には薩摩藩を通じて江戸幕府に献上されるなど、琉球王国の歴史とは切り離せない存在でした。一口含めば血行を促進し、体が温まる。当時の江戸の人々は薬として珍重していたようです」
焼酎と泡盛の違いは「原料」と「製造方法」にあり!
泡盛は、日本の税法上では単式蒸留焼酎(かつての乙類焼酎)に分類され、本土の本格焼酎と同じジャンルになります。しかし、その製法には大きな違いがあるのです。
まず、ほとんどの泡盛が、原料にタイ米を使用すること。
次に黒麹菌を伝統的に使用していること。
さらには、仕込み方法にも違いがあります。
熟成させれば「古酒」にも育つ!戦前は50年~100年物が貯蔵されていたことも
泡盛は寝かせれば寝かせるほど熟成されるものでもあり、大切に管理しておけば「古酒(こしゅ)」という貴重なお酒になります。
何とその気になれば100年でも200年でも育てることができるとのことで、戦前は50年もの、100年ものなどを貯蔵していた蔵元も多かったのだとか。
さらに、こうやってできる泡盛には、「古酒に育つ」という大きな魅力があることも忘れてはいけません。ウイスキーやブランデー、ワインなどにもビンテージ物はありますが、泡盛は、大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。このようなお酒は、世界でもほとんど例をみません。第二次世界大戦で100年を超える古酒はほとんど失われてしまいましたが、戦後育てられた20年、30年といった古酒でも、その芳醇な味わいと甘い香りは、高く評価されています。
・泡盛に添加物を加えることは酒税法上禁じられている。
・年月経過で自然に熟成する。300種類の有効成分が含まれており酒質を醇化させる。酒は呼吸すると言われている。 3年以上熟成させた泡盛を古酒(公正取引に依る)として珍重されている。
・泡盛はカメ貯蔵だけでなくビンその他のどんな容器でも熟成する。
・戦前は、50年、100年の古酒を貯蔵していた蔵元も多かった。
泡盛ってどんな味?美味しい飲み方もチェック!
気になる泡盛の味わいですが、本格派のものになるとかなり独特の香りとキレがあります。
特に長期熟成された古酒は濃厚なのだとか。
泡盛は元々焼酎よりアルコール度数が高いものも多く、最高43度とウイスキー並みの製品もあるため、飲む時は注意しましょう。
実際に飲んだ人の感想もそれぞれで、ある人はバニラのような香りと称し、またある人はヤギの臭いと称し……という幅の広さですが、共通するのは「とにかくパンチが強い」ということ。
一口では良さが分からないほど奥深いお酒なので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
飲み方は焼酎と同じくストレートやロック、水割りやお湯割りなどがありますが、甘いカクテルにして楽しむのもアリです。
水割りにする時は度数によって泡盛と水の配合を変えたり、お湯割りにする時はシークヮサー果汁やレモン果汁を入れたりと、好みに合わせた楽しみ方も。
味わいはかなり独特!特に古酒は濃厚で、アルコール度数が高いものも多い
他の地域の米焼酎とは製法が違い、泡盛特有の風味を持っています。特に、熟成期間を長くして造った古酒(クース)泡盛は特有の香りと濃厚な丸味があります。
また、泡盛は他の焼酎よりアルコール分の高い製品が多く、最高43度までの製品があります。
ソフトタイプ:
泡盛特有の香りと濃醇でキレの良い旨味。
ハードタイプ:
長期熟成した古酒は独特の芳香と濃厚な丸味、旨味。
飲んだ人の感想もそれぞれ!徐々に魅力が分かってくる、奥深い酒かも?
○比喩
「まるで~のようだ」と例えるのである。その例え方も二通りある。
一つは、他の食品に例えて表現する例。
・果物のような甘さがある
・バニラの香りがする
・化学調味料を入れたような
もう一つは、食品以外のもので表現する例。角があるとか、丸いといった言葉は良く聞かれるが、中にはこんなものも。
・腐葉土を食べているみたい
・ヤギの臭いだ
あまり良くない評価が多いか?ワインの世界にも「赤土」だの「雨降り」だの、不思議な表現があるらしい。
ここまでは、香りと味を表現しているわけだが、中にはこんなことを言う人も。
・これ、口の中で暴れるよ
・若いなあ
・ガツンとくるね
・スルスルっと入るよね
・針で刺されたみたい
○時間表現
泡盛は、一瞬で味わえるものではないらしい。このように時間経過を表現してくれる人も多い。
・飲み込んだ後、胃の中に入って、もう一度鼻に帰ってくるよね
・一度に広がるんだけど、すぐにきえてしまう
・徐々に強さを感じる酒だな
・飲めば飲むほど、味が強くなっていくような気がする
・余韻が長くて、いつまでも口の中に残っている感じだが悪くないね
○位置の表現
体のどの部分に何を感じるか。これを表現する人も多い。
・口元に持ってきたときの香りはやさしいんだけど、口の中に入れると辛い
・舌の先がしびれるよ
・鼻の奥にガツーンときてから、喉が焼ける
・喉の奥までスッと入っていくけれど、胃に到達した途端、爆発するね
お湯割りにはレモン果汁を入れるのも美味しい!好みに合わせて選べる飲み方
ストレート
泡盛・古酒の濃厚な芳醇さをじっくりと楽しむ事ができます。
ツウの方の飲み方です。
片手にはお水をお忘れなく。
オンザ・ロック
氷のカケラを上に泡盛を注いで、泡盛・古酒の味わいとヒンヤリしたのど越しを楽しむことができます。
水割り
30度の泡盛は(酒5:水5)、43度の場合は(酒3:水7)くらいにすると泡盛の独特の甘味を感じることができます。地元沖縄で最も一般的な飲み方です。
お湯割り
お燗にするというより、ひと肌に冷めたお湯を泡盛に注いでいただきます。泡盛は度数も高く全米製ですので、のびが効き(水っぽくならない)秋の夜長、冬の夜を暖かくポカポカと体を温めます。
シークヮサー果汁やレモン汁を入れるのもおススメです。
甘めのカクテルやパンチにする方法も!お酒に弱い方でも楽しめる
泡盛ジンジャー
泡盛……2oz~
ジンジャーエール……適量
氷を入れた8オンスグラスに泡盛を注ぎ、ジンジャーエールで割る。
最後にレモンスライスを飾る。
泡盛パンチ(10人前)
泡盛……10oz
赤ポートワイン…… 5oz
オレンジジュース……5oz
パンチジュース……5oz
グレナーデンシロップ……1oz
レモンジュース……2oz
コアントロー……2oz
材料をパンチボールの中に入れ氷を加える。オレンジ、パイン、レモンスライス、チェリーなど、お好みの果実を入れ、完成。
泡盛の美味しい飲み方
泡盛の美味しい飲み方が詳しく書かれているページです。
上に引用している以外にも、様々なおすすめカクテルの作り方が紹介されています。
最初はどれを飲めばいい?泡盛の代表的&おすすめ銘柄3選!
さて、泡盛についてや飲み方は分かったけど、はじめは一体どの銘柄を飲めばいいの?と思いますよね。
そんなあなたのために、今回は「初心者向け」!泡盛の代表的かつおすすめの銘柄を3つまとめました!居酒屋に行ったらぜひ思い出してみてください。
初めて飲むなら絶対これ!沖縄に限らず全国的に有名な「残波」
最初にご紹介するのは、初めての泡盛なら絶対にコレ!な「残波(ざんぱ)」。
全国的に有名な泡盛で、どこの居酒屋に行っても大抵置いてあると言っても過言ではありません。
とにかく飲みやすいのが特徴的で、泡盛ならではの香り(あるいは臭み)が少ないので、焼酎しか飲んだことがないという方でも安心して味わえます。
中には残波しか飲んだことがない状態で「泡盛もイケるじゃん!」と思っていたら、濃厚な銘柄を飲んで衝撃を受けたなんて人もいますから、注意してくださいね……。
泡盛といえば「残波」というぐらい定番の泡盛の「残波」。
沖縄の居酒屋では、ほぼ確実においており「ザンシロ」の愛称で呼ばれ、
「とりあえず ビール」ではないですが、
「とりあえず ザンシロ」っていうぐらい定番の泡盛!
蒸留器にこだわり、飲みやすさを追求した残波は、発売から20年程経った今も、幅広い層から支持される人気の泡盛です。
ぜひ一度、この飲みやすさを味わってみてください。
もっと、しっかりした味わいがお好みなら、 姉妹品の残波(黒)もございます。
『残波』の良い所は、何と言っても、癖が少ないところなのです。
泡盛って、ものによっては独特の強めの香りがふわんと香ってくる酒種もあるのです。
なので、例えば泡盛が初めてなのに、そう言う強烈なやつを飲んじゃうと、へんな苦手意識が芽生えてしまってもおかしくありません。
その点、残波だったら癖っぽい感じが少ないので、安心して飲めちゃう感じだと思うのですよね・・・
名前からして美味しそう!?香ばしい風味が特徴「カリー春雨」
続いては、名前を聞いて「え?カレー春雨?」なんて失礼なことを思ってしまいそうな「カリー春雨」。
カリーとは沖縄ではお祝い事に使われる方言だそうです。
一口目はすっきりと滑らかで、こちらも非常に飲みやすい泡盛なのですが、徐々に旨みが強くなってきて、最後にはナッツのように香ばしい味わいが広がります。
甘みのあるお酒が好き!という方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
カリーとは沖縄でお祝い事などに使われる方言です。泡盛本来の良さを失わず、レギュラー酒ですが、香り高くクース風味があります。濃厚でありながら、キレの良い銘酒です。毎日の定番酒としては贅沢すぎるこの味わいに、きっと病みつきになる事でしょう。超人気の「春雨カリー」を存分にお楽しみ下さい。
人気の一番の理由は、まさに味わい。一口目はすっきりとクリアでなめらかだが、中盤から柔らかい旨味がでて、泡盛特有のミネラルの風味と旨味が広がる。アフターにはアーモンドやカシューナッツみたいな香ばしさが驚くほど長く心地よく残る。ともかく、素直においしいと思える泡盛だ。ちなみに、「カリー」は、めでたいの意味で、縁起をよくさせるときに「カリーをつける」という。堂々1位の「カリー」で乾杯!
泡盛ならではのクセを楽しみたい方向け!名前からは想像できないパンチ「白百合」
最後にご紹介するのは、ある程度泡盛に慣れた人向けの「白百合」。
名前からは何となくスッキリと清流のような泡盛を想像してしまいますが、実のところかなり個性的な味わいです。
それこそヤギの臭いならぬ「土の臭い」が鼻につんと付く感じなので、初めての泡盛にはちょっと厳しいかもしれません。
しかし、慣れると何と他の泡盛では物足りない!と感じてしまうのだとか。
ある意味中毒性の高い泡盛なので、好きになってしまったら飲みすぎにご注意を。
100%天然醸造、昔ながらの手作りの泡盛「白百合」。
甕貯蔵の香り・風味は、とても個性的な味わいで、 この味に慣れてしまうと、
他の泡盛では物足りなくなってしまいます。
クセがある泡盛が好きな方には圧倒的な人気を誇る泡盛「白百合」です。
現在のマイルド志向の泡盛業界の中、昔からの泡盛本来の強いクセや味わいを残す、
数少ない泡盛です。
一口飲んでみれば一発でわかるとおもうのですが、白百合は「土」の匂いがします
土というか、土で出来た龜(カメ)とか、土埃みたいな香りと言えばよいのでしょうか。
とにかく、他の泡盛では味わうことの出来ないような癖っぽい風味を味わうことができるのですよ。
したがって、ダメな人には絶対に受け入れることが出来ないような味の泡盛でしょうね〜
でも、慣れると癖になってしまって、わざわざ取り寄せてでも飲みたくなっちゃう!・・・そんな泡盛だと思います。
飲みやすいものから徐々にチャレンジ!泡盛を好きなお酒のひとつにしよう
いかがでしょうか?飲んだことがない人の中には、泡盛=焼酎という考えもあったでしょうが、実はほとんど違うと言っても良いお酒なのですね。
まずは飲みやすいものからチャレンジしてみて、大丈夫そうだったら玄人向けの銘柄を飲む……という風にすると徐々に慣れていくでしょう。
泡盛は「強い人が飲むお酒」というイメージもありますから、居酒屋で頼んだら周りの人々からすごい!と思われてしまうかも?