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マーケティングで「勝者」になれる?ランチェスター戦略を徹底解説

営業や販売競争に勝ち残るため、必要不可欠な法則とされる「ランチェスター戦略」。しかし、一体どのような意味の言葉で、どのような内容の戦略なのでしょうか?今回は「初めて聞くんだけど……知っておかなきゃダメなの?」と不安なビジネスマンの皆さんのために、ランチェスター戦略の考え方や活用方法について詳しくまとめてみました!これを読めば、明日からの仕事がもっと効率よくなるかも?ぜひご参考ください。

ランチェスター戦略は「戦争での理論」が原点だった!

出典:https://www.pakutaso.com/20130950269post-3310.html

ランチェスター戦略とは、1970年代のオイルショックをきっかけに、コンサルタントの草分け的な存在である田岡信夫氏によって提唱された「市場戦略に勝つため」の考え方のことです。
元々はイギリスの航空工学のエンジニア「フレデリック・ランチェスター」によって戦時中考えられた戦争理論が原点で、兵力を活かしていかに販売競争に勝ち残るか、という風に応用されました。

実際、トヨタやソフトバンク、後述のセブンイレブンなど、日本でもこれを取り入れた企業が現在でも繁栄していることから、ランチェスター戦略は市場戦略、販売競争のバイブルとなっています。
ランチェスター戦略を分かりやすく言えば「戦いにおいては戦力(兵力)が物を言う」ということなのですが、曖昧な定義ではなくこれを具体的に数値化したからこそ納得しやすく、今なお普遍的に語り継がれているのですね。

ランチェスター戦略は「市場戦略に勝つため」の考え方のこと!

出典:https://www.roberthalf.jp/ja/blog/winning-competition-talent

ランチェスター戦略は、現在の経営やマーケティング戦略にも活用できる、市場攻略の戦い方です。

市場には必ず競争相手がいます。その競争相手から顧客や市場シェアを奪うのは、ビジネスの最優先事項です。

出典:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-glossary/lanchester-strategy-20140303/

1970年代、オイルショックを乗り越えるために日本で考えられた戦略!

出典:https://shibari.wpblog.jp/archives/5361

1970年代前半、オイルショックが起こり、それまでの高度経済成長期から一転して日本は不況となります。
市場縮小期に、企業はどうやって勝ち残るのか。
コンサルタントの草分けの故田岡信夫先生(1927〜1984)は、それまでのスピード勝負、体力勝負によらない、科学的・論理的な経営戦略・営業戦略が求められると考えました。
成熟市場で企業がいかにサバイバルするかを指導するのがランチェスター戦略です。

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取り入れた大企業が今日まで繁栄していることから、競争・販売戦略のバイブルに!

出典:http://zero.edition.jp/archives/1932

取り入れた企業は大不況を乗り越え、今日も繁栄しています。
トヨタ、パナソニック、日本生命、武田薬品などの大企業、ソフトバンク、エイチアイエス、フォーバルなど当時のベンチャー企業、そして多くの中小企業。
数多くの実績と、後進のコンサルタントやマーケッターへ多大な影響をもたらしたことから、ランチェスター戦略は日本において競争戦略・販売戦略のバイブルといわれています。

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元々はイギリスで生まれた「戦争理論」だった!

日本で生まれた競争戦略ですが、カタカナの名前がついているのは、「ランチェスター法則」という戦争理論が、その原点だからです。
ランチェスター法則は、イギリス人の航空工学の研究者F.W.ランチェスター(1868〜1946)が第一次世界大戦のとき提唱した「戦闘の法則」です。
兵隊や戦闘機や戦車などの兵力数と武器の性能が戦闘力を決定づけるというものです。

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「戦力(数)」にアプローチした戦略だからこそ、普遍的に語り継がれる!

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ランチェスターの法則とは、「戦闘力=兵力の質✕量」という法則です。戦いにおいて「戦闘力」はとても重要です。「戦闘力」を数学的に、定量的にアプローチすることをはじめて論じたのがランチェスターなのです。

ランチェスターの法則では、1位を強者、2位以下をすべて弱者と定義します。

出典:https://ferret-plus.com/534

世界の歴史上、多くの戦略や戦術が語り継がれてきました。日本でも、多くの経営者がスピーチのさいに、中国の孫子の兵法を引き合いに出すことも少なくありません。

しかし、ランチェスター戦略の注目すべき点は、その戦略を数字で算出可能にしたところです。エンジニア出身だったランチェスターならではのアプローチであり、普遍的に語られる理由でもあります。

出典:https://ferret-plus.com/534

「2つの法則」から成る!ランチェスター戦略の理論とは?

出典:https://www.pakutaso.com/20150600153post-5589.html

ではいよいよ、ランチェスター戦略の詳しい理論についてお話致しましょう。
ランチェスター戦略には「第1法則」と「第2法則」という2つの法則があります。
これはそれぞれに戦い方が異なるもので、企業の大きさや立ち位置によって、どちらを参考にするかも違ってきます。

第1法則は「1対1」の原始的な戦いを勝ち抜くための戦略!

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まず、第1法則は「1対1」での原始的な戦いを勝ち抜くための理論で、「戦闘力=武器効率 × 兵力数」というシンプルな公式によって導き出されます。
つまり、同じ兵力数ならば効率が高い方の勝ち、個々の戦闘力を上げることによって市場競争を勝ち抜く、というもので、基本的には中小企業が取るべき戦略だと言われているそう。

大企業に勝つためには、規模を大きくするのではなく「絶対に負けない」という強みを作ること。
競争の場を絞ることが、中小企業や業界No.2以下の企業(この理論においては「弱者」)にとって適切なやり方なのですね。

ランチェスター第一法則

一対一が戦う一騎討ち戦、狭い範囲で(局地戦)、敵と近づいて戦う(接近戦)原始的な戦いの場合は第一法則が適用します。
第一法則の結論は次の通りです。

戦闘力=武器効率 × 兵力数

実にシンプルな法則です。
同じ兵力数なら武器効率が高いほうが勝ち、同じ武器効率なら兵力数が多いほうが勝ちます。

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中小企業は第1法則を参考に、強者(大企業)と差別化できる戦略を取る!

戦闘力=武器効率(質)✕兵力数(量)
です。

兵士の戦闘力が同じであれば、兵士の多いほうが勝つ、というものです。中小企業は兵力は勝てないことが多いため、質を高めていくことが一般的に中小企業のとるべき戦略といえます。
数で負けてしまう可能性があれば、地の利を活かし、局地戦に追い込み、相手の戦力を減らすことが重要です。ですから、中小企業では個々の戦闘力を上げる内部施策が有効です。本人のパフォーマンスが上がるのであればフレックスな勤務体系にするなど。

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●局地戦:ニッチ市場やスキマ市場に競争の場を特化し、トップ企業と戦う
●一騎打ち:特定の場所に資源を集中し、トップ企業と戦う
●接近戦:強者より先に顧客ニーズの把握や顧客へのコミュニケーション強化を図って、商品のヒット率を上げる
●陽動作戦:従来のパターン以外の展開をはかり、強者を出し抜く
●一点集中:攻撃目標をひとつに絞って、強者の弱点を重点的に攻める

出典:https://careerpark.jp/55000

第2法則は「武器」を使う近代的な戦いを勝ち抜くための戦略!

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続いて第2法則についてですが、これは第1法則とは違い「1対複数」「複数対複数」を想定した大規模戦闘の理論です。
そうなると銃や戦車、ミサイルなどといった大型の武器が必要になりますよね。
これは「戦闘力=武器効率 × 兵力数の2乗」という公式から導き出されますが、兵力数が2乗になること以外は基本的に第1法則と変わらないようです。

第2法則が参考になるのは、先ほどとは違い「大企業」及び「業界No.1の企業」、つまり強者ということですね。
大手は既に大規模な兵力(社員)と資金を持っていますから、とにかくお金や人材を惜しまず、総合力で他社を圧倒する必要があります。
具体的には、様々な分野に手を伸ばすことで、2位以下の企業がのし上がるのを防ぐ「ミート戦略」が代表的です。

ランチェスター第二法則

近代的な戦いの場合に適用するルールをランチェスター第二法則といいます。
集団が同時に複数の敵に攻撃をすることのできる近代兵器(確率兵器という)を使って戦う戦闘方法を確 率戦といいます。
第二法則が適用される戦闘は確率戦で、広い範囲で(広域戦)、敵と離れて戦う(遠隔戦) 場合です。
マシンガンを撃ち合う集団戦をイメージしてください。
第二法則の結論は次の通りです。

戦闘力=武器効率 × 兵力数の2乗

出てくる言葉は第一法則と同じです。
違いは兵力数が2乗となることです。
武器効率は変わりません。
確率戦は相乗効果をあげるから兵力数が2乗に作用するのです。

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大企業は第2戦略を参考に数で弱者を圧倒し、幅広い領域で総力戦を行う!

強者がとる戦略というのは、弱者が行って成功した戦術を真似し、それを数で圧倒し、膨大な資金によって広域に拡散(もしくは成功を買収する)させます。資金の有効的な投資が鍵となります。

人材の確保では、人材獲得サービスを使うことからヘッドハンティングへ。さらに人材獲得のためには企業買収など。とにかく火力に物を言わせた攻勢と、代理店や宣伝など広域の覇権を取るような打ち手が基本です。

出典:https://ferret-plus.com/534

市場シェアが1位である強者が取るべきマーケティング戦略は、さまざまな分野に手を伸ばすことで、2位の企業がのし上がろうとする行動を防ぐことです。これらを「ミート戦略」といいます。
具体的な戦略は以下の通りです。
●広域戦:弱者の局地戦に対応
●総合戦:弱者の一点集中に対応
●確率戦:弱者の一騎打ちに対応
●誘導作戦:弱者の陽動作戦に対応
●遠隔戦:弱者の接近戦に対応

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一体どう活かされた?ランチェスター戦略で「勝者」となった企業の例!

出典:http://xn--fax-gk4bueyb1o.net/seveneleven.html

最後に、実際ランチェスター戦略で「強者」となった、あるいは大企業と差別化を図り、会社を存続した例を見てみましょう。
まず、コンビニエンスストア業界ではNo.1のシェアを誇る企業「セブンイレブン」。
セブンイレブンは一定の地域に出店を集中させ、シェアの拡大を図る「ドミナント戦略」を取り、既に47都道府県に店舗を出していたローソンに勝利したと言われています。
これは限られたエリアに絞って相手を圧倒する「第1法則」が当てはまりますね。

また、自動車業界では日本一である「トヨタ」も、未だに「ミート戦略」を駆使して他の企業を圧倒しているよう。
トヨタは特にハイブリッド車に誇りを持っているため、性能を保ちながらも他社より安価に収めるといった方法で、業界トップの座を守り続けているとのこと。

最後に、コーラで有名な「ペプシ・コーラ」も「コカ・コーラ」との差別化を図るべく、カップベンダーによる販売とスーパーマーケットでのファミリーサイズ販売を行ったそう。
このように、実在する大企業もランチェスター戦略を用いて成功しているのですね。

出店する都道府県を絞って業界No.1に!「セブンイレブン」

セブンイレブンと言えば、コンビニエンス業界で圧倒的なシェアを誇るナンバーワン企業。弱者なハズはないと誰もが思うかもしれませんが、実は数年前までは、1位どころか出店すらしていないエリアもありました。

そんなセブンイレブンが1996年、大阪に初進出するにあたって実践したのが「ドミナント戦略」。特定地域内に高密度集中で出店を続ける方法です。大阪と言えば当時はローソンの地盤。地域内シェアをひっくり返すことは非常に困難かと思われましたが、300店舗を超えたあたりから集客力が急激に伸び始めました。

おそらく、短期集中型の出店攻勢に、地域住民の間で「ここにも店が、あそこにも店が」と認知度が高まったと同時に、「セブンイレブン=馴染みがない」といった心理的距離がなくなったことが要因かと思います。

その後、セブンイレブンは関西地域でも1店舗あたり平均日販でトップに立つに至りました。まさにこの時のドミナント戦略こそが、セブンイレブンの【一点集中主義】であったと言えるでしょう。

出典:http://rules-of-success.jp/technique/lanchester-strategy/

今でも「ミート戦略」を徹底している!車業界のNo.1「トヨタ」

出典:http://www.eieonline.com/Partners/CollaboratingPartners.aspx

強者の戦略の一つが、ミート戦略です。
市場を常に開始し、他社が差別化した商品を投入したら
常に後から、同様の商品を投入します。(ミート戦略)

このわかりやすい事例が、ハイブリッド車の価格です。

先日、発表されたトヨタ自動車のアクア、169万円にはびっくりしました。
そこまで安くしなくてもと、思ったからです。

でも、これは徹底した強者の戦略でした。

トヨタ       ホンダ   
プリウス 205万円 インサイト 189万円
アクア  169万円 フィットハイブリッド 159万円

出典:http://ameblo.jp/se-terui/entry-11136162647.html

実は、ホンダとトヨタではハイブリッドシステムが異なり、
トヨタの方が複雑で価格が高い反面、市街地での燃費は良く、
その差を考えると、トヨタの方がお値打ちなのです。

実際、インサイトはプリウスほど売れませんでした。

これは、トヨタにとってもハイブリッド車は、主戦場で
何が何でも負けるわけにはいかないのです。

このように弱者がせっかく、差別化した商品を先行して市場に投入しても
強者がミート戦略を取り対抗すれば、勝つのは難しいです。

出典:http://ameblo.jp/se-terui/entry-11136162647.html

弱者の戦略でコカ・コーラと差別化!「ペプシ・コーラ」

出典:http://lowch.com/archives/2579

コーラといえば「コカ・コーラ」か「ペプシ・コーラ」を連想するでしょう。
1950年代のアメリカでは、弱者のペプシ・コーラが強者であるコカ・コーラと競合しない、カップベンダーによる販売と、スーパーマーケットでのファミリーサイズ販売を行いました。まさしく強者と差別化した戦略です。その結果、コーラのシェアを大きく伸ばしていきました。この戦略は、まさにランチェスター戦略の弱者の戦略と捉えられるでしょう。

出典:https://careerpark.jp/55000

企画や営業にも活かせる!ランチェスター戦略を頭に入れておこう

出典:http://www.leadluce.com/businessmodel/lanchester/

いかがでしょうか?ランチェスター戦略はマーケティングには必須とも言われる理論ですが、実際に数々の企業がそれで成功を収めているのですね。
これは企業同士の話だけではなく、視点を絞れば日々の企画や営業活動にも活かせるものですから、ぜひ頭に留めておきましょう。

ランチェスター戦略を意識しつつ仕事をすれば、企画書や会議などで一目置かれるかもしれませんよ!
しっかり理解して、仕事に生かしてくださいね。

マーケティングで「勝者」になれる?ランチェスター戦略を徹底解説