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実はOK!やっぱり危険?「食べ合わせ」の言い伝えって本当なの?
鰻と梅干し、天ぷらとスイカなど、古くから「一緒に食べるべきではない」と言われてきた食材たち。いわゆる「食べ合わせ」ですね。しかし、これらは本当に一緒に食べると身体に悪いのでしょうか?今回は「食べ合わせって親から散々聞かされたけど、どこまで本当なの?」というあなたのために、夏は特に気になる!食べ合わせの謎について迫りました!これを読んで知識を増やせば、ピッタリの食べ合わせで健康的な身体になれるかも?
食べ合わせとは、良くも悪くも「食材の相性を示す」言葉のこと!
まず、食べ合わせってなに?という方のために、詳しい意味をまとめてみました。
食べ合わせは別名「合食禁」とも呼ばれ、その場合基本的には「一緒に食べると悪い」とされる食材同士のことを表します。
一緒に食べることでお互いの栄養素を消してしまったり、消化しにくくなってしまったりする組み合わせのことですね。
しかし、食べ合わせ自体には「相乗効果」「相加効果」「相殺効果」の3つの分類があると言われており、中にはお互いの栄養素を補い合ってくれる良い組み合わせもあるようです。
食材を単品で食べたり、1日30品目だからとやみくもにメニューに加えたりするよりは、栄養素を補い合ってくれる組み合わせを探した方が効率が良いと言えますから、しっかり知識を付けて健康な身体を目指しましょう。
食べ合わせは、別名「合食禁」とも呼ばれる!
1 一緒に食べると害があるとされる食物の組み合わせ。鰻 (うなぎ) と梅干し、テンプラと氷水、テンプラとスイカなど。食べ合わせ。合食禁 (がっしょくきん・がっしょうきん) 。「―が悪い」
2 凹凸の部分を互いに組み合わせること。また、その部分。かみあわせ。
食べ合わせには「相乗効果」「相加効果」「相殺効果」の3つがある!
実際のところ、食べ合わせには悪い組み合わせばかりではなく、体にとって非常に良い影響をもたらす組み合わせもあります。現在では、食べ合わせには3つのタイプがあると言われています。
相乗効果
栄養素の効果・効能を、倍以上に高め合う組み合わせです。それぞれに含まれる栄養素の量や吸収率が、数倍に増したりするような組み合わせが、相乗効果にあたります。
相加効果
相乗効果ほどではないものの、二つの食べ物同士がそれぞれ持っている栄養素の効果・効能を、上手に活かし合う組み合わせです。含まれる栄養素が互いの働きを補完しあって、体に良い影響をもたらします。
相殺効果
栄養素の効果・効能を、お互いに消し合ったり、どちらか一方を失わせたりする組み合わせを「相殺効果」と言います。日本に伝わる食べ合わせに多いのがこのタイプですが、間違ったもの、根拠のないものも多く存在していますので注意が必要です。
意識して食べれば、不足した栄養素を補うこともできる!
食材にはそれぞれ栄養素に特徴があります。カルシウムを多く含むものであったり、ビタミンCを多く含むものであったり。「骨を丈夫にしたいからカルシウムを多く摂ろう」と考え、カルシウムを多く含む食材を摂取したとします。でもこれではカルシウムの吸収を身体に任せたきりです。でもここでカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食材も摂取したとしたらどうでしょう。カルシウムの吸収量が増加し、より効率的に目的が達せられます。
「若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEを摂ろう」と考え、ビタミンEを多く含む食材を摂取したとします。ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、老化やガンの原因になる活性酸素を抑える働きがあります。しかしながらビタミンE単独では効果が持続しません。ここにビタミンCが加わることでビタミンEの活性が持続し、より効果を発揮するのです。
上記の事からもわかるように、食材を単品で食べたりやみくもに組み合わせるのではなく、食材の持つ栄養素を最大限に生かす事のできる組み合わせで摂取する事で、通常の2倍も3倍も効果を発揮する事ができるのです。せっかく食べるのですから、食材の持つチカラを最大限に生かしてみてはいかがでしょうか。
言い伝えは迷信?「実は全然害がない!」食べ合わせをチェック
まず、昔はダメだと言われていたけれど、実は「健康に害はない(場合によっては相乗・相加効果のある)」組み合わせだった!食べ合わせの例を見てみましょう。
最初にご紹介するのは、よく言われる「鰻と梅干し」。
実はこれ、梅干しの酸味が鰻の油っぽさ緩和させ、消化まで助けてくれるという非常に美味しい&身体に嬉しいコンビなのですが、昔は贅沢の抑制や食中毒防止などの意味で「食べ合わせが悪い」とされてしまったようです。
また、あまり見ない組み合わせですが「黒砂糖とタケノコ」(どちらも昔は高級食材だったため、贅沢すぎるとされた)や、「鮎とゴボウ」「アサリと松茸」(旬の時期が違いすぎるため、好ましくないとされた)なども身体に害はない食べ合わせなのだとか。
ドジョウと山芋は、食べ合わせが悪いというよりも「ぬるっとしたもの同士」なので、食感が合わないのだとか……。
ちなみに言い伝えはないものの、相乗・相加効果のある組み合わせとしては「豚肉+キャベツ」「カレー+らっきょう」「納豆+ネギ」などが知られています。
害は無い例その① 夏は特にピッタリ!爽やかな風味になる「鰻と梅干し」
【医学的には】
梅干は胃酸を濃くして、うなぎの油分の消化を助けるので好ましい。
食べ合わせの言い伝えには、根拠なし。
【食べ合わせ実験】
実際に、家族4人で一緒に食べてみたが、全員体調に何も異常なし。
【ぜいたくの戒め説】
梅干は胃酸を分泌させ、食欲を増進させる。
そのため、高価なうなぎをたくさん食べることになる。
贅沢(ぜいたく)を戒めるために、生まれた言い伝えではないか。
【過食の戒め説】
うなぎも梅干も、食がすすむ食材だ。
脂っこいうなぎも、梅干を食べながらだと
口の中がスッキリして、つい食べ過ぎてしまうので、
食べ過ぎを防ぐ意味で、言われたのではないか。
【栄養の消失説】
梅干には、脂っこい食物をサッパリさせる性質があるので、
体内でうなぎの栄養分が消されてしまうのでは…と心配したため。
【食中毒の予防説】
うなぎが腐っていたら、酸味がある。
もし梅干しを一緒に食べると、梅の酸味のせいで、
うなぎが腐っていることが判らないため。
害は無い例その② 昔は贅沢すぎるから禁止だった!?「黒砂糖とタケノコ」
くろざとう【黒砂糖】<brown cane sugar> + たけのこ【筍】<bamboo shoot>
理由
高級品の組み合わせで、贅沢の極みとされている。
※ 昔は高い値段だったそうです。料亭にでも行かない限りお手頃価格で現在は手に入りますね。値段ではなく食物への感謝が重要です。
害は無い例その③ 食感が合わないだけ!?「ドジョウと山芋」
・泥鰌に山芋:単に食感の問題と思われる。
害は無い例その④ 旬がずれてるだけで健康被害はナシ!「鮎とゴボウ、アサリと松茸」
鮎と牛蒡、浅蜊と松茸
旬が大幅にずれている例。
昔の知恵侮りがたし!「ほんとうに身体に良くない」食べ合わせをチェック
続いて、言い伝えは本当!「実は身体に悪いらしい」組み合わせを見ていきましょう。
まず、有名な「天ぷらとスイカ」ですね。
水分の多いスイカと油っぽい天ぷらはまさに「水と油」の関係で、胃液が薄まってしまい消化吸収がしにくくなるそうです。
これは他のウリ科の食べ物や水分の多い果物にも同じことが言えますから、揚げ物を食べる際には注意したいですね。
一緒に食べると身体が冷えすぎてしまい悪影響なのが「カニと柿」の食べ合わせ。
カニについては、良い保存手段がなかった昔は「傷みやすい」(食中毒になりやすい)という意味もあったようです。
これら2つの食材は蕎麦との相性も悪いようなので、食事の付け合わせには気を付けましょう。
また、中毒症状を起こす恐れがあり大変危険なのが「タコと蕨(わらび)」「タコと青梅」の食べ合わせ。
トウモロコシとハマグリも有名ですが、実際にどちらも消化しづらく胃に負担をかけがちなので、どうしても一緒に食べる時はよく噛むようにしてくださいね。
害がある例その① まさに水と油!?消化しにくい「天ぷらとスイカ」
天ぷらは、衣をつけて油で揚げて作ります。
この油というのは、体の中で消化できにくいものです。
そのため、胃の中に天ぷらが入ってくると普通の食べ物よりも多くの胃液を使って消化するのです。
一方スイカは、水分を多く含む食べ物です。
水分の多いスイカが胃の中に入ると、胃液が薄まってしまい天ぷらの消化がされにくくなってしまうのです。
スイカの水分が胃酸を薄めてしまうことが悪い原因ですので、水分量の多いウリ科の食べ物は天ぷらとの食べ合わせが悪いと思ってください。
したがって、スイカだけではなく、きゅうりやメロンも天ぷらの消化を悪くさせてしまうため、注意が必要です。
また、天ぷらだけではなくフライなども天ぷら同様に油をたくさん使用する食べ物です。
つまり、揚げ物全般とウリ科の食べ合わせが悪いと認識しておくようにしましょう。
害がある例その② 身体を冷やしすぎる!蕎麦との相性も良くない「カニと柿」
かに【蟹】<crab> + かき【柿】<persimmon>
理由
蟹はビタミンB1・B2が多く、栄養の代謝を良くするといった一面を持ちますが。。傷みやすいといった面も持っています。
傷みやすい蟹と、消化の悪い柿の組み合わせ。蟹も柿も体を冷やすため、一緒に食べるとダブルパンチで身体を冷やす。冷え性の人は症状が重くなるので、注意喚起。
また、この組み合わせは、山の幸と海の幸の組み合わせでもある。昔は両方を一緒に食べようとすると、食材を調達するまでに時間が要して、どちらかが傷んでしまうことがあったため、食中毒になったという戒めでもあるそうです。
そばとカニ あるいは そばと柿
上記のカニ・柿と、そばの組み合わせも良くないと言われています。そばは胃を冷やす食べ物なので、冷えやすい人には特におすすめできません。解決策としては、そばを食べる時にはネギやショウガなどの体を温めるものを一緒に摂るか、温かいそばにしましょう。
害がある例その③ タコを料理する際は注意!「タコと蕨(わらび)」、「タコと青梅」
蛸と蕨
蕨(わらび)の過剰摂取により、ワラビ中毒(蕨特有の主成分に依るもの)を引き起こす危険性がある。
蛸と梅
ここでいう梅とは青梅のこと。上記と同様に青梅の過剰摂取で青酸配糖体による中毒を引き起こすため。
害がある例その④ 迷信のようで消化に悪い!?「トウモロコシとハマグリ」
・とうもろこしとハマグリ:山のものと海のものの組み合わせは、運送手段が未発達の時代には、遠隔地にある二つのものを同時に食べようとすると、どちらかがいたんでいた可能性が高かったのでしょう。
トウモロコシと蛤などというのもありますが、貝もトウモロコシも消化の悪さではどっこいなので胃腸に負担を掛けます。
言い伝えじゃないけど注意しよう!現代の「食べ合わせ」NG食材をチェック
最後に、言い伝えはないけど注意したい!という現代の「良くない食べ合わせ」を見ていきましょう。
まず、栄養を相殺し合ってしまう野菜の組み合わせとして代表的なのが「人参と大根」「トマトときゅうり」。
人参と大根は定番の煮物やなますなどにしてしまえば問題はありません(大根のビタミンを破壊する人参のアスコルビーゼという成分が、酢や加熱によって動きを止めるため)が、生で混ぜ合わせるいわゆる「もみじおろし」などは、実は良くなかったということになりますね。
トマトときゅうりはサラダなどでお互い生で食べることが多いのでショックですよね……。
また、おつまみによくある「枝豆」と「チーズ」ですが、これも枝豆に含まれる成分がカルシウムの吸収を妨げるため、あまり良くないよう。
チョコレート+牛乳も、ポリフェノールを減少させてしまう働きがあるとか……定番の組み合わせが意外と身体に悪いとなると、何を食べればいいのか迷います。
この他にも気を付けた方が良い組み合わせがたくさんありますので、最下部にリンクを貼ってみました。
徹底する必要はないとは思いますが、ご参照いただければと思います。
「人参と大根」「トマトときゅうり」……栄養を相殺してしまう野菜たち!
・ にんじんと大根
にんじんに含まれるアスコルビーゼという酵素が大根のビタミンを破壊してしまいます。大根とにんじんの紅白なますなど、生同士で合わせるときには、酢をかけてにんじんの酵素の働きを止めてしまうのがいい調理法です。また、50度以上の熱を加えても酵素の働きはストップしますから、煮物などには心配はいりません。
トマト+きゅうり
サラダやサンドイッチなどの色々な料理で組み合わされる、きゅうりとトマト。実はこの食べ合わせには相殺効果があります。ビタミンCを豊富に含む食べ物として知られているトマトですが、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素が、トマトのビタミンCを酸化させてしまいます。ただし、体に害がある訳ではありませんので、常に気にする必要はありません。
おつまみやおやつにも注意!?「枝豆とチーズ」「チョコレートと牛乳」
・ 枝豆とチーズ
どちらもビールのおつまみにぴったりですが、ちょっと待って。 枝豆に含まれているフィチン酸は体内でのカルシウムの吸収を妨げてしまうのです。ですからカルシウムの多い食品と同時にとるのは効率があまり良くないのです。
チョコレートと牛乳:紅茶やチョコレートと一緒に牛乳を摂取すると、ポリフェノールが減少してしまうことが実証されています。
その他にも、気を付けるべき食べ合わせがたくさん!ラーメンライスもNG!?
スイカとビール
両方ともほとんど水分であるが、利尿作用もある。ビールの摂取が進みすぎ、急性アルコール中毒を引き起こす可能性がある。また、水分を摂っているつもりでも気づかないうちに脱水症状に陥っていて、水泳前や入浴前では水死の危険性もある。
ラーメンと飯(ラーメンライス)
チアミン(ビタミンB1)は糖質代謝に関連するビタミンであり、その必要摂取量は炭水化物の摂取量に依存する。ラーメンと飯(白米)はともにビタミンB1をあまり含まず、炭水化物摂取量が増えるため、疲労や肥満を招く恐れがある。ちなみに、ご飯もの(米飯料理)でも同様の理由で合食禁の扱いとなる。
お茶による食品中の鉄分(非ヘム鉄)の吸収阻害
食後に茶(特に緑茶)を摂取すると、食品中に含まれる非ヘム鉄は吸収を受けにくい形に酸化されてしまう。鉄欠乏性貧血で悩む女性やダイエットによって鉄分の補給が十分でない人は食後すぐに緑茶を飲むのは避けるべきである。
生の卵白とビオチンを含む食品
アビジンがビオチンの腸管からの吸収を阻害する。
食べ合わせが悪い組み合わせ22選
日常生活で身近な「食べ合わせが悪い」食材について、詳しくまとめられています。
絶対ダメ!というわけではありませんが、ぜひ読んで出来る限り意識しておきましょう。
徹底しなくても大丈夫!できる範囲で「食べ合わせ」を意識し、健康になろう
いかがでしょうか?昔から言い伝えられている食べ合わせの中にも、参考になるものがたくさんあるのですね。
中には良い組み合わせもありますから、それに関しては積極的に取り入れていきましょう。
ただし、食べ合わせはあくまでも参考であって、多くは命に関わるレベルのものではありません。
あまり思い詰めすぎず、できる範囲で意識して健康な身体を目指してくださいね。