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何歳でもできる?俺でも行ける?MBA留学のメリットと注意点
MBAといえば「経営学修士」とも和訳される大学院レベルの難関資格で、取得すると就職や昇進に非常に有利になるため、社会人になってからでも取得を目指す人が多い資格ですよね。中にはMBA取得のため、海外に留学する人もいるほどです。今回は「必要なら取りたいけど、MBAってどういう点でメリットがあるの?」と悩むあなたのために、その利点や取得の際に注意すべきことなどをまとめました!ぜひご参考ください。
そもそも「MBA」って一体なに?
MBAとは、和訳すると「経営学修士」となり、その名の通り経営学に関する大学院レベルの資格、と言えます。
組織にとっての経営資源である人材や財務会計、商品やサービスなどについて体系的に学び習得したという証明です。
修士号といえば基本的には大学院で専門分野を研究し、それが認められた時に与えられる称号ですが、MBAはそれとはまた違い、職業的な能力の実践的な習得を意味します。
以前は欧米で数千万円の留学費用、学費をかけて取得するものだったので、経済的にかなり余裕のある人でなければ難しかったですが、昨今では日本でも専門のスクールが開校されているとか。
MBAとは「経営学修士」のこと!
経営学修士(けいえいがくしゅうし)、Master of Business Administration(MBA)とは、経営学を修めたものに対して授与されることのある専門職学位である。
決められた単位を取得し、一定以上の成績を修める必要がある!
MBAとは、Master of Business Administrationの略称で、経営学修士号を意味します。ビジネススクールと呼ばれる経営大学院で、通常1~2年の間に必要な単位数についてある一定以上の成績を修めることで取得できます。
「経営学」「経済学」について体系的に学べる、実践的な資格!
組織にとっての経営資源であるヒト(人的資源管理)、カネ(財務会計)、モノ・サービス(オペレーション、マーケティング)、情報、に関わるテーマを体系的に学ぶことができます。これに経済を理解するためのマクロ・ミクロ経済学が加わり、基本的なMBAの科目が構成されます。
これらの知識をベースに実務的な経営戦略を学ぶMBAは、他の分野の修士号とは異なり、職業的能力の習得を意味する専門職学位(Professional Degree)に位置づけられています。
日本でも専門のスクールがいくつも開校されている!
以前は数千万円のコストをかけて、欧米の大学院に2年間留学しMBAを取得するスタイルが一般的でしたが、日本国内でも2001年頃から、社会人を対象にしたビジネススクール(経営大学院)が次々と開校されました。
アメリカでは「経営幹部へのパスポート」とも言われる!
アメリカでは年間7~10万人がMBAを取得しているとされ、大手企業(S&P500)のCEOの41%がMBAホルダーである
人脈も広がる!MBA留学のメリットとは?
前述したように、昨今では日本の専門スクールでも、MBAの取得を目指すことは可能です。
しかし、日本ではMBAの認知度がまだ低く歴史が浅いこともあり、やはりレベルで言えば海外のスクールの方が上だと言われています。
授業も全て日本語、周囲もほとんど日本人なので、国際的な視野を広げることも難しいそう。
海外のスクールには世界各国からたくさんの経営者候補たちが受講しに来ますから、様々な価値観を知り、人脈を広げることも可能です。
また、授業は全て英語で行われるため、ビジネス英語の能力も飛躍的に向上するそう。
MBAの知識のみならず、ビジネスマンとして必要なスキルも自然と身に付いていくのですね。
本格的に取得するなら、海外留学がおすすめ!
私は個人的に日本国内のビジネススクールよりも海外のビジネスクールでMBAを取得することを推奨しています。
やはり留学することで英語力は飛躍的に向上しますし、今の時代、キャリアを形成するには、各国のビジネスマンと英語でコミュニケーションが取れることが大前提だからです。そして、その能力は、MBA留学をしてからこそ身に付けることができると考えています。
その① ビジネス英語も上達し、国際的なビジネスへの可能性が広がる!
あなたが国際的にビジネスを展開すれば、多くの英文ビジネス雑誌や英字新聞を読み、世界の最新情報を英語でインプットして、多くの外国人ビジネスマンと英語でアウトプットする必要に迫られることになります。MBA留学ではこういった能力も習得することができます。
その② 専門機関に認められたMBAの学校が多い!
アメリカではAACSB、ACBSP、IACBE、ヨーロッパではAACSBに加えてAMBAとEQUISなど権威のあるMBAの認証機関というものが存在し、これらの機関から認証(Accreditation)を受けるのがMBAの証として必須ですが、日本のMBAの中で、これらのグローバル認証を受けているのは、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科と名古屋商科大学 大学院のみです。
その③ あらゆる国の学生たちと出会い、人脈が広がる!
海外のビジネスクールであれば世界各国からそのような高いモチベーションをもった多くの国のクラスメートと知り合うことができます。
彼らの輪の中に入り、一緒に1年ないし2年間勉強していくことで、MBA取得後には、世界中に人脈ネットワークを形成することができるようになります。
その④ グローバルな触れ合いから、ビジネスのヒントが見つかる!
クラスで扱うケーススタディや、クラスメートから聞くことのできる海外企業での経験・体験から、日本では情報の少ない海外ビジネスやグローバルビジネスの知見を獲得することができます。
MBA留学では、日本にないビジネスモデルや、日本にいては気づきにくい顧客属性、ビジネスカルチャーなど、これまで知らなかった海外での実態を通じて、自分の視野を広げ、発想力や創造力を大きく向上させることができます。
思わず口座を確認……MBA留学のデメリットとは?
しかし、MBA留学には思わぬデメリットも存在します。
まず、考えている以上に費用が莫大なこと。
最初の項で「数千万かけて行くのが普通だった」とありましたが、今でも決して大げさな金額ではありません。
国や選ぶ学校にもよりますが、基本的には授業料が年間500万円以上、生活費も含めると卒業までには数千万円のお金が飛ぶことになります。
また、MBA留学では今まで以上に英語力が向上しますが、授業は全て英語で行われるため、全く英語ができない状態で行っても意味がありません。
教科書を読んでも意味が分からないし、レポートなんて書きようがない!となってしまいますから、事前の勉強が必須です。
その① 少なくとも、1300万円以上の費用がかかる!
米国の大都市/トップ10スクールで日本と同じ生活を送った場合には、2年間で3,000万円かかることもあります
※Columbiaに留学し、NewYorkで賃貸アパート契約をした前提で、御家族含めた生活費+娯楽費をざっくり想定しました
一方で、Kelley(Indiana University)で、質素な生活をすれば(車を中古で購入して→2年後に無事故で売却したとしても)総額1,300万円程におさえることが出来そうです。
その② 一定以上のビジネス英語力が求められる!
海外に留学するならば、避けては通れないのが言語の壁です。主に英語となります。
現代のビジネスにおいて、英語は避けることのできない必要不可欠なものです。将来必ず国際的なビジネスに身を置きたいと思っているのであれば、英語を身に着ける最高の機会となると思います。
年齢は関係ない!MBAに向いている人、いない人
「もう今の歳からじゃ取り返しがつかないしな……」と思う人もいるでしょうが、やる気さえあればMBA取得に年齢は関係ありません。
しかし、やはり国内、国外を問わず、MBA留学に向き不向きは存在するよう。
特に留学ともなれば、余程強い意志がなければ達成することは難しいので、途中で日本に帰ってしまう人もいるそうです。
向いている人は、基本的に「挑戦が楽しいと思える人」「苦難を乗り越えてでも国際的な視野や人脈を広げたいと思える人」「常にポジティブに考え、知的好奇心に溢れている人」などが挙げられるようです。
向いている人① 論理的な思考ができる!
ビジネススクールでのケーススタディーでは、様々なMBA理論を用いながら課題の企業分析をして、企業が取るべきアクションを論理的に考えていく必要があります。マイケル・ポーター教授のファイブフォース分析や、 SWOT分析などを使ったり、課題企業と同じ業界の過去事例を用いて、成功する可能性の高い方法を模索しながら、解決方法をグループで討論したり、論文に落とし込んだりするのです。そのため、MBAで学ぶためには、非常に論理的な思考を思っている必要があります。
向いている人② コミュニケーションが好き!
MBA留学で現地のビジネススクールに飛び込むと、本当に様々な国地域の人たちと接することになります。様々な考え方やバックグラウンドを持った人たちと一つの目標に向かって進んでいくチームワークも必要になってきます。自分と違うタイプの人間と討論することが苦手な人は、 MBAのグループワークでは苦労することになるでしょう。
向いている人③ 最新情報に常にアンテナを立てている!
優秀な企業経営者の多くは新しいものが大好きです。新商品が出るとそれに興味を持って試さずにはいられなくなります。そのような人たちは、常に最新情報を頭の中にインプットしたり、自分で体験してみたりするわけですから、イノベーティブな考えも生まれやすくなります。そうすることで、 MBAで学ぶような経営理論に自分の最新情報を当てはめて、論文を書いたり議論を展開したりすることができるようになります。
向いている人④ 苦難を乗り越えても国際的な視野と人脈を広げたいと思っている!
そもそも国際的に視野と人脈を広げたいという人は、万難を排してでもMBAに来られると、得るものが非常に大きい。また、国際的なチームワークやリーダーシップ、コミュニケーション、文化の違いへのセンシティビティといったヒューマンインターラクションを必要とするようなソフトスキルも、MBAの留学が効果的だろう。
次に、「向いていない人」のタイプをご紹介します。
新たな挑戦にストレスを感じたり、物事をネガティブに考えがちだったり、純粋に学習意欲だけで人とのコミュニケーションを求めていなかったりする人は、どちらかといえば不向きの傾向にあるとのことです。
向いていない人① 人脈やソフトスキルを必要としない人
逆に、そのような人脈やソフトスキルは必要なく、金融や会計のハード・スキルだけ効率的に学びたい、という人であれば、別にMBAまで来なくても、今日び動画や紙ベースでMBAの授業コンテンツは出回っているので、独学力の高い人であればこと足りることであろう。
向いていない人② MBA取得が目標の終着点となっている人
これはどんな資格や学位にも言えることですが、結局は取得した本人がそれをどのように生かすのか、という問題に帰着します。日本のビジネススクールでMBAを学んだことをキッカケに飛躍する人もたくさんいます。国内でも英語で授業を受けれるプログラムも登場しています。
そもそも「MBAを取ればそのあとの人生は約束される!」と思っているような人は、MBAには向いていません。
失うだけ得るものも大きい!MBAを取得すれば、人生が変わるかも?
いかがでしょうか?日本では最近注目され出したMBAですが、海外では出世するために必要なものだとも言われているのですね。
MBA留学には費用も時間もかかりますが、その分学位や知識だけでなく、人脈や英語力など、それ以上のものを得られることでしょう。
取得しただけで人生が変わる、というのはある意味危険な考えですが、就職先の企業や社内での評価が変化するのは間違いありません。
少しでも興味があればお金を貯め、ぜひ将来の投資としてご検討ください。