美侍

「丁寧語」だけじゃダメ?知っておきたい敬語の種類3つ

職場で周囲の人々と話す時、欠かせないのが「丁寧語」。普段使っている言葉に「です」や「ます」などを付け足すだけで簡単に柔らかい表現にできますから、非常に便利ですよね。しかし、実は敬語には丁寧語だけでなく、謙譲語や尊敬語といった「3つの種類」が存在するのです!今回は敬語に自信が持てない方や、新人教育のために資料を作成しなければならない方のために、それぞれの特徴や代表例についてまとめてみました。ぜひご参考ください!

一番身近で簡単に使える! 【丁寧語】

最初にご紹介するのは、最も簡単で身近な存在である「丁寧語」。
「行ってき『ます』」や「今外出中『です』」、「資料で『ございます』」など、会話の言い回しを丁寧にする敬語の用法のひとつです。
聞き手や自分の書いた文章を読んでくれている相手に直接的な敬意を表し、言葉自体を美しく丁寧に言う、というものですね。

後にご紹介する尊敬語や謙譲語などは、この丁寧語を踏まえた上で使われることが多いので、必然的に最も使用頻度が高い敬語と言えます。
仰々しい敬語を使うにはちょっとそぐわない、例えば職場の近しい同僚や先輩などに話しかける時には、丁寧語を用いると良いでしょう。

「聞き手に敬意を表し、言葉自体を丁寧に言う」のが丁寧語!

敬語の一種。一般に,尊敬語,謙譲語と並んで敬語の3区分の一つをなすとされる。話者が話し相手に対して直接に敬意を表する表現をいい,特にデス,マス,古語のハベリ,ソウロウなどをさす。

出典:https://kotobank.jp/word/%E4%B8%81%E5%AF%A7%E8%AA%9E-100342

敬語の一。話し手が聞き手に対し敬意を表して、丁寧にいう言い方。現代語では「ます」「です」などの助動詞、古語では「はべり」「候ふ」などの補助動詞をつけていう。

出典:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/150311/meaning/m0u/

「です」「ます」「ございます」の3つが基本形!

「...です」の例
いま7時です       ここが会議室です     ○○商事です
東京の生まれです     こちらは見本です   など

「...ます」の例
雨が降ります      ドアが開きます    今から行きます
映画を見に行きます    休暇を取ります    など

「...ございます」の例
定休日でございます     ○○社でございます
企画書でございます     よい天気でございます   など

出典:http://www.levelup99.net/businessmanner/cate3post25.html

丁寧語は、最もよく使われる敬語!

尊敬語、謙譲語、丁重語は単独で使うことはほとんどなく、この丁寧語と組み合わせて使われます。

したがって、最もよく使われる敬語と言えます。

出典:http://keigo.livedoor.biz/archives/103584.html

仰々しい敬語は大げさかな……という相手に使うと好印象!

丁寧語だけを使うと、軽い敬意をあらわすことができ、先輩や年上の知人、自宅の隣人など、尊敬語を使うには少々大げさになってしまう間柄の人に使えば、好印象を持たれます。

出典:http://keigo.livedoor.biz/archives/103584.html

相手を立てて美しい言葉遣いに! 【尊敬語】

続いてご紹介するのは、相手を自分よりも高い位置に置いて敬意を示す「尊敬語」。
主に相手や相手に関係のある物や事柄、動作など敬うように使います。
こう言うと何だかよく分からない……と思うかもしれませんが、例えば「『ご』来店『くださり』ありがとうございます」「昨夜はゆっくり『お』休みにな『られ』ましたか?」というように、相手の行動に「お」や「ご」を付けたり、「られる」「なさる」などと表現するのが尊敬語です。

また、例えば「ご夫人」「ご子息」「ご令嬢」など、その人の家族や関係のある方々に敬称を付けるのも、尊敬語の一例として挙げられます。
上司や取引先の方、尊敬する年長者など、非常に丁寧な言葉遣いが求められる相手には、ぜひ尊敬語を使いましょう。

「目上の人の動作や関係するものを高めて言う」のが尊敬語!

尊敬語は、話の中に出てくる人物が、
話している人物より立場が上である場合、
話中の人物の動作を高めて使う言葉です。

出典:http://latetwentiesneet.com/529.html

敬語の一。話し手が聞き手や話題の主、また、その動作・状態などを高めて待遇することを言い表すもの。

出典:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/131967/meaning/m0u/

動作によって、使い方は様々!

・言う → おっしゃる 「課長がおっしゃいました」
・見る → ご覧になる
・行く → いらっしゃる、 おいでになる
・来る → いらっしゃる、 おいでになる
お越しになる、 お見えになる 「○○様がお見えになりました」
・知っている → ご存じ
・食べる(飲む)→ 召し上がる など

出典:http://www.jimcom.co.jp/manner/greeting03/000097.html

・お(ご)~になる  「部長はもうお帰りになりました」
・~なさる、 ご~なさる  「いつ、ご利用なさいますか」
・お(ご)~だ(です)  「□□社の○○様がお待ちです」
・お(ご)~くださる  「先輩がご指導くださいました」
・~れる(られる)  「このあとは会社に戻られるのですか」
・お(ご)+ 単語  「お名前」 「お考え」 「お忙しい」

出典:http://www.jimcom.co.jp/manner/greeting03/000097.html

敬称を付けるのも、尊敬語の一種!

・ 「お」「ご」+「様」などの接続語、
 接尾語をつける        「お考え」「ご子息様」「ご夫人様」
・ 「お」「ご」+動詞+「なる」「なさる」「くださる」 「ご来店なさる」「ご検討くださる」
                               「会員証をお持ちになりましたか」
・ 一般的なことば      「おっしゃる」「いらっしゃる」「ご覧になる」
                   「お客様」「○○さま」「社長」「お連れの方」

出典:http://park2.wakwak.com/~lion/benkyou/kotoba-tukaiwake.htm

取引先の方や上司には、尊敬語を使おう!

使う対象は、取引先の方、社内の上司、先輩などがあたります。

出典:http://www.tnjs.jp/article/%EF%BC%92%EF%BC%8E%E6%95%AC%E8%AA%9E%E3%82%92%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%8B

自分をへりくだらせて敬意を表す! 【謙譲語】

最後にご紹介するのは、自分を低く見せて相手を敬う姿勢を表す「謙譲語」。
尊敬語とは逆に、自分に関係する動作や事柄、名称などをへりくだった表現に変えて使うというものですね。
例えば「○○と『申し』ます」や「『拝見致し』ます」、「これを渡して『頂けますか』?」などが挙げられます。

ただし「させて頂く」については、例えば「ご挨拶させて頂きます」といったように、自発的な行為に関して使うのは間違い。
その場合は「ご挨拶『致します』」という風に表現しましょう。
これも尊敬語と同じく上司や取引先など、明らかに目上の方に対して使うよう心がけます。
平成19年度からは文化審議会が定めた「敬語の指針」により、立てる対象によって「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」という新たな分類もできたとか。

「へりくだった表現により、相対的に相手を立てる」のが謙譲語!

敬語の一。話し手が、自分または自分の側にあると判断されるものに関して、へりくだった表現をすることにより、相対的に相手や話中の人に対して敬意を表すもの。

出典:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/70039/meaning/m0u/

謙譲語の使い方は、主に3種類!

「参る」「存じる」など特別な動詞を使う

 ・例:「私が参ります。」(←私が行きます。)、「うれしく存じます。」(←うれしく思います。)

出典:http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/conv/keigo.html

自分が所有したり、自分に関係のある物や人を表わす特別な名詞を使う

 ・例:「拙宅では暖房にガスストーブを使っています。」(←自分の家では暖房にガスストーブを使っています。)、「愚息を紹介します。」(←自分の息子を紹介します。)

出典:http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/conv/keigo.html

自分の動作や行為をあらわす動詞のかたちを「お(ご)[ 動詞 ]する」「お(ご)[ 動詞 ]いたす」と変える(→「お」と「ご」)

 ・例:「あしたご連絡します。」「決まりましたら、お電話いたします。」

出典:http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/conv/keigo.html

「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ」という新たな分類も……?

謙譲語Ⅰの場合、「先生のところに伺います」とは言えますが、「弟のところに伺います」は不自然です。これは、「先生」が「立てるのにふさわしい」対象となるのに対し、「弟」は「立てるのにふさわしい」対象とはならないためです。謙譲語Ⅰは、向かう先に対する敬語であるため、このように立てるのにふさわしい向かう先がある場合に限って使います。

出典:http://b-chive.com/honorific15/

謙譲語Ⅱの場合は、例えば「先生のところに参ります」とも言えるし、「弟のところに参ります」とも言えます。謙譲語Ⅱは、相手に対する敬語であるため、このように、立てるのにふさわしい向かう先があってもなくても使うことができます。「申し上げる」(謙譲語Ⅰ)と「申す」(謙譲語Ⅱ)を例に考えてみましょう。

出典:http://b-chive.com/honorific15/

謙譲語の使い方さえしっかりと頭に入っていれば、ⅠとⅡの分類については明確に覚えていなくても大丈夫ですから、代表的なものから身に付けていきましょう。
また、「『粗茶(そちゃ)』ですが……」「うちの『愚妻(ぐさい)』が……」などと自分が用意したもの、身内などを下げる表現も謙譲語ではありますが、昨今では逆に敬遠される恐れもありますから、使いどころには気を付けてくださいね。

敬語は誰にでも難しいもの!覚えたら臆せず使ってみよう

このように、敬語には様々な分類があるだけでなく、それぞれに使い方が異なり難しいもの。
実際に仕事をしていても、うっかり間違えてしまった……なんて人もたくさんいます。
使っていれば徐々に慣れていきますから、まずは丁寧語を完璧にマスターし、尊敬語と謙譲語は実践しながら覚えていきましょう。

ただし、上司や取引先はともかく、同僚や近しい先輩に堅苦しすぎる敬語を使うと、逆に「距離が遠すぎる……」と感じられることもあるようですから、相手によって使い分けることが大切です。

慣れればカンタン!敬語をマスターして、仕事に活かそう

いかがでしょうか?一見難しそうに思える敬語ですが、使い慣れれば自然と出てくるようになりますから、あまり考えすぎずまずは丁寧語をきちんと使えるように心がけましょう。
ただし、直接話す時には多少敬語が間違っていても気になりませんが、社内文書やメールなど書面に残す場合には恥ずかしいこともありますので、不安があればその都度調べるのがおすすめです。

美しい敬語を使える人は、上司やお客様からも一目置かれるもの。
より良い仕事に繋げるため、いずれはしっかりとマスターできるよう頑張ってくださいね。